発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.1,最初から。
プロローグ
発達トラウマとは
戦闘員だったこともない,シリアやコンゴの難民キャンプに行ったこともない,それでも,トラウマに出くわすのです。トラウマは,私たちにも,友達にも,家族にも,ご近所の人たちにも,あることなんです。アメリカ疾病予防管理センターの研究によれば,5人に1人のアメリカ人が,子どもの頃に性的虐待に遭っています。4人に1人のアメリカ人が,アザができるほど親から打たれた経験があります。3組に1組の夫婦が身体的暴力に関わっています。4人に1人のアメリカ人がアルコール依存症の人と一緒に育っていますし,8人に1人のアメリカ人が,自分の母親が打たれたのを目の当たりにして育っています。
実に多くのアメリカ人が発達トラウマを体験しているかが解かりますね。
日本の場合は,だいぶ違いがあります。何と言っても,働き方が,死ぬほど働くことが当たり前。働き方「改革」と言っても,死ぬほど働く働き方を,改めるのではなく,死ぬほど働くことを是認する,と言って,中身が酷すぎる。
子どもは,1歳半までは,母親とゆったりと見つめ合う時間が,不可欠です。ところがこれができる人って,100人いて,何人いるのかしらね? たとえば,夕ご飯を家族全員で食べている家庭は,100家族中,何家族有るのか? を考えたらわかるでしょ。
日本の子育ての基本形は,ネグレクトと心理的虐待です。それは親が悪い,というよりも,ニッポンの社会が,病んで不毛な社会(impoverished society)ですから,ゆとりのない母親がとても多い。ゆとりのない母親は,たいていイライラしているか,不安であるか,その両方です。その子どもは,さらに身体的虐待に晒されやすくなっています。性的虐待も,実はビックリするほどたくさんいます。
ですから,ニッポンでは,発達トラウマ障害(DTD)のヴァン・デ・コーク教授の定義は,日本ではやや厳しすぎるきらいがありますから,もう少し条件の数を減らした方が,現実的な「診断」が可能なる,と私は考えますが,発達トラウマ障害(DTD)の子どもは,少なくとも子どもの半分ほどと言っても過言ではありません。すなわち,どなたも言いませんけれども,アメリカ以上に,ニッポンでは,発達トラウマ障害(DTD)はパンデミック(大流行)なんです。
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