「言葉のイメージ」という言葉を知っていますでしょうか?
この「言葉のイメージ」と対になるものが「眼に見えるイメージ」、人形、フィギアのようなモノですね。この2つは似ているようで、全く違うものなんですね。「言葉のイメージ」は生きているのに対して、人形、フィギアのような「眼に見えるイメージ」は死んでいるからです。生きていることの特色は、躍動的であること、人とやり取りがあることですが、死んでいると、固定的、人とのやり取りがありません。
絵本の読み聞かせの時に働くのが、この「言葉のイメージ」ですね。松井直さんから教えていただきました。2002年に、NHKの「人間講座」でこれを知った時の感激が忘れられません。それから私はすっかり絵本ファンです。「言葉のイメージ」は心の中の言葉になるからですね。
心の中の言葉で大事なのは、私が繰り返し申し上げているように、≪見通し・イメージ≫と≪話し言葉・声≫と≪出来事≫の結びつき。この3つが結び付くためには、誠実にこの3つを結びつける遊びを「共にする」、共にしてくれる、1人の大人の遊び相手が必要です。その絶好の機会が、私が絵本セラピーで日ごろやってもらっている、「≪約束≫に基づく絵本の読み聞かせ」セラピーなんですね。このセラピーは子どもの心の発達において強力な力があるもので、成功事例しかないんですね。こんなセラピーは寡聞にして他に私は知りません。
人の心は、≪見通し・イメージ≫と≪話し言葉・声≫と≪出来事≫が結び付くとき、発達するんですね。そのためのイメージが、この「言葉のイメージ」なんです。そして、これは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教はじめ、まともな宗教が何千年も昔から、ずっと大事にしてきた知恵なんですね。
私どもも、いまこそ、この「言葉のイメージ」という知恵に学ぶときですよね。
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