エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

分かってくると、自然界ともお別れ

2014-04-01 07:20:23 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 

 赤ちゃんの目の前にお母さんがいないと、お母さんは「自分の相手をしてくれないんだな」「私は一人ぼっちね」という感じを募らせることになってしまうようですね。そこから、「どうせ自分には値打ちなんかないんだ」「どうせ自分なんかダメなんだ」という感じにもなってしまいます。自信のない子、勝ち負けにこだわる子、根源的信頼感の弱い子になってしまいます。

 

 

 

 

 

 同様に、人間は赤ちゃんの時にはまだ、自然と一体感を感じています。土、動物たち、植物たちはまだ、人間の手に届くところのある存在です。人は自分自身を動物に見立てますし、こうしたことが動物のお面をかぶることや、トーテムの動物や動物の神々に出ます。ところが、人間がだんだんこういった最初の繋がりから離れるにつれて、人間はだんだん自然界から離れていきますし、相手にされないことから逃れる新たな術を、ますます努力して見つけなくてはならなくなります。

 

 

 

 

 

 「母なる大地」という言葉があります。赤ちゃんの時には、おかあさんと一心同体であったように、自然とも一体感があるのですね。しかし、お母さんと自分は違うんだと分かるようになると、自然界とも、分かれていくことになるのですね。分かるという意識は、分けることと結びついているのです。ですから、自然との絆も、もう一度結びなおすすべが必要になります。

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