以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

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プレミアムO/H。。。(笑)

2019-11-05 14:59:00 | 日記
モジュールの修理にも一手間掛けたがりの寅です。(笑)

1990年代に新車で世に出て間もなく30年選手の王台に載ろうかと言う毒車。。。



☆画像はイメージです。


モジュールの電子回路基盤も当然に経年劣化が進んでいるもので、、、

その代表格は電解コンデンサー。。。

だから経年劣化した電解コンデンサーを一式交換するだけでもモジュールはサクサクと動作する様になりますが、、、

代替部品の容量と耐電圧が合っていれば取り敢えず基盤は動きます。。。

ただ、、、基盤には使用条件ってものがあります。。。

今回のお話は毒車のモジュール。。。つまり車載用途です。

って、、、事は家電製品などとは違った過酷な使用条件を加味した上での代替部品の選定が必要になります。。。

熱、振動、湿気と言う三大悪条件が絡んで来ます。

モジュールのケース側においてモジュールの設置箇所に応じた放熱と防水についてはメーカーにおいて対策が行われていますが、、、振動については当時の欧州のハンダ故に。。。

モジュール内部基盤で結露が発生した場合に当然ハンダにも水分が吸着されます。。。
吸着された水分はモジュール内部で発生した熱も手伝ってハンダを酸化させ、、、最後はエンジンの発する微妙な周波数によってハンダ割れに繋がります。

又、モジュールが動作する事で発生した動作熱はモジュールのケースを伝ってヒートシンク状の切込みから放出されますがモジュール内部には半導体スイッチング素子、レギュレータ素子などの動作熱によって結構な熱が篭ります。。。
オマケにモジュールの設置場所がエンジンルーム内部だったりしますと、、、エンジンの発生熱も手伝ってモジュール自体の温度上昇は更に激しさを増します。。。

モジュール内部に篭った熱による温度上昇も考慮の上で電解コンデンサーなどの電子部品も選定しなければならないのです。。。
車載用で且つオン抵抗の大きい半導体はオン抵抗分エネルギーロスが出ますので当然ながら動作熱も大きくなります。。。30年前の毒な国では熱が出りゃ放熱すりゃあいい位の考えだった様でスイッチング半導体にかなり立派なヒートシンクを装着して熱放出を狙ってあります。。。

しかしながら電解コンデンサーってヤツは耐熱許容温度と言うものが存在していて当時モノはMax105℃までが上限となっていました。。。



☆画像はイメージです。


恐らくは当時の毒な国の設計者は105℃近辺までの温度上昇を想定して作られたのであろう。。。

だけど、、、やはり耐熱許容温度にも余裕が欲しい。。。
何故ならば常に耐熱許容温度ギリギリで使用されていたのでは電解コンデンサーの劣化も早まりますからね。。。

だから、ウチでは電解コンデンサーの選定においても車載用で且つ耐熱許容温度が125℃、135℃、150℃のモノを使用箇所に合わせて個別に選定しております。
勿論、直接熱害が想定されない箇所においても設置条件による例外はありますが標準で105℃仕様を選定する様にしております。

後は電解コンデンサーに比べれば熱害は少ないですが経年による風化が認められるタンタルコンデンサー類も、現行のもっと精度の高いチップ部品に置換するのもウチの一手間かな。。。



☆画像はイメージです。


まあ、その他にも各部に相応の理由を持った電子部品の選定を行う事で基盤動作の精度を高める措置も行なっております。

電子部品の技術も日進月歩なので当社ではその時々で最良の動作を狙える電子部品を常に選定して代替部品としております。
素人さんが秋葉原で掻き集める程度の部品選定は行なっておりません。。。

余談ですが「安い❗️安い❗️」がウリのモジュール修理屋さんで施工されたT/LLRモジュールが一年程度で不調を起こした物の修理を請け負った事が御座居ましたが、、、
案の定、電解コンデンサーのみの交換で他は一切手付かず。。。
しかも代替品として使用されていた電解コンデンサーは容量と耐圧は合っているものの家庭用のオーディオ機器に用いられる様な部品であった。。。
熱による電解コンデンサーの劣化、膨張が著しい他タンタルコンデンサーも風化していた上に基盤上のパターンの剥離トラブルも出ていましたので当社にて手入れを行い修正させて戴きました。。。

と、まあ一台一台のモジュールに向き合って状態を把握した上で不良箇所を攻めて行くが故に多少のお時間と費用は要します。。。

中途半端なモジュール修理は承っておりませんもので。。。(笑)