以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

メーター修理の色々。。。

2021-09-04 11:27:00 | 日記
最近は連日メーター絡みの修理依頼が多くてメーター屋さんみたいな仕事をしている寅🐯です。。。

毒車もほぼ30年と言う歳月を経て計器盤にも経年劣化が否めない状態となって参りました。。。

水温計や燃料計の針がピョコピョコ動いたり、時計が時折止まって何かの拍子で再び動きだしたり、、、『タダでさえ暗いノーマルの計器盤の照明が更に暗くなって夜間は殆ど見えない暗黒のメーターになって来た。』だとか。。。

外気温度計の表示が突然消えたとか、エンジン回転は安定しているのにタコメーターの針がブルブルと上下する等々。。。

W124のV8モデルやW126で多いのがメーターのODO&TRIPが不動って不具合。。。

この修理も単に速度計ユニット内部のギヤーBOXのギヤーを交換すりゃあエエってモンでもないのよ。
ギヤー交換にも一手間加えないとギヤー交換後にギヤー同士のカチカチ音が出て非常に聞き感触の悪い事になる。。。

故障のケースも様々でピニオンギヤーが飛んだだけの故障から、、、


最近はピニオン、2nd、3rdギヤーが心中している事が殆どですな。。。



↑ピニオンギヤーも粉々に砕け散ってこの様なお姿に。。。

破片がギヤーBOX内に散らばっていたりすると大掃除作業が伴うのです。。。


何度も言いますが単に代品のギヤーを組んだだけでは後々に動作ノイズ音が気になる事になります。
この手のアナログメーターを修理している業者に入る一番多いクレームの様ですよ。。。
まあ、大抵はグリスをしこたま塗って音を小さくしても場当たり的な処置に過ぎないので再びノイズ音が発生。。。
で、、、多くの結論は『旧いんだから仕方が無い。』と、便利なお言葉。。。🤣

現在じゃ、この手のクレーム対応が面倒臭いからアナログメーター修理は受け付けていないと言う計器屋さんも出て来てる位なのよ。。。

まあ、オイラより遥かに年齢がお若い職人さんはデジタル時代一本で学んで来た人々が殆どなのでアナログユニット自体理解出来ない衆も多いわな。。。コレも時代の流れか。。。

それよりもタチの悪い計器屋はメーターに電気が採用された時代の電気的動作原理も理解出来ていない系である。。。

実は電気式速度計を採用しているW124のV8モデルやW126では速度計の指針が上がらないと言うトラブルも結構発生している。。。

この時代の基盤にはVDO製の速度計専用ICが採用され、ミッションから来ている速度センサー信号を基盤に入力して入力波形を変換して速度計専用ICに入力してICの積算値を電流信号に変換して速度計のコイルに入力して電磁石の原理でメーター針が上がると言う仕組みである。
又、距離計のコントロールは速度計専用ICに入力された速度信号から進行距離を割り出して距離計駆動モーターにクロックパルス信号を与えて距離計を動かす仕組みである。

つまり、速度計の指針が上がらないと言うトラブルの多くはミッションから来ている速度信号の変換過程で問題が発生している事が殆どで同時に距離計も動作しないと言う故障が殆どなのである。。。

この速度計の基盤、、、速度信号のパルス変換回路が結構な精度で設計されているので(当たり前だわ。この部分の精度が悪くちゃメーターの表示誤差が大きくてメーターの役を成さないわな。。。)基盤を熟知した職人さん以外は手を触れちゃならんトコとも言えます。


毒車のメーターで最近多いのがアース不良による表示不良や警告灯類の全不灯。。。

この場合にはメーター本体の内部不良も多いが、車台側のアースライン不良も実に多い。。。

この判断はW124、W201では先ずメーター本体を外して向かって左側の丸い15Pソケットの刻印をよく確認して1番の端子とボデイアースが導通しているかテスターで確認する必要がある。
ココが導通が無ければ完全に車台側のアース不良である。
丸い15Pソケットは単に分解すると端子があっという間にバラバラと抜けて悲惨な事になるので無闇矢鱈な分解は地獄への第一歩❗️
バラバラにならない裏技がありますが、其処は企業秘密ってコトで。。。😝

15Pソケットのアースラインの線の色は茶色である。
もし、アナタに勇気があるならば15Pソケットの配線束を剥いて茶色線を探し出してニッパでカットして15Pソケット側の線を皮剥きして15Pソケットの1番端子と導通があるかテスターで確認するとヨイ。
大抵は導通があるので皮剥きした茶色線に新設するアース線を半田付けしてφ4のシリコンチューブで養生してメーター周りのボディフレームにアースを取れば問題はほぼほぼ解決するであろう。。。
でも、それは15Pソケット内部の1番端子と茶色リード線のカシメ部分で断線していなければの話である。。。😱

我こそは挑戦者になろうと言う貴殿の幸運を祈る‼️🙏

W126については自分で弄り壊しておいて偉そうに貧乏臭い依頼をして来るユーザーが多いので教えない〜。🤣🤣🤣
インターネットの知ったかオーナーの無責任な情報サイトの情報でも調べて下さいませ。。。🤣🤣🤣🤣🤣

で、、、まあ先日依頼のあったメーター内部のアース不良修理のW201 190Dのメーター修理の実例の御紹介。。。


年数が経っている割には結構程度の宜しいメーター。。。

水温計、燃料計の指針不良と警告灯類の不灯と言う症状。。。



先ずはユニットの分解。。。

真上の電解コンデンサーの液漏れで半田を腐らせてますな。。。

半田ゴテを当てたら臭えこと。臭えこと。。。


各メーターコイルのアース接触点も経年劣化で問題アリ。。。
一旦コイルを外して接触点の加工改良を行なってコイルの接触点もシコシコと研磨して組み付け。。。


コイルのロックに昔の毒な国の貧弱なナットをネジロック剤で留める何て野暮な事を嫌うオイラはウチのやり方でキッチリロック❗️


丸い15Pソケットの1番から来ているアースラインをこの部分で速度計の一番下にある金属アースプレートと接触させて時計側のユニットまでアースを持って行ってると言う構造。。。

ココも経年劣化で酸化して接触不良が出易いのでキッチリと研磨して組み付ける。。。




9番のオルタネーターのL端子入力部分もよく不良が出る箇所。。。
イグニッションONで警告灯の不点灯でメーター側に問題がある場合はココから確認。。。


此方もハンダ割れが見られたので半田の打ち直し修復作業。。。








比較的程度が良いのにメーター針が日焼けして黄色く色褪せているのは頂けないと、個人的主観でメーター針を上程度のモノに交換。🤣

今回の不具合の原因の殆どはこのユニットでしたけど他のユニットも同時に点検補修作業。







メーター照度調整ボリュームもトラブルを起こし易いタマなので分解O/Hして接点不良の要因を払拭。。。


と、まあ作業の一部をお見せしたりウチのノウハウを一部公開して参りましたが見よう見真似で実行するにはかなりのチャレンジ精神が必要なのと弄り壊しても当方は一切の責を負わないモノと致しますので念の為。。。🤣🤣🤣🤣🤣


さて、昨晩は現在入庫中のW124 500EのクライメートコントロールパネルのO/Hが完了したのでこれから現車に装着。。。










ユニット修理品。。。まだまだあります。溜まってます。。。🤣🤣🤣🤣🤣🤣

只今激混み中なので暫くお待ち下さいませ。。。