以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

W124 E320TE ABSモジュールO/Hの巻。。。

2023-06-05 16:17:00 | 日記
日々、ユニットO/Hの業務に縛られている寅🐯です。。。

今回はABS警告灯⚠️がたまに点いては消えると言う何とも気持ち悪い症状のW124 E320T君のABSモジュールのO/Hでごわす。。。

先ずはユニットを分解。。。



W124でも後期モデルの品番だから基盤上の構成部品もIC化されて部品点数も少なくなっております。。。

しかし、経年劣化による不調は常に付き纏って来るところなので要整備と言う訳ですたい。

先ずはこの手の回路の鬼門となる電源回路から着手。。。

見事に電解コンデンサーがパンクして液漏れの痕跡が御座居ました。。。

安全装置の制御基盤な故、メーカーでは基盤のコートにコストを掛けていて電解コンデンサーから漏れた電解液が浸食して基盤パターンの銅箔に達するまでに相当の時間を要するが故に、電源回路部分については未だ基盤パターンには影響が及んでませんでした。。。😉

漏れた液体の徹底清掃の上、電解コンデンサーの交換です。

コレが電解コンデンサーがパンクしてからかなりの時間が経っていると基盤パターンを浸食して断線させたり基盤からパターンが浮いてしまったりと最悪の事態に至る事も有り得ます。。。

早目のメンテナンスが肝要ですな。。。😆

次にABSコントロール信号出力側の電解コンデンサーを取り外し。。。

見事に電解コンデンサーがパンクして液漏れした液体が浸潤してますな。。。

浸潤した液体が電解コンデンサーが跨ぐ間を通る3本のサーキットラインを腐食させています。

こうなると、基盤のコートを剥がして腐食してしまったサーキットラインを研磨して銅製のグラフトを貼り付けるOPEが必要になります。
腐食が進行して末期状態になっていると断線迄の死への十三階段☠️は止まらないですから。。。
進行を止めるには浸潤箇所を摘出して新たなグラフトで繋ぐしか方法は無いと言う事です。

てな、手技にてこのABSモジュール君は復活しました。。。

で、、、一息入れていたところ今年もやって参りました。。。
エアコンリレーの修理のお問合せが。。。其れも立て続けに三件。。。
車種は三件共W124の後期モデル。。。
つまりケツ四桁品番は5605ですな。。。

メーカー供給終了品でヤフオクじゃあ高額出品されている代物ですな。。。🤣
中には使い古したスーパー中古品を『新品』或は『未使用品』と謳って出品しとるエグイ出品者も居る。。。
いざ、高い¥金額を出して現車に装着してみるとA/Cコンプレッサーのクラッチはウンともスンとも言わなかった何て話は山ほど聴く。。。😂

まあ、悟りの境地に入った寅🐯からすればKE車向けのF/Pリレーだって、W124用の外気温度計だってノークレーム&ノーリターンの神言葉によって三割位の確率で不動品があるものだと認識すべきかと。。。

但しね。。。今遭遇しているエアコントラブルの原因が本当にエアコンリレーなのかを確定した根拠は何なのかを説明出来ない様であると例え正常動作品のエアコンリレーを購入してもトラブル解消には繋がらない事も有り得ます。。。

多くの素人さんは『エアコンモードで冷風が出ない❗️エアコンリレーだ❗️』と決めつけていらっしゃる様ですが、、、そりゃ遠回りの高額出費な博打になりかねんですぜ。。。

実はエアコンリレーの不良でエアコンが全く効かないと言う症状は僅少であります。
そこで参考迄にウラの取り方を以下に一部紹介しますが信じるか信じないかは貴方次第だよん。。。🤣

先ずはエアコンシステムに適正量の冷媒(エアコンガス)が入っている事が基本であるが全量抜けてしまっていてはエアコンリレーを交換したってまず治らないと断言出来ます。🤣
この場合にはW124だとA/Cコンプレッサー、A/Cコンデンサー、高圧エキスパンションバルブ、リキッドタンク辺りからの漏れが多いのでさっさと交換してしまいましょう。
作業は相応の設備とスキルのある人にお任せしましょう。
インターネットの無責任な記事を参考にDIY何ぞ論外です。

エアコンシステムに冷媒漏れが無い事を確認して冷媒が適正量入っているのであればイグニッションON、エアコンONでリキタン近くのA/Cコンプレッサークラッチコントロールの圧力スイッチに挿さっている端子を抜いておく。そしてエンジンスタート。車台側で端子同士を短絡してみましょう。
この時点でA/Cコンプレッサーのクラッチがカチカチ動作している様であればエアコンリレーは基本的に動いていると言う事。
圧力スイッチの不良の方が遥かに確率が高い。。。
圧力スイッチは冷媒全量抜きになるのでついでにA/Cコンプレッサー、高圧エキスパンションバルブ、リキタン、電動補助ファンコントロール圧力スイッチも同時交換が望ましいですな。。。
新車から30年モノのA/Cコンプレッサーなどいつガス漏れしても可笑しくないですからな。。。
況してやパワステオイル等の漏れによってオイルがブッかかったA/Cコンプレッサーはいつトラブっても可笑しく無いですからな。。。

↑ココまでが異常無ければ晴れてエンジン始動。エアコンON。。。
吹き出し口から冷風が出ている。。。異常無し。。。
ところが突然何の前触れも無しにエアコンが自動停止。吹き出し口から常温風が出てA/CコンプレッサーのクラッチがOFFになっている。。。

この状況になって初めてエアコンリレーの疑いが出て来ます。。。
でも、エアコンリレーがたった一つの原因とは言い切れないのよん。。。❤️

他に同じ症状を招く部分としては、、、

A/Cコンプレッサーに装着されている回転センサーの不良。。。
このセンサーが不良だとコンプレッサーの回転を検出出来ずにフェイルセーフに入ってA/Cコンプレッサーのクラッチを開放してしまいます。。。
多くは30年選手のA/Cコンプレッサーな故、回転センサーも同じく劣化しています。
A/Cコンプレッサーを交換した過去が無いのならばセット交換してしまいましょう。
A/Cコンプレッサーの部品に回転センサーも装着されています。ASSY交換❗️ASSY交換❗️
大丈夫❗️A/CコンプレッサーASSY一台、、、250,000円位ですよ❗️😝

A/C操作パネルのマイコン基盤の不良。。。
A/Cリレーユニットと通信のやりとりをしているがマイコン基盤の動作不良でA/Cリレーユニットへの指示信号が不安定になる時があります。
又、A/Cコンプレッサーの回転センサーからの信号が読めなくなる事も有ります。
この場合には当社では基盤のO/H対応で概ね110,000円〜です。

と、まあ同じ様な症状で原因が全く異なる事が御座居ますが、流石は30年も前の毒車です。
エアコン系統の修理に先ずは50万円の予算の御準備が出来ない方はドツボに嵌まるだけです。
高年式の国産コンパクトカーにでも乗換えたら如何でしょう❓❓

お客さん❗️メルセデスですよ❗️ベンツですよ❗️
しかも30年選手ですよ❗️壊れますよ❗️お金掛かりますよ❗️

維持出来るオーナーが篩に掛かる時代の到来でんな。。。

W124 500Eのオーナーも只今激減中です。。。😅
部品供給も厳しい上に部品価格も高騰。。。
其れでも乗り続ける特異なユーザーさんへの協力は惜しみませんけど。。。😄