Now+here Man's Blog

Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

And She's Buying A Stairway To Heaven

2006-02-22 09:30:05 | ThinkAbout..
昔、こういう女がいた。彼女は当時22か23だったと思う。
彼女は駅前のメインの通りに面するカフェでアルバイトしていた。
色が白くて髪が長く誰が見ても可愛い美人だった・
彼女のウワサは大学中に広まり、彼女のファンがカフェにやってきては、コーヒーで2時間も3時間も粘った。
俺も客としてうわさの彼女を見に行った。なんとかキッカケを作り、1回だけデートに誘った。
夜に花火をするデートだ。
でも雰囲気的には知らない誰かに道を聞かれて親切心で送ってあげる、そんな感じのつまらないデートだった。
塵のような記憶だ。

彼女は、自分の彼から誕生日にもらった指輪を他の男と一緒にいたホテルの部屋に忘れてくるようなタイプだった。
緻密(ちみつ)ではなかったんだ。
誰もが持つコッソリとした秘密に自分自身が馴染めなかったんだ。
翌日、彼とのデートの前に、その大切な指輪がないことに気付きホテルに指輪を取りに行こうとしたら、
駐車場の車のタイヤが4本とも盗まれていた。
体中の間接がバラバラになって座り込んでしまった。
そういうことを年中繰返す。そういう女だったんだ。

彼女は、友達が少なく、男からは本当に愛されたことがなかったように見えた。
彼女からも誰も求めなかった。男と付き合うことは心の空白を埋めるための作業だったかもしれないね。

彼女は自室で大量の睡眠薬を飲んで自殺したことを、後で人づてに聞いた。
新聞の片隅に載ってるような明日には忘れてしまうような出来事だった。
そんな女いたっけ?名前も思い出せない。そう、名前も思い出せない。

彼女はそのカフェで小銭を稼いだ。
きっと天国への階段を買う計画があったに違いない。
彼女は天国に行った。
でも天国にある店はいつも閉まっていて好きな洋服を買うことも出来ないし、
おいしいケーキセットを食べることもできなかった。
そういうタイプだ。

彼女が不幸なことは、気にしてくれる誰かの存在がわからなかったんだ。
誰でも気にしてくれる人は必ずいる。
今いなくても必ず現れる。
それが気付かなかったんだ。むしろ自分からシャットアウトしてしまったんだ。

誰かが気にしてくれる。離れているとよくわかる。

HAWAII

2006-02-21 16:40:23 | ThinkAbout..
18年前にオアフに行った。
安藤美姫はまだ生まれてない。
スキーで儲かってるとき会社のプレゼントで行ってきたんだ。
行きは成田集合で、帰りはホノルル集合の勝手気ままな旅行。
そのころウインドはミストラルのパンデーラに乗ってた。
その道具は自動車部品の大手の会社から個人的にプレゼントされたものだった。
信じられないね。そのころはバブル絶頂期でなんでもあったんだ。
自分の金で飲み食いしたことはない。そんな夢のような過去。

ワイキキのシェラトンに泊まったけど、そこは夜しか戻らなかった。
毎日レンタカーで地図を見ないで適当な住宅街にわざと迷い込む冒険をした。
チャイナタウンに行ってしまい、ヤバイ連中にマワリを囲まれ車から降りれなったりした。

ノースの雰囲気が素晴らしかった。
空気まで日焼けしていて緑のハッパはより緑で、赤い花はより赤だった。
サンセットでウインドを見た。人間のやるスポーツではないと思った。
ノースの波に乗ってるいかれた連中にしか見えなかった。

サンセットの山側からサーファー二人が千鳥足でオイラの車の隣の車に戻ってきた。
思い切りぶっ飛んでた。何をやっても笑ってた。
あまりにうらやましくて、オレにもくれ!と言ったら同じ会社の奴に頼むからやめてくれと言われた。

毎朝カイルアに通った。
途中、ヘッドからウインドを見下ろした。ロビーがいるかってね。
日本人の女がオイラに寄ってきた。
やった!やった!と思ったら、英語で矢沢えーちゃんの別荘はどこかって聞いた。
知るわけねーだろ!

カイルアのナッシュでパンデーラを借りた。
ダガーがない板なんてとてもじゃないけど乗れるわけなかった。
セイルは6を借りたんじゃないかな。
セッティングすらまともにできなかった。
だいたいダウンってあんなに引くなんて思わなかったからね。
海を見たって、吹いてるか吹いてないかもわからないくらいだ。

そのときウエーブで出ているヨーロピアンがたくさんいたから吹いてたんだろう。
バーっと走ってドーンって沈し、セイルアップしてバーッと戻ってくる。
ストラップは遥か彼方1M後方にあったんじゃないかな。

最後の日はさすがにワイキキにいた。
ロングボードを借りて沖に出た。初めての体験。リーシュがなかったな。
沖についたら、婆さんサーファーが波に乗ってた。
60歳オーバーかな。ハラはブヨブヨ。
そしたら、ビーチから爺さんがパドルしてきた。
「ハーイ、ジェシカ!」って言ったかどうか覚えてないけど、それに感動した。
日本人のショートがしっかりスプリング着て入ってるところに、
まさにサーフィンってこうあるべき!みたいな光景を見た。
笑いながらジジイとババアが代わる代わる波に乗ってるんだよ。
その光景は今でも脳裏に焼きついてる。

オイラは一度だけテイクオフした。立とうと思った瞬間板が前方にすっぽ抜けて、
シャーッってビーチに向かって滑っていった。
南米系の女を直撃してしまったんだ。
始めてファーッッック!と言われた。凄い形相だったな。
そんなに当たってねーだろ!ファックしてくれよファック!とオイラも文句を言いながら上がったっけ。

それからというものハワイは皆無だ。
もしカイルアに行ったらどうなんだろうな。レイクなんだろうな。フラットはノーサンキューだぜ!
ワイキキ行ったらどうなんだろうな。波乗り楽しいだろうな。
あのジイサンとバアサンは天国で波乗りしてるに違いないだろう。
(勝手に殺しちゃったけんども)

HELP!

2006-02-20 10:59:56 | ThinkAbout..


人は九死に一生を得ることを本当に死ぬまでに1度や2度は経験する。
経験しない人は最大のピンチのときに本当に死を迎える人だ。

その男はアウトでオーバーヘッドのときにブームから手を離してしまった。
道具と離れ離れになり、遥か沖で文字通り孤独になった。
次から次へと襲ってくる大波で体力を消耗し、やがて日は暮れて、
江ノ島の灯台の灯りを最期に脳裏に刻んで意識を失うとあきらめたらしい。
漂流すること2時間。
その男は最愛の彼女の名前を絶叫したという。

パニックに陥った男はあきらめとともに冷静さを取り戻し、
そのゲレンデ特有の潮の流れを思い出した。そしてその流れに乗り命からがら生還した。
男はその彼女と結婚し、今は人がうらやむような幸せな生活を営んでいる。

どうだい?素晴らしい話じゃないか!
好きとか愛してるなんて言葉の問題であって、その真意性なんか相手は計れない。
「愛してるって言ってるけど行動が伴ってないじゃないの!」っていつも言われてないか?
そいつは死をもって自分の愛を確認したんだ。
色あせない永遠の愛っていうやつだ。

こういう男は信頼に値する。男も女も信頼できる男だ。

進んでしたくはない経験だけどね。プッ!

Surf Trip To Chiba

2006-02-19 21:35:59 | surfin'


土曜の夜遅く、波乗りの知り合いから千葉の情報が流れてきた。
話だけ聞いておいた。茅ヶ崎に住んでいるのに、千葉は遠すぎる。そう思っていた。

今日の朝早くJ-WAVEを聞いたら偶然波乗り番組やってるじゃないか!
千葉はムネあるという。湘南はレイク。
思い立って出発した。逗子から横横を通り、フェリーに乗り、平砂浦から鴨川方面に車を走らせた。
でも波乗りは実はどうでも良かったのだ。たまたま車にロングボードを積んでるだけ。
通勤やウインド以外、車を走らせるということが久しくなかったからだ。
フェリー乗船は初めてで、とてもウキウキした。
腹の出たオヤジゴルファーの団体の隣に腰掛け、短い間の船旅を楽しんだ。
千葉に着くと、南にある平砂浦を目指した。
菜の花が満開で道の脇にはヤシが延々続いている。
ハワイアンとジャックジョンソンのCDを交互にかけながら、車はやがて花篭というところについた。

外房のことは全く知らず、波にパワーがあるということと、キムタクと工藤静香が波乗りしてることくらいしか知らなかった。
途中、千倉とかなんとかというポイントを通り過ぎた。あー千倉って有名だよな。その程度。
たぶん、ウインドで言えば、千葉の外房アタリは御前崎に匹敵するんだろうな。
その花篭というポイントには1日600円の駐車場があり、既に満車に近かった。
シャワールームには暖房があって、水は使い放題。ウエットのハンガーもあり、サーファーには至れり尽くせりだった。
とりあえずそこに突っ込んだ。

駐車場を見渡すとほとんどがショートボーダー。しかも若いのが多い。
あ、波でかいんだな!とすぐに思ったよ。ロングはたぶん2,3人しかいなかったと思う。

駐車場から国道を渡り、ビーチに下りて海面を見た。
十分サイズがある。セットでアタマ近い。ワイドブレークでショルダーパッツンパッツンに張っている。
それでもってレギュラーだ!
んんん~、でも見た目には凄いハードに見えるんだよな。
でもゲッティングでバタバタしてるサーファーがいない。
そう!ものすごくサーファーのレベルが高いのだ。

駐車場代払ってしまったケチ根性が働き、場違いの海面に9’2”で出て行った。
次から次へとブレークが襲ってくる。100万回ローリングした。
アウトに出るとそれほどでもない。ムネ~カタくらい。

結局のところサーファーが少ないから結構楽しませてもらった。
トロメでメンツル。最後は無風になりグラッシー!!
インサイドまで戻ってこなければ最高に楽しめる。千葉はいいよ!

片道3時間。伊豆より近い。またまた遊びのエリアが広がった。
地図で方角を確認すると、南西でサイドになる。
WAVEにもなかなかのポイントらしい。
もし今日の波でサイドで5.3だったら気が狂ってたかもしれないね。

1日は何もしないと何も残らない。
最近は1日1日歳をとって行く感じがするときがある。
それは間違い。1日1日ではない。
1分1秒確実に歳をとっている。確実にだよ。
老けて見えるとか若く見えるとかは関係ない。
どうやって生きてきたかも関係ない。
だってこうしている瞬間も歳はとっている。
今日何やるかだ。
だから今日波乗りした。

そういうことを帰りの車で思った、そんなサーフトリップでした!とさ。

Strawberry Park Forever

2006-02-18 23:55:42 | ThinkAbout..
2002年の7月のことだ。
その日は朝から吹いていてカンカン照りだった。
大き目のセイルで気持ちよく往復を数回繰り返し、ビーチへ上がろうと思ったら、
バックウオッシュにやられてマストを折った。
空は爽やかな夏の日差しなのに、心は東北の冬の鉛色の空になった。
しばらく愕然とし、白波バンバンの海をうらめしく憎んだ。

「ちわーっす!ここのコンディションってどうなんすかね?」
オレの心の色とは正反対のマリンブルーの爽やかな笑顔のその男が声をかけてきた。
「いやー、パーク初めてなんですよ!」
その目は眩しそうに沖のエボシ岩を見つめてる。
「ここのことか?今日のコンディション?いいんじゃない。」
マストブレークであまりの落胆のオイラは吐き捨てるように答えた。
その男は一瞬、ムッ、っとした表情になりつつ、オイラの方を始めて見た。
オイラの左手に持つダラ~ンとしたリグを見て、話しかけた相手を間違えたと思ったらしい。

その後何度かパークで一緒に乗るようになった。
新橋会というウインドサーファーのハードコアな飲み会に参加し、
おかげで多くのウエーバーに知り合いができた。
やがてその男は奥さんを説得し、茅ヶ崎の海へスキップで行けるところに越してきた。

夏の無風の日は昼からビールを飲み、
風があった日はハーネスをつけたまま深夜までテラスで飲んだ。
去年の夏は20Mプール一つ分くらいのビールを飲んでいるはずだ。
「今日はさ、二日酔いであまり飲みたくないから一杯だけにしとこう」といって夜中まで飲んだりした。

泣いて笑った。

茅ヶ崎に来たせいで、彼の道具はドンドン小さくなり、
最近ではただではビーチに戻ってこない。
必ず波乗りにチャレンジしてる。

酒を飲むと、くだらない話に花が咲き、ディープな話では青春ドラマのようになる。
おそらく人間的なパワーを持つ男とはそいつのようなことを言うんだろう。

オレとしては、そいつの一番いいところは、ヴァンへーレンとストーンズが好きなところかな。