土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

第二回アカメフォーラム 

2010-09-21 07:13:00 | アカメ釣り大会
 2010.9.19 13:00~高知城ちかくの高知県文教会館で第二回アカメフォーラムを開催しました。
 
 今回はアカメ釣り大会の舞台である浦戸湾がテーマでした。また、愛媛県松野町虹の森公園おさかな館で飼育調査されているアカメの生態についての講演もしていただきました。

 高知新聞、読売新聞、NHK、岳洋社、釣りビジョン(テレビ)などの取材もあり60人を超える人々が集まり賑やかで、感動的なフォーラムでした。

 アカメと自然を豊かにする会からの開会の挨拶を紹介します。

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 第二回アカメフォーラムご挨拶
     アカメと自然を豊かにする会 長野博光

 第二回アカメフォーラムにご参加していただきありがとうございます。
 昨年は9月20に、初めてアカメフォーラムを開きました。その中で、長野からアカメを取り巻く状況とこれからどうつきあうかという話をさせていただきました。
 また、ジャパンゲームフィッシュ協会の松浦昌治さんから、標識放流調査について、講演をしていただきました。

 町田吉彦高知大名誉教授に、アカメについて講演していただきました。当時、町田先生は名誉がついていませんでした。現職の高知大教授でしたが、今年、定年退職されました。町田先生、長い間お疲れ様でした。

 今回は「奇跡の海」とよく枕詞をつけて報道される浦戸湾がテーマです。浦戸湾は民謡「よさこい節」でも唄われるとおり、高知県の海の玄関であります。そして、今年で4回目となるアカメ釣り大会の舞台でもあります。
 この浦戸湾の東側は、藻場であった浅瀬がほとんど埋め立てられました。パルプ廃液を垂れ流しされ、死の海といわれるようになっていました。1971年(昭和46年)6月9日、高知パルプ生コン事件として歴史に残る公害闘争事件がおこってから39年が経ちます。
 その浦戸湾が今「奇跡の海」とよばれるような豊かさを取り戻しています。この浦戸湾には、驚くほど多くのアカメが生息しています。赤ちゃんから1メートルを超す大アカメまで「うようよ」といます。私たちは現在、こうしてアカメ釣りを楽しんでいますが、先人たちの自然を守るための大変な運動があったからこそと、感謝しています。
 浦戸湾を守るため活躍しつづけてこられた、浦戸湾を守る会から田中正晴事務局長に講演をしていただきます。
 それから、浦戸湾にはアカメを筆頭に、実に多くの生き物が生息しています。この浦戸湾を調査し多大な成果を上げられている町田吉彦高知大名誉教授から「浦戸湾の生物」という演題で講演をしていただきます。
 そして、アカメの生態について、愛媛県松野町にある「虹の森公園おさかな館」館長、津村英志さんから講演をしていただきます。おさかな館はアカメの飼育調査、フィールド調査を熱心に取り組まれ大きな成果をあげられています。

 アカメと自然を豊かにする会は、今回で4回目となるアカメ釣り大会を、フォーラム終了後より明日の朝8時まで行います。大会の目的の一つは、釣り上げたアカメに標識をつけて放流する、標識放流調査です。私たちは、すでに161尾の標識放流をしています。今年、4例の再補がありました。標識をつけて放流したアカメが4匹釣られて、貴重な情報が得られています。
 もう一つの目的は、アカメと人々との結びつきの大きさを広くしっていただき、アカメ釣りという文化を発展させていこうということです。

 アカメと自然を豊かにする会は、こうした活動をしながら、町田先生の指導の下に、各地で生態調査を行っています。アカメの生態を明らかにしてアカメと自然を豊かにしていくことが大きな目的であります。今後とも、みなさまのご協力をお願いいたします。

 それでは参加されたみなさんが、知の欲求を満たし、疑問やご意見を出し合い、有意義なフォーラムとなることを念願し、ご挨拶とします。
 
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 「浦戸湾と浦戸湾を守る会」という演題で田中正晴さんが講演。


 田中さんは浦戸湾の歴史、埋め立てや公害企業とのたたかい、西灘埋め立て計画をくい止めた最近の運動、歴史と文化遺産である新堀川とそこに棲む希少種を守る現在の運動などを熱くかたってくれました。先人や先頭に立つ人々の姿と思いに感動しました。
 また、アカメ釣りのポイントがどっさりある、浦戸湾西側もほとんどが埋めたてられることになっていたのを、浦戸湾を守る会が先頭にたち市民運動で停止させていること、計画を廃止したのではないので、こうした動きを監視することの重要性。そして最近、西灘を埋め立てようとしていたことを中止させたことなどが話されました。 


 町田吉彦高知大名誉教授からは、浦戸湾の埋め立てとパルプ廃液公害以前と以後での生物の変化や、浦戸湾の独特の生物相の豊かさになどについ、また自然を守ることの重要性など話していただきました。いつも「マボロシ」と形容句をつけて語られるアカメが実はたくさんいること、幻とは数年間見ることが出来なかった生きものがたまに見られるようなことをいうのであってアカメなど評価がおかしいこと、絶滅危惧種の見直しが必要なことなど話されました。             


 愛媛県松野町の虹の森おさかな館の館長津村英志さんから、開館いぜんからとりくみ、現在も愛媛大学などと共同研究をされているアカメの生態について講演していただきました。アカメは性転換しないといわれていたのですが、飼育調査中に1尾が♂から♀に性転換したという研究成果には驚きました。今後の研究が注目です。

 同属であるシーパーチはずいぶん以前から人工種苗生産が成功し、養殖などが東南アジアの重要産業となっているのですが、おさかな館にも頑張ってもらいたいですね。