イノシシの鼻の凄さを日々体験しています。以前書いてた記事に加筆しました。
少し前の夏のあいだは、道路脇などで落ち葉や土を掘り返してミミズやら動くものを食べていました。
秋になった今、相変わらず道路脇を掘り返していますが、栗の実、自然薯や植物の根などを盛んに食べています。
自然薯(山芋)はとても美味しいもので、イノシシは大好物です。私も好物なのですが。
山芋はまだ成長途上で掘るには少し早いのですが、イノシシは待てないようです。アチラコチラで掘り出して食べています。
実はアチラコチラが問題でして、ミカン畑の脇のものを掘って困っています。どこでもかしこでもお構いなしに大穴を掘るので畑の崩落の原因になります。農薬散布では上を向いて作業をするので、穴に落っこちて怪我をすることもあるのです。
イノシシが山芋を掘った跡
先日、作業をしていて写したものですが、中央部に白く写っているのが山芋の残りです。一番美味しい部位を残しています。ここから先が山芋の先端部になります。真っ白で黄色く変色してないので、どうやら、食事中に私が近づいたので美味しい所を残して逃げたようです。
鍬を持っていたら残りを掘って持ち帰るのですが。
鍬で掘っても大変な作業ですが、イノシシはこれを鼻だっけでやってのけるのです。
素晴らしい鼻です。
「連載その3-イノシシのタケノコ掘り」下の記事は2009/11/10に書いたものです。
「実はお願いがあるのです。今年もタケノコ掘りをやってもらいたいのです。後で身体をお揉みしますので、へへへ。」とイノシシはアナグマさんにタケノコ掘りを頼んでいます(うそ)。正解は鼻です。鼻を使って掘ります。ですが、けっしてイノシシの鼻は鋼鉄のように硬くはありません。また、掘り始めるとスコップのように硬く掘り易い形状に変化するのでもありません。それはどれほどの硬さか?ヒトの鼻の硬さよりも少し柔らかい感じです。指でつまむとぷよぷよしています。それが、硬い岩まじりの所でも河原のような大小の石ばっかりの所でもまるで重機を使ったかのような大穴を掘ってしまいます。山芋を掘るときや、クズバ葛の根をほるときなども大穴を掘ります。ワラビ根を掘るとき等はその辺り一面トラクターで耕したかのような状況が出現します。
山道を歩いていると道の両脇や真ん中の盛り上がったところなどを何かが耕したようになっているのを見たことは無いでしょうか?これもイノシシの仕業です。ミミズを探して食事をした跡なのです。
画像:道路の真ん中の土が柔らかい所でミミズを探した跡
画像:同じく道路のわきをミミズを探して掘った跡
このように活躍をするイノシシの鼻と身体はやはり穴掘り向きになっています。
画像:2009年11月9日に写したハナ子の鼻
頭の構造が穴掘り用?かのように鼻が突き出て長くなっており、鼻の骨が薄く弾力があります。この薄い鼻骨の先には軟骨がついています。そしてその鼻を使うための首の筋肉はものすごく発達しているのです。猪首という言葉がありますが、大きな首周りですので胴体に頭が直結しているように見えます。そして良く筋肉が使われるためか首周りの肉が最も美味しいといわれます。
画像:82キロの♂イノシシの頭骨です。上顎のキバがこの頭骨では欠落しています。鼻骨が薄く飛び出しています、まさしく穴掘りに向いていることが判ります。上の画像がよく判りますが鼻骨は二つに分かれて鼻先にいくほど骨との隙間が広くなっています。これは鼻骨の弾力をさらに高め、鼻がねじれたりしても対応するためだと思います。
そろそろ生えているか?とクワを担いで竹林へ上がってみると、竹やぶのそこら中がぼこぼこの穴だらけ。初期に生える値打ちもののタケノコはこうしてイノシシに食べられてしまっています。一本残らず食べられているというのが毎年の行事?になりました。息を切らせて山道を登ってから、こういう光景を見るとため息が出ます。
こうした被害は3月まで続きます。タケノコの盛期になってくるとさすがのイノシシも食べきれずにやっと人間の番が回ってきて、私の食卓にタケノコがのるようになるのです。