あきじの気まぐれ日記Ⅱ

「あきじ」が日頃、撮影した鉄道・バス・船など
様々な写真などを紹介して行きたいと思います。

測量船天洋14年ぶり広島港入港

2016年12月02日 | 海上保安庁ネタ
海上保安庁本庁所属の測量船「天洋」(以下:天洋)が11月25日から27日まで
14年ぶりに広島港に入港しました。
今回の入港は今月行われている豊後水道での測量を前にして入港しました。
海上保安庁が保有する6タイプ13隻いる測量船の中の1隻。

第六管区海上保安本部海洋情報部のご協力により、
海上保安友の会広島支部会員限定で見学会が広島港1万トンバースで
11月27日に開催されたので参加してきました。
測量船を簡単に解説。船舶が港湾に出入港する時等に使用する海図作成に必要な
水深、海底地形、潮流の調査を行いデータ収集を行っています。

受付を済ませ船内へ
10名ずつのグループに分かれて観測室に案内されました。
乗組員の説明を聞きながら見て回りました。

マルチビーム測探機
船底にある送受波器で測定したものがパソコンで表示されます。

超音波流速計
音波により船速、流れの方向、強さを測定するもの。
こちらも船底にセンサーが付いています。
測量機器は建造当初から入れ替えられ、建造当初のものは数少ないそうです。

「天洋」は平成23年3月11日の東日本大震災で多くの港が被災し岸壁崩壊、
水深の変化などの調査で平成27年度まで従事していたそうです。

海上保安庁では小笠原諸島西之島火山の噴火活動の観測調査も行っており、
10月に別の測量船が西之島へ派遣され調査を行いました。

西之島で採取された溶岩

観測室を見学後、船橋を見学。
回転窓の付いた船も少なくなりましたね。

舵輪
船橋も機器類は入れ替わっていますが、他の船艇に比べて古いです。

以前は重たい観測機器などを収めていた所ですが、現在は備品など置かれてます。
小さなホイストクレーンが付いていましたが、現在はほとんど使われてません。
天井のレールはその名残。

甲板も見学。

10m型測量艇
測量艇でマルチビームも搭載し浅海域である港湾の測量を行います。

倉庫
他の測量船とは異なり船首下に倉庫を備えてます。
格納されている測量機器を、ここから海中へ投下・揚収するそうです。

「天洋」は1986年生まれ今年で30年のベテラン!
そして見学会を行った11月27日に就航、30年の節目に見学できて光栄です!

船橋部分

「天洋」とグランドプリンスホテル

船尾側

船尾にはギャロスというアーチ型のクレーンがあります。
重量のある機器の海中投入や機器を曳航する際に使用されてます。
現在はほとんど使われてないとか。

見学会を終えた後は出港を見送りました。

出港するまでの間、出港準備を見学


出港

見送りに際して手を振って返礼する乗組員

次の寄港地に向け広島港を後にしました。
この後、「天洋は」数日間、呉にある海上保安大学校のこじま桟橋に
「こじま」と共に停泊していました。
現在は豊後水道で測量業務を行っているようです。

「天洋」の今後のご安航を祈ります。

最後になりましたが、お忙しい中、見学会を開催してくださいました。
測量船「天洋」、第六管区海上保安本部、同保安本部海洋情報部、
海上保安友の会広島支部事務局の皆様有難う御座いました。

測量船「天洋」要目
総トン数 430トン
全長   56.0メートル
全幅   9.8メートル
深さ   5.0メートル
喫水   3.1メートル
主機   ディーゼル2基2軸
速力   13キロノット
搭載人員 38名