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□ エリア別総覧 埼玉-3 (秩父)

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秩父地方にはふるくから”たまご水”といわれるイオウ臭香るヌルすべ冷鉱泉が湧く。全体に湧出量がすくないので循環施設がメインだが、両神温泉「両神荘」新木鉱泉は貴重なかけ流し槽をもっている。柴原鉱泉「菅沼館」にもかけ流し槽があり、イオウ臭ぷんぷんの良泉として知られるが湯治専門宿で日帰り不可。

秩父の奥からお湯のいい施設をたどっていくと、まずは、旧大滝村の中津川温泉「中津川村キャンプ場」。規定泉ながら秩父ではめずらしい鉄分の強い赤茶のにごり湯でインパクトがある。総計=5.35gの秩父屈指の濃度をもつ食塩泉、大滝温泉は「遊湯館」などで入れるが、かけ流し利用がないのが残念。

旧荒川村では日野温泉郷「鳩の湯」、イオウ臭香る源泉カランがあるがいまは日帰り不可となっているようだ。
秩父西部の旧吉田町、小鹿野町、旧両神村はアルカリヌルすべ硫黄泉のメッカ。湯量の細い源泉がメインだが、客が少ないので比較的お湯のコンディションがいい。千鹿谷鉱泉かおる鉱泉両神温泉(すすきの湯)「国民宿舎両神荘」などがおすすめ。小鹿野の三田川大竜寺源泉はローリー利用している施設が多いが、薄めの規定泉なので特徴に欠けるるのはいたしかたないところか。
全体にうすめの源泉が多いなか、秩父吉田温泉(星音の湯)「ばいえる」は総計=3.91g/kgの秩父では濃いめの含重曹食塩泉。下津谷木温泉「クアパレスおがの」も総計=1.31g/kgと比較的濃く、総硫黄が13.2g/kgもある。このところ湯づかいがよくなってきているのでおすすめ。

旧秩父市内では、非加温源泉槽をもつ新木鉱泉がピカ一。浴室の雰囲気もよくなごめる。秩父川端温泉「凡の湯」も循環ながら強力な源泉カランをもち、なかなかに楽しめる。
皆野町には有名な秩父温泉(満願の湯)がある。「満願の湯」「水と緑のふれあい館」で入れるがどちらも混む。
秩父の入口、寄居には金山温泉「かんぽの宿寄居」があり、間欠ながらときおりイオウ臭香る源泉を注ぎ込みあなどれない。
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□ エリア別総覧 埼玉-2 (中部)

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荒川の西側、中部エリア北部には埼玉屈指の名湯、かんな川温泉「湯郷 白寿」がある。36.33g/kgの強食塩泉だが、重曹や硫酸塩の含有が多く、西毛的なクセモノ湯だ。
旧児玉町のこだま温泉「こだま温泉ファミリープラザ」も強食塩泉だが、それほどの迫力は感じられない。

さらに南下すると四季(とき)の湯温泉「ホテルヘリテイジ」(総計=11.99g/kg)や蔵の湯東松山温泉「蔵の湯東松山店」(総計=17.11g/kg)などの食塩泉群があるが、全体に東部より成分濃度はうすい。
和光温泉自然の湯「極楽湯 和光店」は高張性食塩泉だが循環&ゲキ混みが難。

熊谷温泉「熊谷温泉 湯楽の里」嵐山渓谷温泉「健康センター平成楼」おがわ温泉「花和楽の湯」玉川スプリングス温泉「玉川温泉保養所」などは重曹系の単純温泉~規定泉。「花和楽の湯」や「玉川温泉保養所」は硫黄がまじり秩父のお湯のイメージに近い。

成分濃度2~3g/kg台の中濃度食塩泉が多いのも埼玉中部の特徴。東松山のもののふ温泉(温泉スタンド)、坂戸ふるさとの湯「ふるさとの湯」蔵の湯鶴ヶ島温泉「野天風呂 蔵の湯 鶴ヶ島店」狭山やまと温泉「狭山やまとの湯」王様温泉(志木の湯)「おふろの王様 志木店」などがある。この手の源泉は湯づかいが悪いとボヤけたお湯になりがちだが、源泉槽をもつ「野天風呂 蔵の湯 鶴ヶ島店」や「おふろの王様 志木店」はなかなかにいいお湯が楽しめる。

5g/kg超のお湯では都幾の湯温泉「四季彩館」サイボク天然温泉「まきばの湯」など。ともにアブラ臭香る良泉だが前者はローリーで湯づかいいまいちなのが残念。泉源地にある温泉スタンドは大人気。「まきばの湯」は埼玉中部を代表する湯づかいのいい施設。
小江戸はつかり温泉も総計=5.77g/kgの食塩泉だが、温まりはさほどなく、どちらかというとモール泉的なイメージがある。
所沢温泉「湯楽の里 所沢店」はナゾ。スペックはTSM(溶存)=9.55g/kgの等張性土類食塩泉だが、むしろ重曹鉄泉系のイメージがある。日によってコンディションの変化が大きいのが難だが、コゲ臭をともなう平地のお湯らしからぬ癒し系のお湯が楽しめるので個人的には好み。
同じ所沢市にオープンした埼玉スポーツセンター内のみずほ温泉「むさし野温泉 彩ゆ記」はうすめながらモール臭とアワつきが楽しめる新鮮湯。上質感のある施設のわりに料金リーズナブルでおすすめ。

県南部にはにいざ温泉「彩泉楼」武蔵野火止温泉「バーデ ホフ クベレ」(休業中)、真名井温泉「真名井の湯」などの黒湯系もある。
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□ エリア別総覧 埼玉-1 (東部)

長年にわたり”温泉不毛県”といわれてきた埼玉県。かつては平野部の日帰り温泉施設はかすかべ温泉、玉川温泉保養所くらいしかなく、秩父のいくつかの鉱泉宿がかろうじて知られていたにすぎません。'90年代以降、県内各地で深深度掘削による日帰り温泉施設ができ、秩父にもいくつかの施設が開発されて、いまでは関東屈指の日帰り温泉激戦県として知られるようになりました。なので平野部は民営の温泉スパ銭がメイン業態となっています。
埼玉は他県にくらべ湯づかいにかかわる規制が穏やかといわれ、新設温泉スパ銭でも意外に湯づかいがいい施設があります。
泉質は、東部の強食塩泉、中部の(重曹)食塩泉、南部の黒湯重曹泉、秩父のアルカリ硫黄泉に概括されますが、エリア内でもかなりのバリエーションがあります。
順にみていきます。

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県北、行田には湯づかいがいいことで知られる行田天然温泉「古代蓮物語」と大露天風呂を新設した行田天然温泉(茂美の湯)「湯本健康ランド」がある。スペック的には後者のほうが強力だが、お湯は露天増設前のほうがよかったような気がする。北本の北本天然温泉「楽市楽湯」の湯口では含重曹食塩泉のなかなかにすぐれものの源泉が楽しめる。
温泉とは無縁の地だった羽生にも近年お湯のいい施設がデビューしている。江間忠神戸温泉「天然温泉 羽生湯ったり苑」羽生(華のゆ)温泉「スーパー健康ランド 華のゆ」で、いずれも40℃台の重曹食塩泉系の源泉をかけ流している。後者は源泉直引きらしく、天然ガス臭とアワつきが楽しめる。3つめの源泉、羽生温泉は桶川市の健康ランド「ゆ~ワールド桶川」でローリー使用されていたが、現在は中止されている。

利根川沿いの大利根町には46.1℃、総計9.80g/kgの食塩泉が湧出、童謡のふる里おおとね温泉「100(とね)の湯」でかけ流し利用されている。
東北本線沿線では、もはや老舗となった「東鷲宮百観音温泉」の人気が高い。総計18g/kgのアブラ臭香る強力な強食塩泉。周辺にはスパ銭系の幸手温泉「極楽湯 幸手店(自然の湯)」久喜和みの里温泉「森のせせらぎ なごみ」があって一大温泉エリアとなっている。

東武伊勢崎線沿線は比較的数は少ないものの強力な2湯がある。春日部温泉「春日部温泉 湯楽の里」は総計16g/kgの強食塩泉をかけ流し、越谷天然温泉「ゆの華」は総計=2.2g/kgの含重曹食塩泉で複雑な温泉臭と浴感が楽しめ、「埼玉一」と推す温泉好きもいるほどの名湯。
かつて海だった低地部、吉川、三郷方面は利根川に沿って湧出する化石海水型強食塩泉のメッカで、よしかわ天然温泉「ゆあみ」(総計=21.69g/kg)、早稲田天然温泉「めぐみの湯」(総計=24.44g/kg)などが代表格。なかでも「めぐみの湯」はかけ流し浴槽が充実し、すばらしいお湯が楽しめる。

さいたま市内にも新顔が増えてきた、仮設浴場の強アワつきで温泉マニアのドギモを抜いた清河寺温泉は「さいたま清河寺温泉」として正式オープン、ぬる湯源泉槽を設けるなど温泉好きにPRする戦略で人気を集めている。
宮の湯天然温泉「小さな旅 むさしの湯」もなかなかに力のある食塩泉。さいたま市内は食塩泉系が多いが、岩槻の彩の月温泉「真名井の湯 岩槻店」は黒湯系のヌルすべ湯で異彩を放っている。

県南の川口、蕨エリアは重曹系の黒湯となり、川口天然温泉「ゆの郷の湯Spa Nusa Dua」「やまとの湯蕨店」などで楽しめる。戸田の天然戸田温泉「彩香の湯」は総計19g/kgの強食塩泉をかけ流す源泉槽があるが日によってコンディションの差が大きい。
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