関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 塩原温泉(塩の湯) 「明賀屋本館」-1
塩原温泉(塩の湯) 「明賀屋本館」
住 所 :栃木県那須塩原市塩原353 (旧 那須郡塩原町)
電 話 :0287-32-2831
時 間 :10:00~16:00(要事前確認) / 不定休
料 金 :2名以上@2,100円、1人の場合@3,150円(ともに2h以内)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (Yahoo!トラベル)
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
■ 紹介ページ (るるぶトラベル)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
塩原の主だった湯場が点在する箒川をはなれ、鹿股川の渓谷に分け入ったところに「塩原十一湯」のひとつ塩の湯温泉があります。
塩原は奥側の元湯や新湯でもわりに開放的な雰囲気がありますが、ここは緑深い渓谷沿いの幽邃境で塩原でも異彩を放つロケーション。
日帰り入浴不可かハードルが高い宿2軒のみなので、湯めぐりの対象になりにくく地味なイメージがあるものの、じつは塩原屈指の泉質を誇るすばらしい湯場です。
■塩の湯温泉案内板より
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塩原温泉郷の中ほどから箒川の支流、鹿股川を左に上がること二キロメートル。ここが塩の湯温泉です。
塩の湯温泉の発見は、今から三百年前といわれています。
当地の景は、春の新緑、秋の紅葉はもちろん、塩原温泉では随一といわれる雪景色も一興と、その四季折々の景は、訪れた人々の目を楽しませるのに余りあります。
このような恵まれた自然と豊富な温泉によって当地を訪れる人も多く、一時は塩原温泉に宿泊する三分の一は塩の湯温泉に宿泊するといわれるほど繁盛しました。
現在、塩の湯温泉には三軒の旅館があり、近くに温泉神社があります。(以下略)
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現在、湯宿は2軒になっていて、どことなくもの寂びた雰囲気としっとりとした落ちつきが感じられます。
ここは、いちおう日帰り入浴も受け付けていますが、休憩室利用2時間制限で2名以上@2,100円、1人だとなんと3,150円もかかるので宿泊を狙っていましたが、じゃらんで期間限定1万くらいの割安プランがあったので宿泊してみました。
気合い入れてフライング気味にチェックイン。
ここは宿泊すると、日帰りのみ入浴不可の塩釜温泉の系列宿2軒、「ホテル明賀屋」「彩つむぎ」にも入れるので、もちろんそれ狙い。(現在、「ホテル明賀屋」休館中のため「彩つむぎ」のみ入浴可。)
ただ、塩釜へは徒歩では行けないので、フロントの感じからするとあまり利用する人はいなさそう。
たしかに、名物風呂のあるこの宿に落ちついてから、わざわざ他の宿に車で繰り出すのはよほどの温泉好きだけかと・・・(笑)
塩釜の系列宿2軒攻略というお仕事(^^;;)を終えて帰還。
いよいよ館内の探索へ。
~ 是は茗荷と言う湯 ~
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甘湯の乾位(西北)の方に古城あり。城山と唱う。
今より四百年前応仁(1467~1468年)の頃まで明賀屋の祖先君島信濃守居城とせり。
君島氏城を退き土着し、茗荷の別荘に移り、さらに塩の湯を開いて客舎を業とせり。
塩の湯 - 是は茗荷と言う湯。万治二年(1659年)大地震にて湯出ざるに付き延宝二寅年(1674年)此所に入り家出来たる者也。
(「明賀屋の由来」(パンフより))
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君島氏は移転前に茗荷温泉神社を祀っていたらしく、現在、宿の上手には塩の湯温泉神社と茗荷温泉神社が間口四.五尺奥行四尺流造の見事なお社に並んで祀られています。
【写真 上(左)】 太古館
【写真 下(右)】 塩の湯温泉神社と茗荷温泉神社
~ 静かなること太古の如し ~
老舗旅館らしい複雑な構造で、新館と「太古館」が隣りあっています。
現「太古館」は木造三層和洋折衷のレトロな建物で、総理府技官で帝国ホテルの設計者といわれる鈴木愿一郎氏の設計になるものだそう。(HPより)
また、旧「太古館」は大正初期に来館した徳富蘇峰氏による命名です。
【写真 上(左)】 客室
【写真 下(右)】 夕食
泊まったのは「太古館」でした。
館内には殿方大浴場”太古の湯”、婦人大浴場”やすらぎの湯”、名物の混浴露天”川岸露天風呂”(朝6:00~8:00は女性専用タイム)と2つの貸切風呂があります。
館内掲示によると太古館のおくに浴場があるようだったので行ってみると閉鎖中。
仲居さんに尋ねるといまはつかっていないとのこと。
また、川岸露天風呂の下手に変形の露天風呂がありますが、これは柏屋のものです。
【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 女湯入口
〔殿方大浴場”太古の湯”〕
窓が小さくやや暗めの浴室。
手前に黒みかげ石枠石敷4-5人の小浴槽と、おくに同12人ほどの大浴槽のふたつ。
ともに白い析出のでた黒みかげ石の湯口から熱湯の投入(大は底面注入もあり)で、切欠からの上面排湯。
カラン7、シャワー・シャンプー、ドライヤーあり。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 ”太古の湯”
透明度40~50cmほどの緑茶色のにごり湯で赤茶色の酸化鉄が舞い、大浴槽の方が赤味がつよいです。
味臭や浴感は川岸露天や貸切風呂に準じるものですが、鮮度感はだいぶん劣るのでさしてインパクトは感じられず。
【写真 上(左)】 大浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽
それでも、これは比較する相手のレベルが高すぎるためで、ふつうの基準からするとかなりのお湯です。
【写真 上(左)】 貸切風呂入口
【写真 下(右)】 貸切風呂の脱衣所
〔貸切風呂〕
40分くらいの予約制でたしか別途料金はかからなかったと思います。
フロントで鍵を借りて川岸露天に向かう長い下り階段の途中の木戸から入りますが、気をつけていないとわかりません。
おくと手前のふたつあって、おく(たしか「寿」と名付けられていた)に入りました。
【写真 上(左)】 貸切風呂
【写真 下(右)】 交差する渡り階段
山肌にせり出したような絶妙のロケで、つくりはほぼ露天。
手前にこぢんまりとした脱衣所があります。
眼下に鹿股川の渓流と、右手下に川岸露天への階段と対岸「柏屋旅館」の露天への階段が交錯する面白い構図のながめ。
【写真 上(左)】 ざこざこのあふれ出しと眺め
【写真 下(右)】 絶妙な湯色
石灰華で茶色にコーティングされた石造り2人くらいの浴槽に、灰青味がかった茶色の絶妙の色味のささにごり湯(透明度60cmほど)が満々と湛えられています。
赤茶に色づいた金属パイプから15L/minほどのやや熱湯投入で槽内注排湯はなく、全量を潤沢に流し出す文句なしのかけ流し。
【写真 上(左)】 貸切風呂の湯口
【写真 下(右)】 貸切風呂の盛大な石灰華
ほぼ適温のお湯は塩味+重曹味+弱うま味+僅微苦味で、つよいこげ臭と金気貝汁臭が香り立ちます。
重炭酸土類泉系のぎしぎしとした湯ざわりと肌にしみ渡るような絶妙な浴感があるすばらしいお湯で、川岸露天のお湯より重炭酸土類がつよいように感じました。(分析書掲示なし)
なんといっても鮮度感が抜群なので入っていてすこぶるきもちがよく、あと曳き系の泉質ということもあってほとんど恍惚状態に・・・。
個人的には塩原のみならず、関東周辺でも屈指の名湯だと思いました。
→ Vol.2へつづく
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■ 塩原温泉(塩の湯) 「明賀屋本館」-2 〔 Pick Up温泉 〕
Vol.1から →
【写真 上(左)】 川岸露天入口
【写真 下(右)】 有名な階段
〔川岸露天風呂〕
この宿きっての名物風呂で、マスコミや広告にもしばしば登場します。
年季入った木造りの急な階段をぎしぎしきしませながら鹿股川に向かっておりていきます。
途中ベンチはあるものの、かなりの傾斜と70段以上の段数があるので、足腰のよわい方はきびしいかもしれません。
階段の途中に踊り場や枝廊下があって、なんとなく左手は以前客室だったような感じがします。
【写真 上(左)】 階段の途中
【写真 下(右)】 脱衣所
階段をおりきったところに舞台造りの踊り場があって、そのおくが脱衣所。
脱衣所はたしか手前が女性、おくが男性用だったかと思います。
総木造りの脱衣所のたたずまいも抜群で、こういうのは一朝一夕でつくり出せるものではありません。
【写真 上(左)】 渓流に・・・
【写真 下(右)】 脱衣所から
脱衣所からさらに石段を下るとようやく川岸露天風呂です。
廊下状になって流れる鹿股川の川床に面して、屋根掛けされた四角い浴槽ふたつとおくに岩風呂。
成分を含んでいるらしい鹿股川は納戸色にうすにごって、すばらしいロケーション。
とくに夜の湯浴みなど、一種独特な非日常の世界が楽しめます。
【写真 上(左)】 下手から (手前が”鹿の湯”、おくが”川原の湯”)
【写真 下(右)】 ”鹿の湯”からの眺め
浴槽は上流が”川原の湯”下流に”鹿の湯”、ともに石造り2-3人で”川原の湯”のほうがやや大きめ。
そのおくに洞窟風呂風の変形浴槽(石造り10人弱)。
さらに上手川沿いにすこし離れて岩風呂(岩造り6-7人)の計4槽があります。
浴槽まわりは石灰華で黄土色に変色し、絶妙な色味のお湯とのコントラストが見事。
【写真 上(左)】 上手から (手前が”川原の湯”、おくが”鹿の湯”)
【写真 下(右)】 下手の柏屋の露天
”川原の湯””鹿の湯”は、石樋の湯口から熱湯投入で槽内注排湯はなく川床へ流し出し、ともに木板で投入量を調整し湯温を加減できるようになっています。
べつに加水用のカランもあります。
【写真 上(左)】 川原の湯
【写真 下(右)】 鹿の湯
変形浴槽は源泉パイプからの投入で川側への流し出し。ここもべつに温調用のカランがあって水が注がれていました。
【写真 上(左)】 変形浴槽-1
【写真 下(右)】 変形浴槽-2
岩風呂は、上の方から引き回された大口径源泉パイプと石樋を結ぶ中継点の湯口と奥側金属パイプからの注入で切欠から川床への流し出し。投入湯はどちらも熱め。
【写真 上(左)】 岩風呂
【写真 下(右)】 岩風呂の湯色
湯色はうす茶色のにごり湯(透明度40~50cmほど)がベースで、”川原の湯”、”鹿の湯”で灰青味がつよく、変形浴槽と石風呂では緑味がつよくなっています。
味臭浴感は貸切風呂とほぼ同系ですが、変形風呂はややぬるめでなまり気味。
【写真 上(左)】 変形浴槽上手側
【写真 下(右)】 変形浴槽下手側
【写真 上(左)】 ”鹿の湯”の潤沢な流し出し
【写真 下(右)】 変形浴槽の湯口
岩風呂は鮮度感も湯温もあるのににごりがつよい緑褐色のお湯で、とくにおくの金属パイプからの投入源泉は微炭酸を感じ、他のお湯とちがうニュアンスがありました。
【写真 上(左)】 岩風呂の湯口
【写真 下(右)】 岩風呂の湯口 (岩の湯源泉か?)
”川原の湯”、”鹿の湯”、岩風呂ともかなりの熱湯なので、意外に入っている人はすくなく、ややぬる~ぬるめの変形風呂に集結。
それでよけいに変形風呂のなまりがつよくなってしまいます。
重炭酸土類入った食塩泉のわりにあたたまりはつよくなく、そのわりに力感ある熱いお湯なので、入り方にコツがいるお湯です。
”川原の湯”、”鹿の湯”、岩風呂とももちろんお湯のレベルは高いですが、個人的には貸切風呂のお湯がベストに感じました。
【写真 上(左)】 岩風呂の排湯
【写真 下(右)】 石灰華
泉質は塩化物泉ながらお湯の質感はほとんど重炭酸土類泉。
入りごたえ抜群の名湯がすばらしいロケで楽しめるこのお宿は温泉好きにはたまらないもの。
施設、料理、サービスなどに特筆するものはありませんでしたが、もう一度泊まってみたいお宿になりました。
〔源泉名:刈子の湯〕
Na-塩化物温泉 60.3℃、pH=6.1、346.7L/min掘削自噴、成分総計=5.136g/kg
Na^+=1201.8mg/kg (72.38mval%)、Mg^2+=35.5 (4.05)、Ca^2+=279.3 (19.30)、Fe^2+=3.0、Cl^-=2281.5 (89.35)、Br^-=5.6、SO_4^2-=56.9 (1.65)、HCO_3^-=388.7 (8.84)、陽イオン計=1635.6 (72.22mval)、陰イオン計=2733.5 (72.02mval)、メタけい酸=130.9、メタほう酸=118.0、遊離炭酸=517.9、硫化水素=0.1 <H13.12.25分析>
含炭酸・ホウ酸弱食塩泉 69.0℃、pH=5.9、湧出量記載なし、成分総計=5101.0mg/kg
Na^+=975.0mg/kg、Mg^2+=26.9、Ca^2+=219.0、Fe^2+=1.26、Cl^-=721.0、SO_4^2-=45.9、HCO_3^-=445.0、陽イオン計=1302.0、陰イオン計=2213.0、メタけい酸=87.0、メタほう酸=108.5、遊離炭酸=1391.0 <S41.8.31分析>
<温泉利用掲示>(全浴場)
加水:あり(気温の高いのみ) 加温:なし 循環ろ過装置使用:なし 塩素系薬剤使用:なし
やませみさん提供の資料によると塩の湯温泉には下記の源泉があります。(温泉みしゅらんより)
□刈子の湯 Na・Ca-Cl温泉 57.8℃ pH=6.1 ER=4.40
□明賀屋(明賀屋本館) Na-Cl温泉 53.6℃ pH=6.9 ER=3.37
□岩の湯(明賀屋本館) Na-Cl温泉 41.9℃ pH=6.9 ER=3.03
□柏屋(柏屋旅館) Na-Cl温泉 54.1℃ pH=7.0 ER=4.09
▲河岸の湯 含ホウ酸土類弱食塩泉
▲鹿の湯 未分析
▲河原の湯 Na-Cl温泉 56.5℃ pH=7.1 ER=4.62
▲雷雹の湯(滝の湯) アルカリ性単純温泉 30.4℃ pH=8.7 ER=0.18
□町営鹿殿2号(塩釜送湯) Na・Ca-Cl温泉 48.5℃ pH=7.4 総計=3.30
▲玉屋左岸 Na-Cl温泉 34.4℃ pH=6.3 ER=2.33
▲玉屋右岸 単純温泉(Na・Ca-HCO3型) 28.7℃ pH=7.3 ER=0.34
▲玉屋郵政省 Na・Ca-Cl温泉 35.8℃ pH=6.5 ER=3.02
(■=立ち寄り可 □=立ち寄り不可 △=入浴施設なし ▲=不明)
うち、刈子の湯は共同泉、明賀屋関連は、明賀屋、岩の湯、鹿の湯、河原の湯と思われます。
分析書掲示は刈子の湯のみ。(ちなみにこの源泉は塩釜にも送湯されている。)
露天2槽は浴槽名と源泉名が一致しているので、以前はひょっとして足元自噴の自家源泉使用だったのかもしれません。
マニア的には、大浴場&川岸露天の変形風呂=刈子の湯、貸切露天=明賀屋源泉、露天岩風呂=岩の湯源泉、露天鹿の湯=鹿の湯源泉、露天川原の湯=河原の湯源泉で「5源泉ゲット!」と思いたいところですが詳細不明(笑)。
また、現在使用していないふたつの浴槽も刈子の湯とは別源泉使用だった可能性があります。
〔 2010/11/23UP (2007/03入湯) 〕
E139.49.55.620N36.57.9.613
【写真 上(左)】 川岸露天入口
【写真 下(右)】 有名な階段
〔川岸露天風呂〕
この宿きっての名物風呂で、マスコミや広告にもしばしば登場します。
年季入った木造りの急な階段をぎしぎしきしませながら鹿股川に向かっておりていきます。
途中ベンチはあるものの、かなりの傾斜と70段以上の段数があるので、足腰のよわい方はきびしいかもしれません。
階段の途中に踊り場や枝廊下があって、なんとなく左手は以前客室だったような感じがします。
【写真 上(左)】 階段の途中
【写真 下(右)】 脱衣所
階段をおりきったところに舞台造りの踊り場があって、そのおくが脱衣所。
脱衣所はたしか手前が女性、おくが男性用だったかと思います。
総木造りの脱衣所のたたずまいも抜群で、こういうのは一朝一夕でつくり出せるものではありません。
【写真 上(左)】 渓流に・・・
【写真 下(右)】 脱衣所から
脱衣所からさらに石段を下るとようやく川岸露天風呂です。
廊下状になって流れる鹿股川の川床に面して、屋根掛けされた四角い浴槽ふたつとおくに岩風呂。
成分を含んでいるらしい鹿股川は納戸色にうすにごって、すばらしいロケーション。
とくに夜の湯浴みなど、一種独特な非日常の世界が楽しめます。
【写真 上(左)】 下手から (手前が”鹿の湯”、おくが”川原の湯”)
【写真 下(右)】 ”鹿の湯”からの眺め
浴槽は上流が”川原の湯”下流に”鹿の湯”、ともに石造り2-3人で”川原の湯”のほうがやや大きめ。
そのおくに洞窟風呂風の変形浴槽(石造り10人弱)。
さらに上手川沿いにすこし離れて岩風呂(岩造り6-7人)の計4槽があります。
浴槽まわりは石灰華で黄土色に変色し、絶妙な色味のお湯とのコントラストが見事。
【写真 上(左)】 上手から (手前が”川原の湯”、おくが”鹿の湯”)
【写真 下(右)】 下手の柏屋の露天
”川原の湯””鹿の湯”は、石樋の湯口から熱湯投入で槽内注排湯はなく川床へ流し出し、ともに木板で投入量を調整し湯温を加減できるようになっています。
べつに加水用のカランもあります。
【写真 上(左)】 川原の湯
【写真 下(右)】 鹿の湯
変形浴槽は源泉パイプからの投入で川側への流し出し。ここもべつに温調用のカランがあって水が注がれていました。
【写真 上(左)】 変形浴槽-1
【写真 下(右)】 変形浴槽-2
岩風呂は、上の方から引き回された大口径源泉パイプと石樋を結ぶ中継点の湯口と奥側金属パイプからの注入で切欠から川床への流し出し。投入湯はどちらも熱め。
【写真 上(左)】 岩風呂
【写真 下(右)】 岩風呂の湯色
湯色はうす茶色のにごり湯(透明度40~50cmほど)がベースで、”川原の湯”、”鹿の湯”で灰青味がつよく、変形浴槽と石風呂では緑味がつよくなっています。
味臭浴感は貸切風呂とほぼ同系ですが、変形風呂はややぬるめでなまり気味。
【写真 上(左)】 変形浴槽上手側
【写真 下(右)】 変形浴槽下手側
【写真 上(左)】 ”鹿の湯”の潤沢な流し出し
【写真 下(右)】 変形浴槽の湯口
岩風呂は鮮度感も湯温もあるのににごりがつよい緑褐色のお湯で、とくにおくの金属パイプからの投入源泉は微炭酸を感じ、他のお湯とちがうニュアンスがありました。
【写真 上(左)】 岩風呂の湯口
【写真 下(右)】 岩風呂の湯口 (岩の湯源泉か?)
”川原の湯”、”鹿の湯”、岩風呂ともかなりの熱湯なので、意外に入っている人はすくなく、ややぬる~ぬるめの変形風呂に集結。
それでよけいに変形風呂のなまりがつよくなってしまいます。
重炭酸土類入った食塩泉のわりにあたたまりはつよくなく、そのわりに力感ある熱いお湯なので、入り方にコツがいるお湯です。
”川原の湯”、”鹿の湯”、岩風呂とももちろんお湯のレベルは高いですが、個人的には貸切風呂のお湯がベストに感じました。
【写真 上(左)】 岩風呂の排湯
【写真 下(右)】 石灰華
泉質は塩化物泉ながらお湯の質感はほとんど重炭酸土類泉。
入りごたえ抜群の名湯がすばらしいロケで楽しめるこのお宿は温泉好きにはたまらないもの。
施設、料理、サービスなどに特筆するものはありませんでしたが、もう一度泊まってみたいお宿になりました。
〔源泉名:刈子の湯〕
Na-塩化物温泉 60.3℃、pH=6.1、346.7L/min掘削自噴、成分総計=5.136g/kg
Na^+=1201.8mg/kg (72.38mval%)、Mg^2+=35.5 (4.05)、Ca^2+=279.3 (19.30)、Fe^2+=3.0、Cl^-=2281.5 (89.35)、Br^-=5.6、SO_4^2-=56.9 (1.65)、HCO_3^-=388.7 (8.84)、陽イオン計=1635.6 (72.22mval)、陰イオン計=2733.5 (72.02mval)、メタけい酸=130.9、メタほう酸=118.0、遊離炭酸=517.9、硫化水素=0.1 <H13.12.25分析>
含炭酸・ホウ酸弱食塩泉 69.0℃、pH=5.9、湧出量記載なし、成分総計=5101.0mg/kg
Na^+=975.0mg/kg、Mg^2+=26.9、Ca^2+=219.0、Fe^2+=1.26、Cl^-=721.0、SO_4^2-=45.9、HCO_3^-=445.0、陽イオン計=1302.0、陰イオン計=2213.0、メタけい酸=87.0、メタほう酸=108.5、遊離炭酸=1391.0 <S41.8.31分析>
<温泉利用掲示>(全浴場)
加水:あり(気温の高いのみ) 加温:なし 循環ろ過装置使用:なし 塩素系薬剤使用:なし
やませみさん提供の資料によると塩の湯温泉には下記の源泉があります。(温泉みしゅらんより)
□刈子の湯 Na・Ca-Cl温泉 57.8℃ pH=6.1 ER=4.40
□明賀屋(明賀屋本館) Na-Cl温泉 53.6℃ pH=6.9 ER=3.37
□岩の湯(明賀屋本館) Na-Cl温泉 41.9℃ pH=6.9 ER=3.03
□柏屋(柏屋旅館) Na-Cl温泉 54.1℃ pH=7.0 ER=4.09
▲河岸の湯 含ホウ酸土類弱食塩泉
▲鹿の湯 未分析
▲河原の湯 Na-Cl温泉 56.5℃ pH=7.1 ER=4.62
▲雷雹の湯(滝の湯) アルカリ性単純温泉 30.4℃ pH=8.7 ER=0.18
□町営鹿殿2号(塩釜送湯) Na・Ca-Cl温泉 48.5℃ pH=7.4 総計=3.30
▲玉屋左岸 Na-Cl温泉 34.4℃ pH=6.3 ER=2.33
▲玉屋右岸 単純温泉(Na・Ca-HCO3型) 28.7℃ pH=7.3 ER=0.34
▲玉屋郵政省 Na・Ca-Cl温泉 35.8℃ pH=6.5 ER=3.02
(■=立ち寄り可 □=立ち寄り不可 △=入浴施設なし ▲=不明)
うち、刈子の湯は共同泉、明賀屋関連は、明賀屋、岩の湯、鹿の湯、河原の湯と思われます。
分析書掲示は刈子の湯のみ。(ちなみにこの源泉は塩釜にも送湯されている。)
露天2槽は浴槽名と源泉名が一致しているので、以前はひょっとして足元自噴の自家源泉使用だったのかもしれません。
マニア的には、大浴場&川岸露天の変形風呂=刈子の湯、貸切露天=明賀屋源泉、露天岩風呂=岩の湯源泉、露天鹿の湯=鹿の湯源泉、露天川原の湯=河原の湯源泉で「5源泉ゲット!」と思いたいところですが詳細不明(笑)。
また、現在使用していないふたつの浴槽も刈子の湯とは別源泉使用だった可能性があります。
〔 2010/11/23UP (2007/03入湯) 〕
E139.49.55.620N36.57.9.613
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