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■ 「シティ・ポップ」って?

どのテイクとはいわないけど・・・。
シティ・ポップの名曲のアレンジは練りに練られているし、インスト陣のレベルもハンパないし、
しかもはっきりしたサビメロのないメジャー・セブンス曲がメインだから、よほどの技倆 or オリジナリティがないとすぐさまお経になる・・・。

とくに、シティ・ポップ特有の弾むようなリズム&グルーヴは1980年代のBCMやAORでもそうは聴けないものだから、4つ打ち全盛のいま、再現するのは相当きつい。

安易にカバーすると返り血浴びると思うよ(笑)

なによりオリジナルテイクのイメージが強烈だから、上位互換はまずムリだと思う。
いじるな危険!(笑)

■ 松任谷由実 - Hello,my friend (1994年)

↑ サウンドの質感はもはやシティ・ポップのものじゃないけど、往年のユーミンを彷彿とさせる曲想。
ユーミンのヴォーカルあってこその難曲。

■ -TATSURO YAMASHITA-山下達郎 'SPARKLE' (1982年) Tribute Cover 2022

↑ これはかなりよくできたカバーだと思う。
やっぱり神曲はオリジナルのアレンジから離れられない。
それだけのものが原曲にこもってる。

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2023/01/08
紅白で反響が大きかったという・・・・ ↓

【milet×Aimer×幾田りら×Vaundy】「おもかげ」| 第73回NHK紅白歌合戦 音源Ver.


ポイントはカッティングギター、ベースライン、そしてコーラスだと思う。
ポップミュージックが失ってしまった”グルーヴ感”を、人々がふたたび求めはじめてるのかもしれぬ。

↓ 40年前の角松敏生。ヴォーカルとインストのバランスが絶妙。
■ SUMMER EMOTIONS - 角松敏生 (1983年)


↓ 異論はあると思うが、シティ・ポップのマスターピースのひとつだと思う。
■ 【EY TV】矢沢永吉「YES MY LOVE」Music Video (1982年)



↓ 現在、もっとも巧みにグルーヴ感を生み出せるユニット-その1
FictionJunction (FBM
■ 梶浦由記「Yuki Kajiura LIVE vol.#16 ~Sing a Song Tour~『overtune〜Beginning』」


↓ 現在、もっとも巧みにグルーヴ感を生み出せるユニット-その2
Bank Band
■「to U -PROTECT “to U” version- 」 Bank Band with Salyu


↓ インストとのアンサンブルや、”音の隙間”を大切にする若手アーティストが増えてきている感じもする。
■ 三阪咲 - Rollercoaster (Acoustic Live Performance)



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2022/12/29 UP

昨日放送のBSフジ『シティポップカレンダー'81』、録画したやつを視てみました。
民放にしてはかなりよくできた構成だったと思う。(コメンターによっては2、3意味不明の発言もあったけど。)

とくに当時、シティ・ポップを創り上げた当事者のコメントが深すぎた。

以前、シティ・ポップの構成要件として ↓ を挙げたけど、これを裏付けるコメントが多かった。
とくに、松任谷正隆氏の「メジャー・セブンス=シティ・ポップ」発言には正直おどろいた。

それと、大滝詠一『A LONG VACATION』のモチーフがJ.D. Southerにあったとは、これもびっくり。
■ 大滝詠一 - カナリア諸島にて(1981年)


■ J.D. Souther - You're Only Lonely (Official Audio)
10/20/1979 / 7位 13Weeks


レコーディングに関するファクターがひとつあったと思うので8.として追加します。

1.リズムセクションが生楽器で、アップビート(裏拍)、ヨコノリであること。
2.音にすきまがあって、16分のハイハットがシャープに響いていること。
3.グルーヴ感があること。リズムに「キメ」やシンコペーションが絡んでいること。
4.メジャー・セブンス(四和音)系のコード進行で、ドミナントを多用すること。
5.ボーカルとインスト(楽器)のアンサンブルバランスがいいこと。とくにカッティングやリフのサポートがあること。
6.多声部は基本的にコーラス(ハモリ)であること。
7.AORやBCMに通じるこ洒落た質感があること。
8.マルチトラック・レコーダーでバウンス(ピンポン録音)され、腕利きのエンジニアが手掛けていること。

その背景となったのが、↓ のファクターだと思う。
A.聴き手に洋楽を聴く”素養”があったこと。だからセブンスや”抽象な歌詞”も受け入れやすかったこと。
B.エッセンスをベースにし、これに日本人ならではのこだわりの職人芸を加えていること。
C.上質なアンサンブルを展開できる、腕利きのミュージシャンが日本にも数多くいたこと。
D.セッションが頻繁に行われ、そのなかから新しいフレーズやコード進行などが生まれていたこと。
E.プロのライターやアレンジャーがメインストリームで活躍していたこと。
F.媒体が情報量の多いアナログレコードで、しかもLP購買がメインだったのでアルバム曲がふつうに聴かれていたこと。
G.経済がほぼ右肩上がりで「生活の質を高めよう」という意識が高かったこと。なので曲調がブライトで気分を高揚させるものだった。
H.ウォークマンやカーオーディオで音楽を外で聴く機会が多かったので、「心に刺さる歌詞」よりもBGMとしての適性が求められていた。
I.MTVなどビジュアル媒体がほとんどなく、サウンドだけで勝負する必要があったので、”音”に集中できる環境にあった。

だから、シティ・ポップの成立にはおそらくこのような時代背景が必要だし、腕利きのミュージシャンやプロ(本来の意味での)のクリエイターがいないと成立しない。

とくに1981年といえば、洋楽がその洗練度を高めており、→ ■ 1981年の洋楽ヒット曲 (Billboardデータから)、しかもその多くがグルーヴ感を備えていた。
洋楽が邦楽に与えていた影響は計り知れず、なおかつ日本独自の解釈が生まれメジャー化するタイミングだったと思う。

だがら当時は洋楽と邦楽(シティ・ポップ)の質感はほぼ同質で、同じカセットに入れて聴いたりしていた。
例→ ■ 1984年のテープリスト

※ 以前の記事ですが、すぐ聴けるように再掲します。↓

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おそらく1984年くらいにつくったテープだと思います。
この時代、洋楽と邦楽をシャッフルしてもまったく違和感がなかったことがわかる。
リズムが16ビート、シンコペがらみのアップビートのグルーヴで通底していたからかもしれぬ。

01.C調言葉に御用心 - Southern All Stars  〔from『Tiny Bubbles』/1980〕


02.Just One Kiss - Rick Springfield  〔from『Success Hasn't Spoiled Me Yet』/1982〕


03.Sunset Memory - Kazu Matsui Project Feat. Robben Ford  〔from『Standing On The Outside』/1983〕


04.Plastic Love - 竹内まりや 〔from『VARIETY』/1984〕


05.Let's Celebrate - Skyy  〔from『Skyy Line』/1981〕


06.Seeing You (For The First Time) - Jimmy Messina 〔from『Oasis』/1979〕


07.He's Returning - White Heart 〔from『White Heart』/1982〕


08.Last Summer Whisper - 杏里・Anri 〔from『Heaven Beach』/1982〕


09.Tribeca - Kenny G 〔from『G Force』/1983〕


10.The Goodbye Look - Donald Fagen 〔from『The Nightfly』/1982〕


11.The Last Resort - Eagles 〔from『Hotel California』/1976〕

↑ なぜかラストにこの曲が入っていた。

And they called it paradise, I don't know why.
みんなその場所を楽園と呼ぶけど、僕には何故だか分からない・・・
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アンサンブル、洗練度、グルーヴ感は、いまのほとんどの洋楽が失ってしまったものだから、これをマニアックに追求した1980年代の日本のシティ・ポップが全世界から再評価されているのではないか。


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個人的に、シティ・ポップの源流のひとつと思っている「サーフ・ロック」。
当時(1970年代中盤~)はいまから考えられないほど日本でも人気があって、ニューミュージックとサーフ・ロックを一緒に聴いていた輩がたくさんいた。

■ Ned Doheny - A Love Of Your Own (1976年)


■ Kalapana - Dilemma (1977年)



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2022/11/16 UP

さきほど「マツコの知らない世界」でDJ Night Tempo氏招いて”80's Japanese POPSの世界”を特集してた。
やっぱりマツコさん音楽の造詣ふかいわ。

正鵠射まくりのコメントがいくつかあったので、テープおこし的にいくつか紹介してみます。

【マツコ氏】
「('80年代の曲って)歌詞とかもさ~、何て言ったらいいのかな、なんか壮大なんだよね。夢や希望が詰まっている人が聴くからさ、なんか異国がいっぱい出てくるのよ 不必要な(笑) 明菜ちゃんなんてすぐに中東行っちゃうのよ。砂漠の歌歌うのよ(笑)」
↑ たしかに・・・、聖子ちゃんもすぐに南の島に行っちゃうし(笑)
■ 松田聖子 - セイシェルの夕陽


■ スペクトラム(SPECTRUM) - なんとなくスペクタクル

そうそういたなぁ、スペクトラム。ほんとに何十年ぶりかで聴いた!

スペクトラム聴いて【マツコ氏】
「いまのっていわゆる向こうのChicだったりとかE.W&Fとか、あっちのリスペクト・ヴァージじゃない。(中略)音楽に対してめちゃくちゃ日本人って貪欲だったと思うんだよね、あの頃・・・。もう世界中のありとあらゆる音楽を知りたくて、それをすぐに吸収してああやって学びたくて、なんであんなに貪るように音楽を聴いていたんだろう。」
↑ ほんとに、誰もかれもが音楽マニアだった気がする。
音楽はたいていLP(アルバム)聴きで、シングルカットされないアルバム曲でもさりげに人気があったりした。

■ Chic - Good Times(1979)



【途中で出てきた外国のシティ・ポップファン】のコメント
「僕がすごいと思うのは、この時代の日本の音楽のレベルの高さ。ミュージシャンの演奏も素晴らしいし、曲のアレンジ、ストリングスすべてが贅沢でお金がかかっている。でも日本の80年代の音楽は日本の中だけに閉じ込められていたから、まだまだ知らない素晴らしい曲がたくさんあってまるで宝探し。」
↑ そうなのかな???
当時の音楽好きはたいてい洋楽メインに聴いていたし、日本のトップアーティストだってみんなLAレコーディングとかしてた訳で・・・。
日本のポップス買いかぶり過ぎの感なきにしもあらず。
それをいうなら、70年代後半~80年代初頭の米国のBCM系マイナーレーベルなんて、それこそお宝だらけかと・・・。

【マツコ氏】
「いまの(日本の)音楽をあまり聴かない理由のひとつは、イントロも間奏もないじゃん。(中略)だから変化は頑張ってつけているけど、ギターソロとか入ってないと大して変わらないじゃん。その、一曲通しての物語としては・・・。なんか物足りない。」
↑ いまの曲はボーカルがベタに張り付いて、アンサンブルが弱いといったことかと思う。


【Tempo氏】
「トイレ行ってスッキリしてない気分ですかね・・・。」

【マツコ氏】
(絶句しつつ)「じゃあ、そういうことにしておこう、いいよ(苦笑)」

【マツコ氏】
「あぁ、でもこれ言いすぎるとまた、『オワコンオカマがノスタルジー語ってる』とか言われるからやめよ(笑)」
↑ オワコンサンプリングして悦に入る、しかも世界的に受けてるって、いったいどゆこと?(笑)

【マツコ氏】
「当時の特徴としてね、不倫の曲がめちゃくちゃ多いのよ、日本って。相当不倫願望の強い国だったんんだと思う。なんかああいうのって、余裕がないと出てこないんだろうっていうのは、いまの歌とかみてると・・・、まぁでも世界的にそうなのかな? なんか歌詞とか現実的な歌詞が多くなったよね。前はめちゃくちゃな歌あったじゃない、いっぱい、日本の歌・・・。」
↑ これとか・・・ ↓
■ 恋におちて -Fall in love- 小林明子(カバー)


【マツコ氏】
「(当時の)日本の歌詞ってすごい独特だったと思うのよ、その、感情表現が・・・。”I Love You”だけじゃないじゃない。いま日本の歌って、けっこうめちゃくちゃシンプルな歌詞をみんなつかってるけど・・・。」
「ほんと、むかしの曲って1回聴いただけではちょっと理解できないというか、という歌詞が多かった気がする。」


■ 涙のアベニュー - 桑田佳祐

暗喩絡みの歌詞がおサレすぎる。


菊池桃子氏登場。RA MUの原曲聴いて。
■ ラ・ムー(RA MU)/ 菊池桃子 - 少年は天使を殺す(1988年6月15日)

ラ・ムー(RA MU)は、アイドル(菊池桃子)とブラコンとフュージョンが合体したユニット。

【マツコ氏】
「お洒落だね~。Tempoちゃんのやつもそうだけど(意味深な笑い)、原曲もいま聴き返すと凄いわ。やっぱあの頃って。(菊池桃子は)すごいアイドルだったのに、それに挑戦させる。いまだったらこわいというか、想像すらしないと思うのよ。あれができちゃうって、相当、芸能界も含めて、日本っていろんなチャレンジをする国だったんだなっていうのが・・・。」

【桃子氏】
「なにか、遊びごころが減ってきたのか、リスクをとらなくなってきたのか???・・・。」

【マツコ氏】
「RA MUは遊びすぎですけどね(笑)」

一度でいいから、マツコさんとマキタスポーツ氏の音楽対談きいてみたい。


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2022/08/19 UP

さきほど「ひるおび」でDJ Night Tempo氏絡みでシティ・ポップ人気とりあげてた。

恵俊彰さんの「シティ・ポップ自体にAORのエッセンスが入ってるんですね。」
2022年のニュース番組で、↑ こんなコメント聞けるとは、よもや思わなかった(笑)

※ シティ・ホップスのキモはアップビート系グルーヴ(ヨコノリ)なのに、
どうして4つ打ちタテノリにしてしまうのか、個人的には意味不明。
でもまぁ、世界に原曲紹介してくれて、原曲の魅力に気づいてもらえるので、これはこれでいいのかも(笑)

↓ ヨコノリ!
■ Never Too Much - Luther Vandross

だれも飛び跳ねてないでしょ(笑)

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2021/08/23 UP

8月21日(土)、BSフジで新番組『CITY POP CRUISING(シティ・ポップ・クルージング)』が始まったそうです。(見逃したけど(笑))
詳細は → こちら

また先日、リリースから30年を経て、山下達郎の「さよなら夏の日」のMVが藍にいなの制作(全編アニメーション)で公開されるなど、国内でのシティ・ポップ注目度も上がりつつある感じも。

■ 山下達郎「さよなら夏の日」(藍にいなVers.MV)


「シティ・ポップ」って明確な定義がないし、70年~80年代当時の若者のライフスタイルやアートワークなんぞと絡めて語られることが多い。
しかも、ヴェイパーウェイヴ / フューチャーファンクや再評価の流れのなかで妙な解釈や蘊蓄が加えらたりするので、余計に捉えにくくなっていると思う。

そこで今回、サウンド面に的を絞って「シティ・ポップ」と「シティ・ポップじゃないと思われる曲」を探し出してくらべてみました。

ここで気づいたのは、
1.特定のアーティストに限定されるわけではない。(むろん「シティ・ポップ」を得意とするアーティストでは ”当たり” の確率は高まるが・・・。ex.達郎とか杏里とか・・・。)
2.むしろアレンジャー(佐藤準、鈴木茂、武部聡志、林哲司など)やサポートミュージシャンの存在が大きい。
3.必ずしも特定の時代に限定されるわけではない。(もちろん、1970年代後半~80年代中盤に名曲が多いが。)
4.同じ曲、同じアーティストでも「シティ・ポップ」のテイクとそうでないテイクがある。

あたりかな?

その理由は ↓ の記事に断片的に書いているので、興味のある方はどーぞ。
4つ打ちとグルーヴ (音のスキマ論-0)
サザンのセブンス曲
ザ・カセットテープ・ミュージック
グルーヴ&ハイトーン (グルーヴってなに・・・?)
日本にシティ・ポップはなかった??


関連記事(シティポップの世界的ブームの背景 かれらの日本という国への目線)

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それではいきます。

は、シティ・ポップと思われる曲。
は、シティ・ポップじゃないと思われる曲。

※ なお、この基準(シティ・ポップ認定基準)はあくまでも筆者の感覚と独断によるもので、明確な定義はありません。


【Rainych】 Mayonaka no Door / STAY WITH ME - Miki Matsubara | Official Music Video

↑ これ、どう聴いてもシティ・ポップじゃないでしょ。カッティング・ギターは入れてるけど。

真夜中のドア~Stay With Me - 松原みき

↑ 本家バージョン。さすがに「シティ・ポップ」の名曲とされる仕上がり。

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素顔で踊らせて - サザン


海 - サザン


私はピアノ - サザン 


YAYA(あの時代を忘れない) - サザン



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悲しみのJody (She was Crying) - 山下達郎


ターナーの汽罐車 - 山下達郎



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セイシェルの夕陽 - 松田聖子


制服 - 松田聖子



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Crescent Aventure - 角松敏生


After 5 Crash - 角松敏生



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夏をかさねて- 今井美樹


PRIDE - 今井美樹



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ベルベット・イースター - 荒井由実 【YUMING COVER】


ロッヂで待つクリスマス - 松任谷由実 (/歌おうfavorite songs 171)

マイナー・セブンス系だけど、シティ・ポップの流れだと思う。

春よ、来い - 松任谷由実



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グッドタイムズ&バッドタイムズ - 佐野元春


ニュー・エイジ - 佐野元春&THE COYOTE GRAND ROCKSTRA (DaisyMusic Official)



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Alone - 杉山清貴


ガラスのPALM TREE - 杉山清貴&オメガトライブ



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MORNING HARBOUR - とみたゆう子


蒼い風 - とみたゆう子



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Fantasy - 中原めいこ

中原めいこはかなり微妙。この曲も中盤は完璧なシティ・ポップだけどイントロとかは違う。

君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。 - 中原めいこ

ラテンが勝ちすぎるとふつうシティ・ポップにはならない。でも、この曲も微妙にシティ・ポップ入ってたりする。


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MERCURY LAMP 水銀燈 - 杏里 ANRI(オリジナル)


MERCURY LAMP 水銀燈 - 杏里 ANRI

オリジナルにくらべると音にすきまがなくなり、グルーヴ感(というかリズムの「キメ」)がよわい。

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夏雪 ~summer_snow~ - 西沢はぐみ  (2011年)

アニソン、ゲーム系にはめずらしい「シティ・ポップ」系の曲。
コード
サスフォー、ディミニッシュ、ハーフディミニッシュ、オンコードの嵐。
インストパートだけで少なくとも6回の転調。
ボーカルパートに至ってはセカンダリードミナント、オンコード、長三度(M3)推移ばりばりで、どこで転調しているかさえよくわからず。
「シティ・ポップ」には、こういう複雑なコード進行がよくある。


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こうして聴いてみると、「シティ・ポップ」には少なくとも以下7つの必要条件があるよーな気がする。

1.リズムセクションが生楽器で、アップビート(裏拍)、ヨコノリであること。
2.音にすきまがあって、16分のハイハットがシャープに響いていること。
3.グルーヴ感があること。リズムに「キメ」やシンコペーションが絡んでいること。
4.メジャー・セブンス(四和音)系のコード進行で、ドミナントを多用すること。
5.ボーカルとインスト(楽器)のバランスがいいこと。とくにカッティングやリフのサポートがあること。
6.多声部は基本的にコーラス(ハモリ)であること。
7.AORやBCMに通じるこ洒落た質感があること。

※ 7.については、こちら(ミディアムなAOR)を聴いてみてね。

サウンド構成的には、16分のハイハット、チョッパー(スラップ)べース、カッティングギター、フェンダーローズ、テナー・サックス、ストリングスなどいろいろあると思うが、それらについてはこちら→グルーヴ&ハイトーン (グルーヴってなに・・・?)をご覧くださいませ。

■ マイ・ピュア・レディ - 尾崎亜美

↑ フェンダーローズがはげしく貢献している例。
■ フェンダー・ローズとAOR


あと、リゾート(海外とか海とか山とかの非日常の場)にいて、都会や都会にいる人を想うシチュエーションがシティ・ポップのキモかもしれぬ。
この場合、コード進行はたいていメジャー・セブンス系(非日常系)になる。(ヨナ抜き音階にはない、4(ファ)と7(シ)が大活躍。)
都会に帰ってくると、ナインスやハーフディミニッシュ系(日常系)に戻り、マキタスポーツ氏やスージー鈴木氏がいうところの「アーバン系」になってシティ・ポップからは遠ざかる。

だから、「リゾートから都会を想う」というライフスタイル的な余裕がないと、シティ・ポップの空気感は生み出せないのかもしれぬ。

【ナインス(アーバン系)の代表曲】
■ 悲しみにさよなら - 安全地帯


多くの日本人は、根っこにヨナ抜き音階(ペンタトニック)やダウンビートが入っているので、コンスタントに洋楽を意識する局面がないと、どうしてもセブンス(四和音)やアップビートから遠ざかっていく。
それに、最近では洋楽も急速にペンタ化やダウンビート化(というか4つ打ち化)が進みつつあるし、70~80年代に洋楽の影響を受けた多才なアーティストたちも第一線を退きつつある。
ここ数年(とくにこの5年)、日本でペンタ化・4つ打ち化(ほぼフォークソング化)が進んだこと、そして海外からのシティ・ポップの評価が進んだ背景には、こんな要素もあると思う。


■『ロックの子』/桑田佳祐氏著(昭和62年(1987年)初版)

から引用させていただきます。(萩原健太氏との対談形式)

「そういう意識で来てるじゃない、ずっと。学生のころから。渋谷で友だちに会えばどこそこの輸入盤屋より・・・・ディスクなんとかよりもシスコのほうがいいもん売ってるとか、やっぱ向こうの、こう、ジェフ・ベックの海賊盤ほしいとか」
「ね。そういうふうにやってきたわけじゃない、俺たち。どれだけ向こうのディテールにくいこめるか、と」
「ディテールね」
「そういうことでしょ」
「うん」
「そういうバンドだと思うんだ、だから、俺たちも」
「宿命的に」
「そう。宿命的にね。うん」



この時代、宿命的に先を走る良質な洋楽があったから、この環境が「シティ・ポップ」を生み出す大きな契機になったのだと思う。
それに「シティ・ポップ」は、音の ”ディテール” にこだわらないと創り出せないから・・・。

洋楽はかつてもっていたたくさんの ”ディテール” を、1980年代後半から失っていった。
「滅ぼさない国、日本」では、かつてゲットした ”ディテール” を、はやりすたりにかかわらず大切に保ちつづけた。
だから、いま、ポピュラーミュージックの ”ディテール” をいちばんもっているのは、日本ではないか?

↑ で書いた「シティ・ポップ」の7つの必要条件を裏返すとつぎのようになる。

1.リズムセクションがサンプリングで、ダウンビート(表拍)ないし4つ打ちでタテノリ。
2.音にすきまがなく、音圧が高い。
3.グルーヴ感は少なく。「キメ」やシンコペをあまり使わない。動きのすくないビート。
4.トライアド(3和音)、ペンタ(5音・ファ(Ⅳ)・シ(Ⅶ)抜き音階)系の進行。ほぼダイアトニック・スケール。
5.ボーカルが前面に出る。インストサポートはストロークのギターがメイン。
6.多声部は基本的にユニゾン。
7.子供でも歌えて踊れる平易さがあること。

↑ これって、ここ5年くらいの世界のPOPミュージックのメインストリームでは?

■ Dynamite - BTS


■ パプリカ - 米津玄師


だから「シティ・ポップ」を聴くことは、いまのPOPミュージックにないものを聴きにいくことなんだと思う。

”ディテール” を求める世界中の音楽好きが、40年後に見つけた先が「シティ・ポップ」だったのかもしれぬ。

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典型的な「シティ・ポップ」の例

■ Sunset Memory - Kazu Matsui Project Feat. Robben Ford  ※ 洋楽ですが・・・
〔 From 『Love's A Heartache』(1983)

1980年代前半の典型的なグルーヴ感。女性スキャットもお洒落。
Vince Colaiuta(ds)& Freddy Washington Jr.(b)が繰り出すリズムは、さすがの安定感。

■ Angel - Change   ※ これも洋楽ですが・・・
〔 From 『This Is Your Time』(1983)

個人的にはもっとも好みのBCMユニットのひとつ。
The B. B. & Q. Bandと同様、Jacques Fred Petrus & Mauro Malavasiのイタリア人プロデュースによるディスコ・ユニット。
洗練感だけみれば、おそらくThe B. B. & Q BandやHigh Fashionを凌駕している。
これは、名盤『This Is Your Time』(1983)からのミディアム曲で、2:39~のsaxソロ、3:40~のピアノのフレーズどりなど、いま聴き返してもはっとさせられる。

■ OUR LOVELY DAYS - 当山ひとみ


■ Airport - 今井優子


■ I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME - 角松敏生&杏里 



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■ おもかげ - milet×Aimer×幾田りら (produced by Vaundy) / THE FIRST TAKE

↑ ひょっとして新しいかたちの「シティ・ポップ」なのか?


大きなテーマなので、気づいたことがあったら適宜書き足していきます。
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