関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 下部温泉 「古湯坊 源泉館」 〔 Pick Up温泉 〕
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<下部温泉 「古湯坊 源泉館」>
(山梨県身延町下部45番地、8:00~15:00(2h以内)、原則無休、1,000円/2h、0556-36-0101)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
「信玄公のかくし湯」として知られる下部温泉の老舗宿で、足元湧出浴槽をもっており、温泉好きに高い人気をほこります。
場所は下部温泉街のほぼ中心、温泉神社(熊野神社)のすぐ下手にあることからみても、このお宿の格式とお湯のポテンシャルの高さが伺われます。
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【写真 上(左)】 下部川の橋から「源泉館」
【写真 下(右)】 本館の玄関
オフィシャルHPによると、「当館には武田信玄やその父、信虎の免状が残されています。川中島を始め各地の戦場で負傷した多くの武将が当旅館の温泉で傷を癒しました。当時の武田軍は最重要の治療施設であった源泉館の岩風呂に対し、土地浴場の免状を発行して手厚く保護していました。」とあり、信玄公ひきいる武田軍とふかい関わりがあったことがわかります。
また、文豪、井伏鱒二氏が好んで逗留した宿としても知られています。
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【写真 上(左)】 銘板
【写真 下(右)】 岩風呂の看板
本館帳場で受付し、坂をおりて「かくし湯 岩風呂」へ向かいます。
入浴回数券(6回分5,000円、13回分10,000円)もあって、日帰り受入れにも力を入れています。
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【写真 上(左)】 ところせましと並べられている温泉掲示類
【写真 下(右)】 信玄公の免許状
「かくし湯 岩風呂」は別館「神泉」のなかにあり、すぐ脇の赤い鳥居は温泉神社(熊野神社)の参道です。
入ってすぐにベンチ、右が男湯、左が女湯。一見なんということもない佇まいながら、独特な雰囲気にあふれています。
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【写真 上(左)】 男子脱衣所入口
【写真 下(右)】 女子脱衣所入口
浴室に入ると正面に上がり湯。
左手、階段の下にかの有名な混浴源泉槽「かくし湯 岩風呂」があります。
脱衣所は男女別々ですが、浴槽はすべて混浴。ただし、17:00~18:30は女性専用時間となります。
なお、本館5階に男湯(日帰り不可)、本館2階に女湯(混浴できない女性客のみ日帰り可)があります。
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【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 上がり湯
2層構造の浴場ですが、「かくし湯 岩風呂」の上部は吹き抜けとなっているので閉塞感はありません。
やや暗めながらやたら雰囲気あふれる浴場で、こういうものは一朝一夕でつくれるものではありません。
長湯湯治のメッカらしく浴場内にWCがあります。
カラン6位、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜12時で3-7人とまあまあ空いていました。
なお、ここはタオル巻きでの入浴が原則。「一般の浴場と違い、源泉館ではタオルを巻いて入浴するのがマナーです。」との注意書きも。
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【写真 上(左)】 上がり湯から岩風呂の上部
【写真 下(右)】 上がり湯はザコザコ
上がり湯は岩枠石敷4-5人で、からだを暖めるためのもの。
浴槽のよこには飲泉処があって、コップもおいてあります。
岩の湯口から湯滝状の投入でたぶん全量をザンザコにオーバーフロー。
当然温泉で加温かけ流しかと思います。
無色透明のお湯はほぼ無味でわずかに芒硝系の湯の香、お湯じたいのイメージは「かくし湯 岩風呂」に似ています。
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【写真 上(左)】 上がり湯の湯口
【写真 下(右)】 岩風呂-1
さて、本題の「かくし湯 岩風呂」です。(データなどはオフィシャルHPより引用)
ここは約15畳の大岩盤から自然湧出している貴重な足元湧出浴槽で、湧出量はじつに200~415L/minにもおよぶとのこと。
30人以上優にいけそうな大きな浴槽で、深さ2m以上もある天然岩風呂の上に板を敷いて適度な深さにしています。
右手奥、神棚の下の部分(3-4人)だけは板が張られていないのでやや深く、足元湧出源泉を直にからだに受けることができるので、当然ここが一番の人気スポットです。
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【写真 上(左)】 源泉槽-2(中央のふかいところが湧出口)
【写真 下(右)】 壁には分析書
湯温は30℃くらい、ほぼ無色透明で湯の花はほとんどありません。
味不明、甘い石膏泉系の湯の香で、香りは「大市館」(現「裕貴屋」)とちがうニュアンスがあるように思いました。
キシキシとヌルすべが入りまじる複雑な湯ざわりで、よわい青白発光とわずかなアワつきもあり、浴後はただならぬ爽快感がでてきます。
ほぼ不感温度ですこぶる入りごこちのいいお湯は、やさしくからだをつつみこむ感じの長湯向け。
イメージとしては阿武隈の湯岐温泉の共同浴場に近いものがあるかな?
お湯のよさもさることながら、なんといっても浴場の雰囲気が抜群。
温泉好きならば一度は訪れてみたい名湯だと思います。
単純温泉(Na・Ca-SO4・Cl型) 29.6℃、pH=8.0、415L/min自然湧出、成分総計=0.470g/kg、Na^+=74.4mg/kg (52.68mval%)、Ca^2+=57.1 (46.34)、Cl^-=60.9 (28.38)、SO_4^2-=189.2 (65.02)、HCO_3^-=23.9、陽イオン計=132.9 (6.15mval)、陰イオン計=274.2 (6.06mval) メタけい酸=31.9、メタほう酸=2.9、遊離炭酸=28.1 <H16.8.25分析> (源泉名:源泉館神泉)
<温泉利用掲示>(「かくし湯 岩風呂」/オフィシャルHPより)
・一切「循環」「加熱」「加水」しておりません。
・温泉成分100%の天然温泉をかけ流しにしております。
※「武田信玄公の時代から加温はしていません(温泉利用証)」というのが凄い。
※ 温泉利用証の自然度・適正度評価はオール5です。
※ 館内掲示されていた日本温泉総合研究所の認定書(H16.8.19)では以下の通り
・浴槽の温泉水は源泉と同一であり「源泉100%かけ流し」であること。
・温泉の本質的な特徴の一つである「還元系」が良好に保たれていること。
・浴槽の状態 加水:なし 加温:なし 循環:なし 塩素殺菌:なし
■ブランドグルメ
〔 下部のヤマメそば 〕
渓流に棲むヤマメは下部川にも生育し、下部リバーサイドパークでは毎年8月にヤマメまつりも開催されます。
また、黄金色の「黄金のヤマメ」も放流され、ヤマメによる地域おこしがすすめられています。
かたや蕎麦は温泉街の定番。かけ蕎麦にヤマメの甘露煮をまるまる一匹のせた下部名物「ヤマメそば」は、温泉街の飲食店で食べることができます。
〔 2009/12/24UP (2007/06入湯) 〕
E138.29.4.561N35.25.8.478
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