シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

甲子園と観客

2023-08-06 17:29:51 | スポーツ大好き
今年も夏の甲子園が始まった。

昔は毎年のように楽しみに見ていた高校野球。
甲子園まで、夏の開会式を観に行った事もある。
しかし、だんだんと興味も薄れ、
今年は気がついたら、代表校が決まっていた感じだった。

しかし、今日の開会式。
4年ぶりに、『観衆と全員の行進による開会式』となった。
「いつもの」夏の光景が見られ、
やはり、甲子園の高校野球はいいなと感じる。


観衆で思い出すことが二つ。

31年前の、あの明徳義塾-星稜戦。
松井秀喜選手が5敬遠され、
勝った明徳義塾の校歌が流れている間、
スタンドから「帰れコール」が起こった試合だ。

翌日のスポーツ新聞に載った記事だ。
『勝者にも敗者にも優しかったはずの甲子園で、
帰れというコールは残念でならない』

しかし、明徳義塾が次の試合で敗れ、
甲子園を去る時にスタンドからは温かい拍手が送られた。
この時のNHKのアナウンサーが
『甲子園が、いつもの甲子園に戻りました』と語った。
優しい拍手は失われていなかったのだ。


そして昨年。
決勝で仙台育英が下関国際を下し、
東北に初の大旗が渡った。

翌日のネットの記事は、ほとんどが仙台育英の偉業を伝えた。
これは当然であろうが、
たった一社だけ、伝えていた記事があった。
『閉会式も終わり、最後に敗れた下関国際の選手がグラウンドを去る時、
甲子園のスタンドの観衆は、
スタンディングオベーションで、下関国際を見送った』

スタンディングオベーションで
最後の温かな拍手を浴びた下関国際の選手は、
優勝旗にも増して、
大きな思い出をもらったに違いない。


甲子園の主役はもちろん選手。
そしてアルプスで応援をする両校の声援だ。
しかし、その雰囲気を大きく色付けをするのが、
甲子園の観衆なのだ。

私も甲子園に観に行きたいが、なかなかそうもいかない。
甲子園で観ている観衆の皆さんには、
強く、大きく、温かな色付けをお願いしたいと願っている。


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