知る人ぞ知るアメリカのドゥーム/ストーナー系メタルバンドTROUBLEの、リック・ルービンが設立したDef Americanからリリースされた比較的キャッチ―な2枚、4th『TROUBLE(4)』と5th『MANIC FRUSTRATION』は、日本盤輸入盤共々長年の間入手困難状態となっておって、5thはともかく4thの旧規格盤は音質がかなりよくないので「いい加減リマスターで再発してくれ」と、ずっと歯がゆい思いを抱いていたのであるが、ここ数年の内にこの2枚における不可解で紆余曲折な再発劇に、私は振り回され続けていた。
まず、2019年にブラジルのHelion Recordsとかいう得体の知れないレーベルからこの2枚が再発されていたらしく「きた!!」と思ったのだが、これを購入した方の感想を読むと、「旧規格より音質が悪くなった」という信じがたい惨状が告げられていた。
「なーーんやそれ!」と思いながらも、内容は素晴らしいので持ってない人は是非購入してほしいなと思っていたのだが、昨年末にまたしても再発の知らせが舞い込んできて、今度はなんとユニバーサルミュージックから最近よくやってる「入手困難盤復活!!HM/HR1000」シリーズにその2枚がTREATやらSTRYPERなどのアルバムと共に選出されたらしく、1000円というお手頃価格で日本盤で手に入れられるということでこれは喜ばしいことだと思ってたら、これまたリマスター盤ではないという(まぁこのシリーズはそのパターンのが多い)。
「なんでそーなるんだよ!」と地団駄を踏みながらも、ずっと欲しかった人や聴く耳のある若いメタラー達にこの2枚の素晴らしさが伝わればそれでいいかと。
ところが!もうその直後くらいにまたしてもオランダのHammerheart Recordsというところからもこの2枚が再発されるというではないか!
オランダといえば、彼らが大好きなアレが合法で一時移り住んでたという(今も?)TROUBLE所縁の国。
で、今度こそ間違いなくリマスターされているとの信頼できる情報を得て、狂喜乱舞した私はそらもう一も二もなく即予約ですわ。
そして、なんやかんやと予定日の約1ヵ月遅れで、まず最初に私の手元に届けられたのが5th『MANIC FRUSTRATION』。
本作は私が最初に聴いたTROUBLEの1992年リリースのアルバムで、確かB!誌のレビューで90点超えをマークしていたと記憶している。
そのレビューではサバス、ツェッペリンの名前はもちろん、曲ごとにキング・クリムゾンや、はたまたジョン・レノンの名前まで引き合いに出されて大絶賛されていた。
10代の後半はそこらへんのバンドを盛んに探求しておって、その頃はまだまだB!誌のレビューに影響されていた時代だったので、このいささか誇張宣伝ぎみの評価にまんまと飛び付いたわけだ。
まぁエリック・ワグナーのヴォーカルは確かにロバート・プラントをハスキーにしたような声だし、リック・ワーテルとブルース・フランクリンの両者が織りなす鉄壁の分厚いリフワークはサバス直系のものだ。
ただ、M4 「FEAR」のエフェクトを通しただけのヴォーカリゼーションをクリムゾンの「21世紀」に例えたり、M5 「RAIN」のメランコリックなバラードソングをジョン・レノンみたいだなどと例えるのはちょっと安直過ぎるにもほどがあるかと。
まぁそんな誇大宣伝に関係なく、本作が実に完成度の高い作品であることは紛れもない事実であった。
おそらく、SLAYERの『REIGN IN BLOOD』、RED HOT CHILI PEPPERSの『BLOOD SUGER SEX MAGIC』などと並び称賛されるべきリック・ルービンの名プロデュース力が発揮された傑作の一枚かと。
って、私もちょっと誇張が過ぎてる?
本来バンド側が持ってる特性を十二分に引き出し、一発でリスナーの頭に入ってくる絶妙なリックのアレンジ力はさすがと言わざるを得ない。
この曲なんかはキャッチ―ながらも、どこかマリファナの香りが漂ってきそうな彼ららしいサイケ感も醸し出している。
ただ、個人的には、極上のサウンドプロダクションに、ストレートかつキャッチーな楽曲群と、TROUBLE史上最も垢抜けに垢抜けた、いささか洗練されすぎた作品に仕上がってしまったかなと。
私にとって(この手のバンドで)アルバム1枚にバラード2曲は多すぎるし、前半はバラエティに富み流れも物凄くよかったのに対し、後半はギターアレンジとか凄くカッコいいんだけど、ちょっとシンプル構成過ぎる単調な楽曲が連続したかなと。
バンド側もちょっと自分たちらしくないとか、ルービンやりすぎだろと思ったか、あるいは、これだけキャッチ―で完成度の高いもの作ったのに売り上げが芳しくなかったことに嫌気がさしたのか、次作では再び湿っぽいアンダーグラウンドなサウンドに戻ってしまった。
学生時代、この作品を聴いていたく感銘を受けた私は、さっそく当時MR.BIGとかガンズとかやらされてたバンドのメンバーにウォークマンでTROUBLEの曲を聴かせ、「バンドでコピーせえへんけ?」と持ちかけたところ、全く相手にされなかったという悲しい思い出がある。
まぁでも今考えたら、当時のヴォーカルがこんなハイトーンでハスキーな声が出るハズないんよな。若い頃は他のパートのことなんか全然考えてないから。
ヴォーカルも「To Be With You」やりたいとか、ドラムのことなんか全然考えてなかったし。
私のやりたかった曲。
まず、2019年にブラジルのHelion Recordsとかいう得体の知れないレーベルからこの2枚が再発されていたらしく「きた!!」と思ったのだが、これを購入した方の感想を読むと、「旧規格より音質が悪くなった」という信じがたい惨状が告げられていた。
「なーーんやそれ!」と思いながらも、内容は素晴らしいので持ってない人は是非購入してほしいなと思っていたのだが、昨年末にまたしても再発の知らせが舞い込んできて、今度はなんとユニバーサルミュージックから最近よくやってる「入手困難盤復活!!HM/HR1000」シリーズにその2枚がTREATやらSTRYPERなどのアルバムと共に選出されたらしく、1000円というお手頃価格で日本盤で手に入れられるということでこれは喜ばしいことだと思ってたら、これまたリマスター盤ではないという(まぁこのシリーズはそのパターンのが多い)。
「なんでそーなるんだよ!」と地団駄を踏みながらも、ずっと欲しかった人や聴く耳のある若いメタラー達にこの2枚の素晴らしさが伝わればそれでいいかと。
ところが!もうその直後くらいにまたしてもオランダのHammerheart Recordsというところからもこの2枚が再発されるというではないか!
オランダといえば、彼らが大好きなアレが合法で一時移り住んでたという(今も?)TROUBLE所縁の国。
で、今度こそ間違いなくリマスターされているとの信頼できる情報を得て、狂喜乱舞した私はそらもう一も二もなく即予約ですわ。
そして、なんやかんやと予定日の約1ヵ月遅れで、まず最初に私の手元に届けられたのが5th『MANIC FRUSTRATION』。
本作は私が最初に聴いたTROUBLEの1992年リリースのアルバムで、確かB!誌のレビューで90点超えをマークしていたと記憶している。
そのレビューではサバス、ツェッペリンの名前はもちろん、曲ごとにキング・クリムゾンや、はたまたジョン・レノンの名前まで引き合いに出されて大絶賛されていた。
10代の後半はそこらへんのバンドを盛んに探求しておって、その頃はまだまだB!誌のレビューに影響されていた時代だったので、このいささか誇張宣伝ぎみの評価にまんまと飛び付いたわけだ。
まぁエリック・ワグナーのヴォーカルは確かにロバート・プラントをハスキーにしたような声だし、リック・ワーテルとブルース・フランクリンの両者が織りなす鉄壁の分厚いリフワークはサバス直系のものだ。
ただ、M4 「FEAR」のエフェクトを通しただけのヴォーカリゼーションをクリムゾンの「21世紀」に例えたり、M5 「RAIN」のメランコリックなバラードソングをジョン・レノンみたいだなどと例えるのはちょっと安直過ぎるにもほどがあるかと。
まぁそんな誇大宣伝に関係なく、本作が実に完成度の高い作品であることは紛れもない事実であった。
おそらく、SLAYERの『REIGN IN BLOOD』、RED HOT CHILI PEPPERSの『BLOOD SUGER SEX MAGIC』などと並び称賛されるべきリック・ルービンの名プロデュース力が発揮された傑作の一枚かと。
って、私もちょっと誇張が過ぎてる?
本来バンド側が持ってる特性を十二分に引き出し、一発でリスナーの頭に入ってくる絶妙なリックのアレンジ力はさすがと言わざるを得ない。
この曲なんかはキャッチ―ながらも、どこかマリファナの香りが漂ってきそうな彼ららしいサイケ感も醸し出している。
ただ、個人的には、極上のサウンドプロダクションに、ストレートかつキャッチーな楽曲群と、TROUBLE史上最も垢抜けに垢抜けた、いささか洗練されすぎた作品に仕上がってしまったかなと。
私にとって(この手のバンドで)アルバム1枚にバラード2曲は多すぎるし、前半はバラエティに富み流れも物凄くよかったのに対し、後半はギターアレンジとか凄くカッコいいんだけど、ちょっとシンプル構成過ぎる単調な楽曲が連続したかなと。
バンド側もちょっと自分たちらしくないとか、ルービンやりすぎだろと思ったか、あるいは、これだけキャッチ―で完成度の高いもの作ったのに売り上げが芳しくなかったことに嫌気がさしたのか、次作では再び湿っぽいアンダーグラウンドなサウンドに戻ってしまった。
学生時代、この作品を聴いていたく感銘を受けた私は、さっそく当時MR.BIGとかガンズとかやらされてたバンドのメンバーにウォークマンでTROUBLEの曲を聴かせ、「バンドでコピーせえへんけ?」と持ちかけたところ、全く相手にされなかったという悲しい思い出がある。
まぁでも今考えたら、当時のヴォーカルがこんなハイトーンでハスキーな声が出るハズないんよな。若い頃は他のパートのことなんか全然考えてないから。
ヴォーカルも「To Be With You」やりたいとか、ドラムのことなんか全然考えてなかったし。
私のやりたかった曲。
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