AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
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エベエベ嗤ってまたベスト。

2014年12月07日 | やっぱりメタル!!
人間椅子4枚目のベスト盤『現世は夢』がディスクユニオンから届く。

前回のベストは20周年記念で今回のは25周年というわけだが、アルバムのほとんどを所持している古参ファンからしたら、これらをいちいち購入するのはお布施以外のなにものでもない。
でもなんで購入するのか?それは新曲が何曲か入ってるから。そしてなんといっても人間椅子が好きだからにほかならない。
5年ごとにベスト盤出すとか、ちょっとはこっちの身にもなってくれとも思うが、出す側からしたらそんなことは知ったこっちゃない。
そもそもベスト盤というものは、古参ファンのためではなく、これから人間椅子の音楽を聴いてみようかなっていう人のためのガイド的なものである。文句言うなら買わなければいいだけの話。
特に今回はオズフェスト出演効果により一気に増えた新参ファンには恰好のベスト盤と言える。
だからして、最近よくライブで演奏される曲を意識してセレクトしたと思われる。古参ファンからしたら、もうその辺の曲ライブでしてくれんでもええわ的なセレクトとも言えるが。

初回限定盤の特典、25周年記念オリジナル手ぬぐいのデザインの良さも、悲しいかな、大いに購買意欲をそそられた。



でも、こうも思えるんですよ。
オズフェストで人間椅子を知った新参ファンは、フェス後(もしくはフェス前)に20周年ベスト買ったか借りるかしたんでねべが?ってね。
それを最近の4枚のアルバムからの曲を追加しただけの同じようなベスト盤また出されてもねぇ~って思ったんじゃねべが?

そこで私は考えたんですよ。古参ファンも新参ファンも納得する周年アイテムを。
オズフェスのでもいいし、今年のツアーのでもいいし、最近のベストライブ映像を編集したDVD一枚と、新録及び未リマスター音源を収録したCD一枚をセットで出すっていう。
これだったら、今回の5000円っていう無慈悲な値段設定でも納得できたかと。
まぁこんなことここで書いてもどうなるわけでもないですけどね。


最近の作品からのセレクトが増えたせいで、2nd~7thのまさに黄金期ともいえる人間椅子が一番創造力に富んでいた良作からのナンバーがほとんどハズされてしまっているのは残念というほかないが、イカ天時代のインディーズ盤0th『人間椅子』からの2曲「陰獣」、「神経症I LOVE YOU」がリマスターで復刻されたのはよかったと思う。なぜ「猟奇が街にやって来る」をハズしたのかは理解に苦しむが(次のベスト盤用か?)。

0th『人間椅子』。音はペッチペチだが、初期ならではの味があり「桜の森の満開の下」の森の妖怪が歌ってるかのようなエフェクトVoなどは最高。
手作り感満開の歌詞カード内の竹中英太郎を彷彿とさせる版画挿絵も秀逸。




気になる新録4曲だが、まだそんなに聴き込んでもいないので感想は割愛させていただくが、今回私が最も注目していたのが、やはり「宇宙からの色」。
言うまでもなくラヴクラフトの小説をモチーフにした前作収録「時間からの影」に続くタイトルまんまクトゥルーもの第4弾である。

『宇宙からの色』は、創元推理文庫刊行『ラヴクラフト全集 4』に収録されている。
アーカムに住むある農家の井戸付近に宇宙から飛来した奇妙な隕石が落下してから、その周りに生えている草木を始め、農作物、家畜などに不穏な影響を与え始め、その農家の家族の者まで次々と精神を病み発狂してしまうといった、神話的クリーチャーなどは登場しないが、まさに宇宙的恐怖というべきラヴクラフト本人も自信作と謳っていた傑作ホラー小説である。
ミスカトニック大学の調査員によれば、その落下した隕石からは、既知のどんな色とも異なる名状しがたいスペクトルを発していたという。

今回のベスト盤ジャケも、なんとなく「宇宙からの色」あるいは「隕石」を彷彿とさせてはいまいか!

PVも作製された。




今回の新曲については、ウェブロックマガジンBEEAST連載の和嶋慎治氏のコラム『浪漫派宣言』(最終回!)で詳しく解説されてます。
http://www.beeast69.com/column/wajima/117475

最近の和嶋氏の言葉は正しいんやろうけど、やけに説教めいてて私にとっては耳が痛いってゆうか、苦手なんだけど、実に頼もしい言葉もこのコラムの最終回に残してくれています。

「H・P・ラヴクラフトの小説をモチーフにした楽曲は、これからも作り続ける所存だ。受けようと受けまいと、それこそしつこく。喜ぶべきは、ここ最近海外からメールや問い合わせが来ていること。世界中にラヴクラフトのファンがいることを勘案すれば・・・」

てかアルバム20枚近く出しててクトゥルーもの4曲ってのが今まで少なすぎたんよな。
てっきり1998年の名曲「ダンウィッチの怪」以来、ラヴクラフトとか、そういうSFホラー曲から足を洗ったものとばかり思ってたけど、今回のPVでは「The Colour Out of Space」と、英語表記のテロップなども表示してかなり海外クトゥルーファンを意識した作りとなっている。
フフフ・・・これから楽しみになってきたな。

DU特典の特製人間椅子ブックカバー。とりあえず『ラヴクラフト全集』を包んでいる。



今日の1曲:『宇宙からの色』/ 人間椅子

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2 コメント

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廃盤救済希望!長文すみません (サバス好きー)
2015-03-04 03:17:23
「神経症I LOVE YOU」もですが、他にも廃盤になってて聞けない曲がたくさんある!言うまでもない!
僕のような新規ファン(ファン歴1年)は当然「踊る一寸法師」と「無限の住人」を手に入れることができない。
しかし20周年記念のベストでは「黒猫」「暗い日曜日」など廃盤からも曲を入れていた。
だから人間椅子がまたベストを出すと聞いたとき僕は嬉しくて胸が張り裂けんばかりだった!
きっとYouTubeでしか聞いたことがないアレやコレが入っているんだろう!
それがなんだこの選曲はー!?
ライブ意識した選曲なのはわかるけど流石にこれは、
鈴木 父「あんまりだぁ」(倶楽部ネタ)
というやつじゃないか...

廃盤になってるアルバムを再販するならそれがベストですけど、中々難しいですよね。
返信する
>サバス好きーさん (あましん)
2015-03-05 01:20:24
近年の人間椅子大ブレイクに伴ない、ここ最近サバス好きーさんのような新規ファンの方から本ブログにコメント下さる方が何人かいらっしゃるので、人間椅子のこと書いててよかったと思う今日この頃であります。

でもやはり新規ファンの方でも今回のベスト盤の内容は頂けないということで。
まぁベスト盤だから同じようなものが選曲されるのは仕方ないとは思うんですが、それを連発するってのがどうも腑に落ちない。
ベストではなく、なんらかの企画盤でレアな音源も収録したものにするっていうことを考えつかないものなんでしょうかねぇ?

「踊る一寸法師」も「無限の住人」も実は6年くらい前に一度だけ再発されたんですけどね。
再発するなら今のタイミングだったんじゃないかと。
返信する

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