『エイボンの書』をノルマン・フランス語版に翻訳したガスパール・ド・ノールが13世紀のフランスでやらかしたというトンデモ事件について知りたくて辛抱たまらず、『イルーニュの巨人』というクラーク・アシュトン・スミス著の幻の短編集を入手。
クラーク・アシュトン・スミスは、詩人であり、彫刻家であり、イラストレーターでもあるというマルチな才能を持った幻想怪奇小説家で、環状列石の立ち並ぶ魔界の森へ読者をいざなうかのようなその幻惑的で独創的な描写は、かのラヴクラフト氏も「空前絶後の作家!!」と大絶賛しているほど。
スミスの物語には大きく分けて3つの舞台設定があります。
クトゥルー神話体系ともリンクする超古代大陸ヒューペルボリアを舞台とするシリーズ。
中世フランスの神話的一地方、アヴェロワーニュを舞台とするシリーズ。
そして、はるか未来の地球最後の大陸ゾシークものである。(創元推理文庫からC.A.スミスの『ゾティーク幻妖怪異譚』というのも刊行されておりやす。)
この書を手にし、私が真っ先に読んだのはもちろん『イルーニュの巨人』で、ここでは錬金術師、占星術師、そして黒魔術師として三重に悪名高いナテールと、彼のもとを去った元弟子のガスパール・ド・ノールとの壮絶なる師弟対決が展開されている。
この物語はアヴェロワーニュの森での話だが、この中世フランスの地ではどうやらヒューペルボリアの古代の魔道師エイボンの遺した暗黒の品々がかなり出回っていたようで、『聖人アゼダラク』も“最古の呪文、人間には忘れ去られた秘密の伝承、ヨグ・ソトートとツァトゥグアのことを記した”ルーン文字版の『エイボンの書』を所持していたし、『アヴェロワーニュの獣』を退治した魔術師のリュク・ル・ショードロニエも“古代ヒューペルボリアに由来するもので、かつては魔道師エイボンの持ち物であった、中に大昔の魔物が封じ込められた先祖代々伝わる不思議な謎めいた指輪”を所持していた。
他に、近代モノの『死の顕現』では、ラヴクラフトをモデルにしたというトムロンという青年は“ヒューペルボリアやムーやアトランティスの太古の悪魔的な書物の研究”に没頭しており、“この地上のいかなる国のものでもない奇妙な地図”を所持していた(夢の国の地図?)。
いやはや、ツァトゥグア様の影響力は絶大だなぁ~
C.A.スミスの肖像
傑作だなと思ったのはホラー色の濃い『土地神』で、その悪魔にとり憑かれた得体の知れぬ邪悪なものが漂う土地の霊的描写がおっそろしくド迫力満点で、なにかしらゾーッとする一種異様な戦慄を感じないではいられませんでした。
他に、『見えない街』での紫外線物質でできた人の目に見えぬ紫外線人の話だとか、金星探索隊が出くわした、人間の世界では不可能な大きさと不可能な形のピンク色した巨大生物(ゆえに『はかりがたい(測り難い)恐怖』という題名がついた?)など、かなり奇妙奇天烈でブっとんだSF作品も実に読み応えがありやした。
あと、『ヒキガエルおばさん』なる題名からしてユニークそうな話があったが、ヒキガエルの化身のような魔女が出てくる話で(スミスはやっぱりヒキガエルに取り憑かれていた?)、その胸クソ悪くなるヒキガエル描写があまりにもおぞましくて、マクドで読んでてホンマにテリヤキマックバーガーをもどしそうになった。
いや、違う!この嘔吐感は・・・
プレミアム・ロースト・コーヒーの2杯目を飲んだせいだ。
今日の1曲:『Summoning Redemption』/ MORBID ANGEL
クラーク・アシュトン・スミスは、詩人であり、彫刻家であり、イラストレーターでもあるというマルチな才能を持った幻想怪奇小説家で、環状列石の立ち並ぶ魔界の森へ読者をいざなうかのようなその幻惑的で独創的な描写は、かのラヴクラフト氏も「空前絶後の作家!!」と大絶賛しているほど。
スミスの物語には大きく分けて3つの舞台設定があります。
クトゥルー神話体系ともリンクする超古代大陸ヒューペルボリアを舞台とするシリーズ。
中世フランスの神話的一地方、アヴェロワーニュを舞台とするシリーズ。
そして、はるか未来の地球最後の大陸ゾシークものである。(創元推理文庫からC.A.スミスの『ゾティーク幻妖怪異譚』というのも刊行されておりやす。)
この書を手にし、私が真っ先に読んだのはもちろん『イルーニュの巨人』で、ここでは錬金術師、占星術師、そして黒魔術師として三重に悪名高いナテールと、彼のもとを去った元弟子のガスパール・ド・ノールとの壮絶なる師弟対決が展開されている。
この物語はアヴェロワーニュの森での話だが、この中世フランスの地ではどうやらヒューペルボリアの古代の魔道師エイボンの遺した暗黒の品々がかなり出回っていたようで、『聖人アゼダラク』も“最古の呪文、人間には忘れ去られた秘密の伝承、ヨグ・ソトートとツァトゥグアのことを記した”ルーン文字版の『エイボンの書』を所持していたし、『アヴェロワーニュの獣』を退治した魔術師のリュク・ル・ショードロニエも“古代ヒューペルボリアに由来するもので、かつては魔道師エイボンの持ち物であった、中に大昔の魔物が封じ込められた先祖代々伝わる不思議な謎めいた指輪”を所持していた。
他に、近代モノの『死の顕現』では、ラヴクラフトをモデルにしたというトムロンという青年は“ヒューペルボリアやムーやアトランティスの太古の悪魔的な書物の研究”に没頭しており、“この地上のいかなる国のものでもない奇妙な地図”を所持していた(夢の国の地図?)。
いやはや、ツァトゥグア様の影響力は絶大だなぁ~
C.A.スミスの肖像
傑作だなと思ったのはホラー色の濃い『土地神』で、その悪魔にとり憑かれた得体の知れぬ邪悪なものが漂う土地の霊的描写がおっそろしくド迫力満点で、なにかしらゾーッとする一種異様な戦慄を感じないではいられませんでした。
他に、『見えない街』での紫外線物質でできた人の目に見えぬ紫外線人の話だとか、金星探索隊が出くわした、人間の世界では不可能な大きさと不可能な形のピンク色した巨大生物(ゆえに『はかりがたい(測り難い)恐怖』という題名がついた?)など、かなり奇妙奇天烈でブっとんだSF作品も実に読み応えがありやした。
あと、『ヒキガエルおばさん』なる題名からしてユニークそうな話があったが、ヒキガエルの化身のような魔女が出てくる話で(スミスはやっぱりヒキガエルに取り憑かれていた?)、その胸クソ悪くなるヒキガエル描写があまりにもおぞましくて、マクドで読んでてホンマにテリヤキマックバーガーをもどしそうになった。
いや、違う!この嘔吐感は・・・
プレミアム・ロースト・コーヒーの2杯目を飲んだせいだ。
今日の1曲:『Summoning Redemption』/ MORBID ANGEL
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