AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ソニマニ2015 ~プロジディーVS電器グループ~

2015年08月30日 | コンサート
Prodigyは、1997年第一回フジロックの時、2日目の大本命アーティストであったが、ご周知の通り、あの凄まじい嵐の為2日目は中止になり初プロディジーを拝めることは叶わなかった。
かろうじてフロントマンのキースとマキシマムだけ、1日目のRAGE AGAINST THE MACHINEのライブ時に飛び入り参加するというビッグサプライズな出来事が起こり、彼らの即興ラップ姿を拝むことができた。
それから18年の間、プロディジーには全くといっていいほど関わりがなかった。あのフジロックが終わったと同時になんか冷めてしまったのだ。
ただ、やはりライブだけは生きてるうちに一回くらいは見ときたいという思いが心の片隅に残っており、今回新作や前作も買い揃え(ただ、この2枚が全然といっていいほどハマらんかった)、18年前に果たせなかった思いの丈をこのソニマニにぶつけようと、彼らのステージに臨んだ次第である。

ステージ後ろには新作ジャケの赤いきつねがデーーンと佇んでおり、上から「あわよくば食ってやろうか」という表情で我々を見下ろしている。



さすが深夜のヘッドライナー、演奏がはじまるやいなや歓喜の雄叫びと共に猛り狂った若者が私を押しのけ前へ前へと突進していく。
1曲目は新譜からではなく、いきなり90年代ヒットチューン“Breathe”から。昔はけっこう聴きまくったもんだが、あれれれなんだか全然興奮できない。
それからも一度聴いたら忘れられない印象的なフレーズのビッグビートチューンのオンパレードで、オーディエンスの興奮は収まることを知らない。
今の若いリスナーはおそらくこの曲で入ったのであろう“OMEN”では大合唱が起こり、それを横目で見つつ「EDMやのにオアシスよろしく大合唱させるなんて、なんちゅーあざとい曲や。ダンスミュージックの風上にもおけんのう」と、ますます気持ちは冷めていった。
まさに踊るアホウに観るアホウ状態。
唯一大興奮してツーステップを踏みまくってしまったのが“Voodoo People”。この曲の躍動感はいまだに大好きだ。




そういえば今回Perfumeのライブの時、のっちがMCで「腹筋やるときBPM高めのプロディジー聴いてやって燃える」なんていってたっけな。
彼女たちは2008年の時のサマソニ出演時、プロディジーのライブを観てこんなに挑発されたことはないってくらい感動したそうだ。キースの嫁とも挨拶したらしい。

しかし、私が20代前半の頃に聴きかじっていたマンソンやプロディジーに、今の20代の若者たちが彼らのヴィジュアルやカリスマ性に熱狂してる。思えば奇妙な現象である。
ただ、私がマンソンやプロディジーのライブパフォーマンスに興奮している女子たちを見て、「若いな~」なんて思ってしまうのは、音楽があんまり進歩していなく時代がストップして、私だけが年老いてしまったのかなと、今回ソニマニを体感してそう感じてしまったのであった。


聴きたかった曲もだいたい聴けたし、浮かれ騒ぐガキ共も鬱陶しいので(いや、祭りなんだから浮かれていいんです!)途中離脱して隣りのフードブースへ。腹も減ってたし。




焼き肉丼(いまいちだった)とレッドブル・ウォッカというのがあったので試しに飲んでみた。うん、美味い。



腹ごしらえも済んで、休憩もだいぶとれたので、最終観戦予定であった電気グルーヴを観るべく、その隣りのSONIC WAVE STAGEに向かった。
SONIC WAVE STAGEは、メイン会場のCRYSTAL MOUNTAIN STAGEの約半分くらいの規模。
ただ、雰囲気はこっちの会場の方がなんかゆったりしていて意心地がよかった。




今やフジロックでは大トリバンド前の出番を務めるビッグテクノユニットである電気グルーヴに対してえらいぞんざいな扱いやなとは思ったが、やっぱフジとソニックでは客の人種が違うのでこういった振り分けになったのかと。
とりあえずセンター通路で前がガラ空きなかなりステージの見やすい位置を陣取り、待機した。
横の外人がその隣りの女の子にプログラムを指さして「電気グルーヴ」ってなんて読むのか熱心に聞いていた。そういえば電グルだけ日本語表記だったんだ。

「コンバンワデンキグルーヴデス」という、いつもの?挨拶ループで電グルのライブがスタート。
このイントロダクションがけっこう長く、この時点ですでに中弛み感を覚え、もうだいぶ疲れもたまってて、さっきのレッドブル・ウォッカの酔いも手伝ってウトウト意識を失いそうになった。



ただ、ソニマニで音的に一番気持ちよかったのは電気グルーヴ。
セトリはだいたい新し目の曲中心で、私がわかったのは“FLASHBACK DISCO”と、昨年のワンマンの時購入した25周年CD収録の“Baby's on Fire”と“Super Star”のみ。
だが、あのピコピコした立体感あるサウンドループとアシッド感タップリのライトニングも手伝って一気に睡魔もぶっ飛んで、気持ちよく体を揺らせることができた。

思うにこの電グルEDMマジックは、このSONIC WAVEの会場の構造にあるのだと。
おそらくこの会場は、エレクトロ系のアーティスト用にスピーカーの配置から音が立体的に響くように設計されていて、ディスコ感覚で楽しめるよう内壁から天井まで照明効果が発揮できるような構造なのだ。
よって、マンソンやプロディジーのような、もうほとんどヤンチャなガキ共が興奮する激ロックとやらに取り込まれるようなビッグアーティストとは明らかに一線を画している、電グルなどの本格的EDM系のアーティストにとってまさにおあつらえ向きの会場だったのだ。
だからPerfumeも、ファン層がもうすこし落ち着いて、もっと渋めの選曲で(Take me Take meなど)PTAのコーナーが省かれた彼女たちのステージをこのSONIC WAVEで見れたのなら、どんなに楽しいだろう。どんなに気持ちよいだろう。


照明係はん、ええ仕事してはる!



はぁ~~、光がきれいだぁ・・・・
そしてこのピコピコした気持ちいいサウンドに思わず・・・・・・しぇしぇしぇのしぇぇぇ~~~



しかし電グルはなんか物足りなすぎた。
ラストの曲は何の曲かわからんくて、スクリーンに「SCORPIONS」と表記されていたので、「え?あの曲なんかなぁ~」と思ったが、あの曲は複数形じゃなかったような気がする。
でも昨年と全く同じ装いのシルクハットをかぶっただけのピエール瀧が「絶対離しませんよぉぉぉ~~~~!!」と連呼しだしたので、ああ、これは“SCORPION”の全く原型を留めてないヴァージョンのやつかと。
なんてポケ~~~っと考えてるうちに電グルのステージが終わってしまって、かなり不完全燃焼だった。
いや、ベタかもしれんけどせめて“シャングリラ”くらいやれよ!


それにしても・・・奇抜な仮装をするでもなく、瀧は仕事しなさすぎ!!
もう存在価値ほとんどないよ。マンソンを見習え!!!




ここのブースには出入り口というものがなく、隣りのブースから出なくてはならなかった。
電グル終演後、狭いブース移動口への民族大移動で、またかなり疲弊した。

隣りのブース。一反木綿パラダイスといったところか。



観たいもんも全部終わったので、ようやくグッズをゆっくり物色できる状態になった。
大行列ももう終息してるだろう。目ぼしいモノは残ってるかどうか怪しかったが、とりあえず行ってみた。
とにかくアーティスト名の入ったソニマニTが欲しかったのだ。




って、物販コーナーすでに撤去されてもーてるやんけ!!


ボケボケボケボケボケボケボケボケボケ!!原始心ボケボケボケボケボケボケ・・・・・・


持ってきたTシャツ3枚とも湿気でグチョグチョになって、帰りは物販で売ってるTシャツ着て帰ろうと当てにしてたのに・・・・

何がサマソニ前夜を彩る空前絶後のオールナイトイベントじゃ!何が前野菜じゃ!
ソニマニなんかもう二度とくるか!!


と、ソニマニを楽しめたのかどうかもわからぬまま、ムシャクシャした気分で、湿った節電気グルーヴTシャツを着たまま、始発に乗るべくどんよりした朝の海浜幕張駅に疲弊しきった足取りでテクテクと歩いていったのであった。

東京駅八重洲のJR高速バスの待合室と化しているマクドでは、いつもならアニメ少女の柄の手提げ袋をたずさえた者たちがたむろしておるのだが、今回はアーティストTに身を包んだ若者に占拠されていた。
そんな喧騒の中、私はカフェオレをすすりながら、今回のソニマニ関東遠征をポケ~っと振り返っていた。
この中で、果たして一つとして心から楽しめた事があったろうか?




~追記~

信じられないことだが、今回新宿ディスクユニオンでの収穫はゼロだった。


今日の1曲:『Baby's on Fire』/ 電気グルーヴ

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