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家から30分くらいの近場でありながら、先月の3連休に初めて利用したばかりの笠置のわかさぎ温泉にまた行かないかと、三が日の最終日に両親をさそってその温泉地に再び訪れた。
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先月赴いたのは夕方頃で、陽がおちて辺りはもう真っ暗で全く景色が見えなかったので、これはもういっぺん明るいうちにいっとくべきだろうと思っていたからであるが、今回はその地に点在している遺跡群めぐりをしてみたいという私の個人的な目的もあったのだ。
なんでもその地は、後醍醐天皇が鎌倉幕府打倒のため戦陣をしいた場所であり、様々な史跡や蒼古たる碑石が祀ってあるという。
ちゃちゃちゃーっと車で巡って写真撮って、すぐにも温泉施設に乗り込もうという計画であったが、その遺跡群が点在している笠置山自然公園は、そんな気軽に巡れるようなところではなく、おっそろしい勾配のグニャグニャの一本道を、上方から対向車が来るおそれと、ガードレールなき細道から脱輪して転落するおそれにビビリながら車でソロソロと走行していかねばならないとんでもない難所であった。
このポップ絵図にだまされた。この絵からだと平坦な田舎道を車でスイスイ行っているようにしか見えんだろが。我々がもし転落死してたら、この陽気なポップ絵のせいだかんな。
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心臓が縮こまる思いで、なんとかだだっ広い駐車場に辿り着いた。ここからはもう車では進めないようだったので、降りて辺りを探索してみることに。
またさらなる勾配の坂道を上がっていくと食事処があって、その施設右手の石畳の階段をさらにのぼっていくと、笠置寺という所に辿り着いた。
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さっき上がった石畳の階段すら勾配がきつかったので、もう高齢の親はここまでくるのは無理だろうと判断し、私一人でこの寺におそるおそる入ってみた。
うん、人の気配がまったくない。三が日にこんな冬の山寺まではるばる来るもの好きな観光客などめったにおらんのだろう。僧の姿すら見あたらない。
さらに奥に入っていくと、鬱蒼とした壮大なスケールの岩場があって、この古色蒼然たる神秘的な墓所にはかなり心騒がせられた。もう私のドストライクな場所だ。
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「弥勒石」。岩に投影された、ボォ~~・・・と浮かぶ不気味なその白い影は、そのデカさといい、“風にのりて歩むもの”イタカを彷彿とさせた。
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アメリカ先住民の間ではウェンディゴとして崇拝されるその邪神の姿を想像した瞬間、突如いいしれぬ恐怖感に襲われ、もう引き返した方がよいのではという臆病風に吹かれてしまった。
しかし、上方からホッと安心させる人の声が聞こえてきて、私より先に入山して帰る途中の親子連れに遭遇したので、そこでまた勇気が湧いて、もうすこし先に行ってみる気になった。
一応下の駐車場で待たせてる両親に「ちょっと15分くらいかかるかも」とケータイで連絡しておいた。
この山寺最大の目玉「虚空蔵石」を目の当たりにしたときは、そのド迫力に圧倒されてしまった。
(仏さんが岩に刻まれてるんだけど、分からない方は上写真を参照)
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この時点でもう引き返してもよかったのだが、「なんだちょっと歩いただけなのに、わりといいものが見れるじゃないか」という、浅はかな探究心に火がつき、もうすこし先へ行ってみる気になった。
しかし、そっから先はいよいよ険しい山道となり、遺跡らしきものにもなかなかめぐりあえず、両親も下で待たせているのでけっこう駆け足で登っていたため、体力だけがどんどん奪われていくという情けないドツボ状況に陥っていった。
「俺は正月3日目に、汗水たらしてなんでこんな山にひとりでのぼっとんのや?」という、形容しがたい虚無の念が幾度も幾度も脳裏をかすめた。
胎内めぐりキターーーー!!っと、ここで一気にテンションがあがる。
このような山中で、まさか私の大好きな胎内めぐりができようとは・・・・
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そして、人間椅子のあの曲のあやかしのフレーズが頭をよぎる。
「善男善女は出られるが~~ 悪人悪女は犬になるぅ~~う~~・・・・」
無事人間の姿で出てこられた私は、やはり善人であったのかと、ホっとする。
下で高齢の両親めっちゃ待たせてるけどね。
つづく・・・・
今日の1曲:『胎内巡り』/ 人間椅子
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先月赴いたのは夕方頃で、陽がおちて辺りはもう真っ暗で全く景色が見えなかったので、これはもういっぺん明るいうちにいっとくべきだろうと思っていたからであるが、今回はその地に点在している遺跡群めぐりをしてみたいという私の個人的な目的もあったのだ。
なんでもその地は、後醍醐天皇が鎌倉幕府打倒のため戦陣をしいた場所であり、様々な史跡や蒼古たる碑石が祀ってあるという。
ちゃちゃちゃーっと車で巡って写真撮って、すぐにも温泉施設に乗り込もうという計画であったが、その遺跡群が点在している笠置山自然公園は、そんな気軽に巡れるようなところではなく、おっそろしい勾配のグニャグニャの一本道を、上方から対向車が来るおそれと、ガードレールなき細道から脱輪して転落するおそれにビビリながら車でソロソロと走行していかねばならないとんでもない難所であった。
このポップ絵図にだまされた。この絵からだと平坦な田舎道を車でスイスイ行っているようにしか見えんだろが。我々がもし転落死してたら、この陽気なポップ絵のせいだかんな。
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心臓が縮こまる思いで、なんとかだだっ広い駐車場に辿り着いた。ここからはもう車では進めないようだったので、降りて辺りを探索してみることに。
またさらなる勾配の坂道を上がっていくと食事処があって、その施設右手の石畳の階段をさらにのぼっていくと、笠置寺という所に辿り着いた。
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さっき上がった石畳の階段すら勾配がきつかったので、もう高齢の親はここまでくるのは無理だろうと判断し、私一人でこの寺におそるおそる入ってみた。
うん、人の気配がまったくない。三が日にこんな冬の山寺まではるばる来るもの好きな観光客などめったにおらんのだろう。僧の姿すら見あたらない。
さらに奥に入っていくと、鬱蒼とした壮大なスケールの岩場があって、この古色蒼然たる神秘的な墓所にはかなり心騒がせられた。もう私のドストライクな場所だ。
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「弥勒石」。岩に投影された、ボォ~~・・・と浮かぶ不気味なその白い影は、そのデカさといい、“風にのりて歩むもの”イタカを彷彿とさせた。
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アメリカ先住民の間ではウェンディゴとして崇拝されるその邪神の姿を想像した瞬間、突如いいしれぬ恐怖感に襲われ、もう引き返した方がよいのではという臆病風に吹かれてしまった。
しかし、上方からホッと安心させる人の声が聞こえてきて、私より先に入山して帰る途中の親子連れに遭遇したので、そこでまた勇気が湧いて、もうすこし先に行ってみる気になった。
一応下の駐車場で待たせてる両親に「ちょっと15分くらいかかるかも」とケータイで連絡しておいた。
この山寺最大の目玉「虚空蔵石」を目の当たりにしたときは、そのド迫力に圧倒されてしまった。
(仏さんが岩に刻まれてるんだけど、分からない方は上写真を参照)
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この時点でもう引き返してもよかったのだが、「なんだちょっと歩いただけなのに、わりといいものが見れるじゃないか」という、浅はかな探究心に火がつき、もうすこし先へ行ってみる気になった。
しかし、そっから先はいよいよ険しい山道となり、遺跡らしきものにもなかなかめぐりあえず、両親も下で待たせているのでけっこう駆け足で登っていたため、体力だけがどんどん奪われていくという情けないドツボ状況に陥っていった。
「俺は正月3日目に、汗水たらしてなんでこんな山にひとりでのぼっとんのや?」という、形容しがたい虚無の念が幾度も幾度も脳裏をかすめた。
胎内めぐりキターーーー!!っと、ここで一気にテンションがあがる。
このような山中で、まさか私の大好きな胎内めぐりができようとは・・・・
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そして、人間椅子のあの曲のあやかしのフレーズが頭をよぎる。
「善男善女は出られるが~~ 悪人悪女は犬になるぅ~~う~~・・・・」
無事人間の姿で出てこられた私は、やはり善人であったのかと、ホっとする。
下で高齢の両親めっちゃ待たせてるけどね。
つづく・・・・
今日の1曲:『胎内巡り』/ 人間椅子
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