東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

実績について思うこと~学習塾~

2022-03-21 14:15:34 | 学習・塾に関する中身
 学習塾の指導は、外部での講師時代も含めると24年目に入ります。正直なところ、実績を残すためには「入学する生徒を一定のレベルに絞る」というのが一番間違いのないやり方です。

 「実績」を最優先に考えるなら、そもそも現時点でできていない(学力が低い)生徒を入塾させなければいんです。経営的に入れたとしても、中3までに退塾するように持っていけばいいわけです。今までいろいろなアピールの仕方を見てきました。「〇〇高校合格率NO1」とか「今期の生徒は半数以上は〇〇高校に合格」とか、、、。
 でも「卒業時の学力を入塾時と比べた」実績はほとんど見たことがありません。私は過去12期に関して小6・1月時点の業者模試と中3・1月時点の業者模試の偏差値を必ずみるようにしています。これまでの最低上昇値は「6」。最高は「19」です。今期はこの数字が変化することはありませんでした。

 合格実績というものは、入り口をコントロールすることで、如何様にもできるのです。「賢い生徒しか通わない(通えない)」というイメージ戦略に成功してしまえば、そもそも学力に問題点を持つ生徒が入塾することすらないわけですから、そりゃあ実績はそれなりのものになるわけです。
 もっと言えば、学力的にしんどい生徒は中3までについていけなくなって抜けていきますから、結果的に「塾にとって好都合な実績を残す」生徒だけが残っていくことになるわけです。

 私は(あくまでそろばんを習っていた生徒限定のお話ですが)、これまで「他の塾でついていけなくなった(心無い言葉をかけられたり友達同士のトラブルだったりを含む)と相談を受けて、お子さまをお預かりしなおしたことが何度もあります。1年あれば、例外なく戻ってきた時よりも全員の学力が上昇しています。
 逆に私の塾を辞めていった生徒もいます。これに関しては「より上を目指すために進学塾へ転塾」という場合と、それ以外の理由に大別できます。「より上を目指すために進学塾へ転塾」の場合は概ね望む結果を得ているようですし、報告にも来てくれますから多分大丈夫です。
 それ以外の理由の時は報告に来てくれることもほぼありませんから、伸びていればいいなと思いますが、基本的には分かりません。

 私自身は「そろばんを学習している生徒に関しては、塾指導を希望されれば原則としてお断りしない」ようにしています。もちろん物理的な定員(昨今は禍のために受け入れ人数を減らしていますので余計に)でのお断りはあります。また、対応できる中学校ではない場合も(私の能力に限界があるので)お断りしていますが。

 なので、私の塾としての実績は幅が広いものになっています。ただし、全員が「塾指導の開始時」と比べると伸びたという自信はあります。
 これについては「伸ばした」とは言いません。もちろん私が「間違いなく伸ばした!」と自信をもって言える生徒もいますが1割いるかいないかといったところです。大半の生徒は、私とのかかわりを含めて、様々な大人とのかかわりの中で伸びるきっかけをつかんだということです。そして私はその伸びるためのお手伝いと、伸びるための環境を用意しているにすぎません。

 私が公表させていただいている実績は、あくまで保護者の皆様の判断基準のひとつとしてご提供しているにすぎません。という目線でご利用・閲覧いただけると幸いです。
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高校入試終わる

2022-03-18 13:36:48 | 学習・塾に関する中身
 昨日の発表をもって、当教場の入試がすべて終わりました。残念ながら全員には桜が咲きませんでした。

 塾というものは結果がすべてであると思っています。そこに偽りも気持ちの変化もないのですが、やはり受験を通しての生徒の成長は素晴らしいものがあると改めて感じました。

 残念な結果に終わったことは私のせいであると思っていましたが、あんなふうに思っていてくれたのかと。叱ることが多かった生徒も自分の転換点をふりかえってくれていたんだなと。

 結果を出せなかったことに対して私が悶々としている間に、生徒たちは前を向いて進み始めています。その逞しさに驚くと同時に、共に過ごしだ時間に自信を持っていると入試前に伝えたことは、こういうことだったんだなと実感しています。
 発表前に(保護者の皆様から許可をいただいたうえで)卒業遠足のようなことをしました。そしてその帰りに写真の花束と手紙を受け取りました。

 その中身と、発表後に受け取ったメッセージで、このメンバーはもう大丈夫だと確信したというわけです。

 受験はあくまで人生の通過点にすぎません。しかし15歳の子供にとっては大きすぎる試練と言えると思うのです。それでも前を見て進み始めた教え子を見ていると、尊敬すると同時に幸多きことを願ってやみません。

 合格したみなさん。おめでとうございます。しかし、その喜びに浮かれていてもいいのは少しの間だけです。次の試練でも喜びを感じることができるように、これまでの努力を大きく超えて進んでください。

 残念だったみなさん。これをもってあなたの値打ちが決まるわけではありません。あなたの値打ちは

これまで+これから
 で決まるんですから。どうぞ、これまでの努力に誇りを持ってすすんでください。

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勉強の仕方が

2022-03-06 15:00:00 | 学習・塾に関する中身
 分からないってのはあり得ないと思っています。何度も何度も書いていますが、生徒たちと(残念ながら一部の保護者は)「楽して高得点を取る」ことが勉強であり、塾ではその方法(私は魔法と呼んでいます)を教えるものだと考えています。

 まず第一に。塾がその方法を持っているのであれば、どうして塾に通う中学生が(少なくとも私が教室を開いている地区では)半数を超えるのに、定期テストの平均が50点未満になるのでしょうか?この数字は「半数以上の中学生が塾に通っている状態で」出ているものです。中には指導がおそろしく良くない塾もあるでしょうが、それでもこの点数になっている時点で「塾に通えば、それだけで高得点が取れる」というわけではないことは明白です。

 次に。もし通うだけで成績が爆上がりするような塾があれば、おそらく常に満員御礼。そしてその塾のノウハウはものすごく高いお値段で商品となります。そしておそらく一人当たりのお月謝も現状の倍以上に設定できることになります。
 ただし、その方法が教育的に正しければ「公教育で」実践されることになりますから、結果的に塾通いの必要性はほとんどなくなることになるのです。通うだけで好成績となる指導方法が確立されているのであれば、塾は数年のうちにその存在意義をなくすことになるはずです。

 つまり、こと勉強においては「通うだけで成績が爆上がりする魔法」を持つ塾はないし、楽して(最小の勉強で)好成績を収めることができるような学習法もないというわけです。

 さて、話題は変わって。中2数学は「証明」単元が続きました。学年末テストは「証明の単元」がテスト範囲にはいっていた中学校が多かったことと思います。どうしても証明が理解できない中2。その手元を見たり質問のやり取りをしたりする中で、「そもそも△ABHと△DEHにおいて」から書き始める意味が分からないと思っていることに気が付きました。

 というわけでこんな指導をしました(あくまで証明はテキトーです)。
まず下から順番に書いていこうか!
①結論を書いてごらん→「よってHは直線 ABの中点となる」
②その結論になるためには、何が言えればいいかな→「HA=HBとなることがいえる」
(ここで私がその上の行に「合同な図形では対応する辺の長さが等しいので」とだけ書き加えました)
③何が言えればこの1行に意味があるかな?→△ABHと△DEHが合同やったらいえるんや
そうそう。だから「△ABH≡△DEHとなる」って先生が書いた上の行にくればいいよね。
「だから二つの三角形においてから始まるんや!」

 実際にはもっと何度もやりとりがありましたが、こうしてこの生徒は「どうして△ABHと△DEHにおいて」から書きだすのかという、証明単元に対してずっと思っていた疑問を解決したわけです。この後、基本問題~練習問題くらいまでは自力で証明が書けるようになっていきました。

 集団授業のみでここまでもっていくのは至難の業だと思います。だから私の教室では授業日以外に、教え子で卒業生のチューターに来てもらって(もちろん給料出してますよ)、自習学習をしてもらうのです。
 自分一人で教えるのであればせいぜい一度に3人~4人が限界です。スタッフがいることで学年当たり8名程度まではなんとかみることができますが。

 こうして、難しい単元に取り組み乗り越えることで「わからないことをわかるに変えていくこと」こそ勉強だと気が付いていくわけです。そしてこのしんどさを乗り越えるたびに成績があがり、強くなっていくわけです。

 お手軽でインスタントな勉強なんてない。そう思って毎日子供たちと本気で向き合っています。
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中学の定期試験が間近ですね

2022-02-20 15:00:00 | 学習・塾に関する中身
 定期試験が近づいてくるとクラブ活動が原則として停止になります。大阪府では感染状況が良くないこともあって、クラブ活動はおおむね停止か、ごく短時間のものになっています。

 この「クラブ活動停止」という非日常があるがゆえに、中学生の大半は「試験勉強は試験の1週間前からするもの」という考えをもっているように思います。実際には学習したときに疑問点を解決し、習熟しておくことで学力は伸びていくのですから、試験前かどうかに関係なく学習は行うものだと思います。

 その意識改革を中1からずっと指導し続けても、たいていの場合は中3の入試が現実味を帯びてきてからようやく変化が見えるといった感じなんですが、最近私のもとで学んでいる中2の数名が意識改革に成功しつつあります。わからない言葉を調べたり、記述式問題の解答をなんとか自分で書いてから正誤の判断を求めてみたり。明らかに勉強の質が上がり始めています。

 膨大な量にあきらめてとりあえず丸暗記してみたり、教科によっては今回はあきらめてしまったりと、まだまだ弱い部分はありますが、それでも随分とよい取り組みなったと感じます。明らかに変わり始めたタイミングで、理科や社会の用語集(各用語をきちんとせつめいしてくれているもの)を改めて渡してみると見事に食いついていました。

 わからないことがわかってこんがらがった知識がほぐれていくと、面白いようにすいすいと伸びていくものです。まだまだ自信が足りないこともあって、試験本番にこの努力を答案用紙にきちんと書けるのか?という心配は残りますが。

 普段からできる学習を丁寧に積み上げる。これに勝る勉強はないとさえ思っています。

 そういえば、夏休みまでとある塾にお世話になっていた小学生。英単語テストを全くできなくて(20問中数えるほどしかできなかったようです)、心配された保護者が懇談したところ「私もどうしていいかわからない」ということだったようです。不安があふれた保護者様から「こちらでお願いできませんか?」と言われて、悩んだ末にお受けしたのですが。つまずきの原因がおぼろげに分かり、そこを丁寧にほぐしたところ、現在20問の英単語テスト(品詞は完全ランダム)で4枚中3枚は満点、1枚は19点と驀進中です。本人の顔つきもかわってきています。ただ毎日の積み重ねを丁寧にするだけで変わっていくことすらできるんですよね。

 普段からの学習を大切に。できるまでやるということの大切さを改めて考えています。一人一人と向き合うということは、一人一人の個性・特性を把握するだけでなく、得手不得手を把握してその弱点の補い方も伝えるということ。教える側を志した時の気持ちが改めて湧き出てきています。

 子供たちは基本的にできるようになりたいと思っています。勉強のやり方が分からないのではなく、楽して成績が上がる方法が分からないのです。そんなもの私も分かりません。しんどくてもコツコツやって、結果が伴うことで、少しずつコツコツやることが苦にならなくなります。そうなるまで伴走するのが私の仕事といっても過言ではありません。

 こんなしんどい時代だからこそ、子供たちの心が暖かくなるような、前を向いて進む気持ちになれるような。そんな教室にしていきたいし、自分の結果を愛おしく思ってくれるような学びを提供していきたいと思いながら、中3の入試練習を見ている昼下がりです。
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もうすぐ大阪府私立入試ですね

2022-02-09 13:15:20 | 学習・塾に関する中身
 明日の木曜日は大阪府の私立高校入試が行われます。当教場の塾からももちろん受験するわけですが、この数か月の伸び方はやはりさすがだなと思うものがあります。本人たちは伸び悩みを感じているようですが(これは毎年みんな同じ道を通るのです。「完璧!」なんて受験はありませんから)。
 弱点への向き合い方やアドバイスを聞き入れる・実行に移すまでの早さはもちろんのこと、過去問に取り組んだ後の質問や部分点の判断など、こちらへの頼り方の質が圧倒的によくなっています。入試という人生初の経験に向き合うことでいい成長をしてくれていると感じます。

 私の教室は民家がベースですので、教室に明確な仕切りはありません。中3の取り組む様子は筒抜けです。その様子を見て感化される生徒も下級生に出てきます。そんな相乗効果があるのもまたこじんまりとした個人塾の良さだと思っています。

 一方で、そうした環境に一切心が動かない強者もまたいるわけです。手を変え品を変えいろいろなアプローチをするのですが、なかなか変化が起こらない生徒もまたいます。とはいえ、今の中3にも去年は同じことを感じていたなあとふと思い出すこともあります。毎年生徒たちは、個性はそれぞれに持っているけれどもよく似た道を歩んでいるなあと思うわけです。

 私は生徒の性格や個性を叩き潰してまで変えたいとは思っていません。治療に例えると「先生のやり方は漢方のようですね。自分の力を引き出すために時間をかけていますね」と懇談でお言葉をいただいたことがあります。うまいこと仰るなあと思いました。まさに数年かけてじっくりと向き合ってきたからこそ、今このタイミングでそれぞれの個性に合わせて花が開くのかな?そんなことを感じています。

 入試というものは生徒をもちろん変えてくれるのですが、同時に私のような指導者の立場にあるものも変えてくれます。たくさんの教え子たちにたくさんのことを教えてもらいました。そしてその教え子がチューターとして今の生徒の前に座ってくれます。その姿が、そのチューターとなった教え子との会話が、今の私の背中を押してくれます。少なくとも変なことはしていないと。とてもありがたいことですし、そうした環境に私も生徒もいることが幸せなんだなあと思うこともあります。

 入試直前はピリピリとするもの。そうあるべきなのかもしれませんが、私の教室ではいつもとかわらない普通の(笑いの多い)時間が流れています。私はこれでいいと思っていますし、これからもこの空気感を大切にしたいと思っています。

 さあ、みなさん。いよいよ明日。人生初の入試に挑みますね。どれだけ準備したとしても悔いは残ります。受験とはそういうものです。でも「今の自分」が全力を出せればそれでいいんです。これまであなたたちがやってきたことは誇れることです。その想いを精一杯答案用紙にぶつけてくればいいんです。

 それでは元気に、いってらっしゃい!
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