端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

冷 汁

2010-05-06 | 食べ物
不順な 春のお天気でしたが ようやくいつもの気候になり ここ二 三日は 初夏の
陽気です。

子供の頃 朝 目が覚めると 台所の色々な音が聞こえていました。
貧乏暮らしの 狭い家ですから 当然ですが 毎日弁当持参の父のために 母は早くから
台所に立っていました。

竈の火は燃え 大きな木の蓋の間からは 湯気と蟹のあぶくのように 蒸気が上がっていました。

頃合を見て 薪を引かなければ焦げるので 飯を炊くだけでも 気の抜けない 女の
仕事でした。

七輪では 卵焼きが いいにおいをさせていました。

そんな朝 リズムよくまな板と包丁の音が聞こえると すぐ起きて はだける寝巻きの
紐を結びなおし 台所へ行っていました。

其の音は 決まって冷汁の胡瓜を刻む音だったり すり鉢のごまやいりこを当たる
音だったりしたものです。

米の飯など 食べられる時代ではありませんでしたが この冷汁は麦飯にのほうが
相性がいいのです。

今は 白いご飯にかけて食べますが 穴熊さんは麦飯にして欲しいらしいのです。
これから暑くなる夏 我が家の朝食の定番です。

はるか昔の子供の頃を思い出しつつ 食べています。
コメント (2)
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