昨日は昔からの友人と会い、とりとめのない話をする。
この友人は難しい本が好きで私の読んでない本をたくさん読んでいる。まぁ正月だから会おうかみたいな感じで待ち合わせ、インドネシア料理屋さんに入った。友人はジョン・レノンのダブルファンタジー&ミルク・アンド・ハニー・セッションのアウト・テーク2枚組のアルバム、それに1980年の「現代思想」禅特集号を土産にくれた。色々話したが、竜樹は仙術を身につけてさんざん悪さをした後、仏教に帰依して大乗の流れを作った、とか西田幾多郎は弟子に絶対矛盾の自己同一と念仏のように唱えろ、そのうちわかるから、と言ったとかところどころ爆笑である。会って爆笑できるというのは波長が合っている、ということなので楽しい。
帰って禅特集を読む。玉城康四郎氏が、仏教の根底にあるのはブッダの悟りだ、具体的には禅定した釈迦にダンマ(法)が露わになることだ、と言っていて、さすが秋月龍氏が賛同するだけのことはあると思った。同じことをキリスト教の八木誠一氏も言っていて、龍つながりの書き手はセンスが一緒だと思った。それからジョン・レノンのアウト・テーク集を聞く。ヘルプ・ミー・トゥー・ヘルプ・マイセルフは初耳で、すごい感動した。オリジナルだろうか。ロード、ヘルプ・ミー・トゥ・ヘルプ・マイセルフというのがサビである。
そのほか、テネシーという曲とメモリーズという似た曲が、グロウ・オールド・ウィズ・ミーのピアノ進行と似ていて、こうやって曲と言うのは混沌から徐々に形を成して行くんだと感心させられる。この音源は一時ヨーコの手元から誰かに持ち出され、ロスト・レノン・テープスと呼ばれていたものと同一だと思われるが、堂々と売られているところをみると権利問題は解決したのだろう。正月早々、いい福袋を貰った思いである。ここ数日おやつも忘れて長い文章を書きまくっていたので、いいバイブレーションで一時停止している。今日もフランスパンとカマンベール・チーズをスーパーで買って来た。正月はまたこれで食いつなぐのだ。
手を尽くし僕は自分を救うから照らしてほしい雲の上から、という短歌を書く。