昨日はたまの知久さんの誕生日記念ライブのチケットを買いに街へ出た。帰りによみた屋という古本屋さんで、「世界の大思想、ヘーゲル精神現象学」とユングの「心理学と宗教」を手にとって迷った末、ユングを選んだ。ユングの宗教観は、教義の一面性を無意識の声を聞いて修正して自分のものに作り直そうというものなので、具体的に何が書いてあるか楽しみである。
慶一・幸宏のビートニクスの歌にGrains of life というのがあって、出口を求めて悩んでいる主人公がC.G. might have helped us out,but he's gone(C・Gなら脱出を助けてくれたかもしれないが、彼は逝ってしまった)と言うが、このC・Gとはユングのことを歌っている。
そのあと山幸という登山用品店に行って、スマート・ウールという冬山登山用の靴下を冷え対策に買い、中古CD店でアンドラーシュ・シフのイタリア盤のモーツァルトのピアノソナタを買って帰った。
スマートウールの靴下で足先を温めながら、買って来たシフのモーツァルトをポータブルCDプレーヤーで聴き、ユングの「心理学と宗教」を読む。
このなかには、旧約聖書の心理学「ヨブへの答え」やユングのキリスト教観を知る貴重な資料三位一体論、患者の夢に出てくる宗教的なイメージを解くカギは無意識からの声だと説いた表題作「心理学と宗教」など六編が入っている。まだざっと目を通しただけだが、これから詳しく読むのが楽しみだ。
シフのモーツァルトは静謐で心休まる沈静的な演奏でこれもなかなかよい。
私は若い頃からGrains of lifeを繰り返し聴いていて、C・Gなら脱出を助けてくれるかもしれないというフレーズが頭に焼きついているので、考えに詰まるとユングを読むことにしている。確かにユングは心の道行きの助けになる。これからの心の道案内として、大著「心理学と宗教」を得たことは大きな収穫だと思っている。
手さぐりで前へ踏み出す手掛かりにC・Gユング友とする夜、という短歌を書く。