サー・コリン・デイヴィスとシュターツカペレ・
ドレスデンのベートーヴェン交響曲全集がいい。
モーツァルト後期交響曲集もシューベルト交響曲全集も
良かったが、ベートーヴェンには負ける。
シュターツカペレ・ドレスデンの古雅な
柔らかい響きを十二分に活かしている。
モーツァルトやシューベルトは若干押し出しが弱かったが、
ベートーヴェンではググッと押し出しも利いていて、
時折テンポを落としてシュターツカペレ・
ドレスデンの古雅な音色を敢えて聞かせる。
コリン星から来たデイヴィスと言われ、
その手腕は真っ当に評価されないが、相当の凄腕である。
低音をググッと利かせ、ティンパニが轟き、
トランペットが朗々と鳴る。
そのすべてが効果的にベートーヴェンの
交響宇宙を有機的に浮かび上がらせる。
独墺系の指揮者ではないがオケは
素晴らしいシュターツカペレ・ドレスデンである。
力の籠もったベートーヴェン像の構築に胸が熱くなる。
ザンデルリンクほどではないが悠然としたテンポ設定。
意図的にテンポを落としてオケの響きを聞かせる徹底ぶり。
以前は好きな指揮者ではなかったが、
このベートーヴェン交響曲全集を聞いて認識を改めた。
識別表示コリン星のデイヴィス、凄いっすよ。
私の持ってるニュートン・クラシックス盤は入手困難だが
フィリップス盤を再現したタワレコ限定盤は絶賛発売中である。
美しいドレスデンとも響き合い重量級の名盤を生む