フルトヴェングラーのベートーヴェン戦時録音集を聞いている。
有名なウラニアのエロイカやメロディアの第九も入っている。
1943年6月27日の運命も入っている。1944年3月20日の田園も入っている。
アンドロメダ社6枚組である。
ウラニアのエロイカは白熱の名演。フルトヴェングラーはなぜ発売差し止めの訴訟を起こしたのか。
運命は綺麗に録れていて堂々とした演奏。第四楽章の悠然とした驀進は特筆に価する。
最後は急加速でフィナーレを迎える。
1942年3月23日のメロディアの第九は鬼気迫る演奏。
どれも単売で買うと高いのでアンドロメダの6枚組お勧めである。
先日聞いたワーナーのリマスター盤ベートーヴェン全集は2番以外音が良かった。
2番は原盤のオープンリールの音がボロボロでどういじってもチリチリしたノイズが入るのだろう。
現代の技術でも演奏とチリチリしたノイズの分離ができないのが不思議である。
2番以外はノイズがなく、生き生きした鮮明な音で演奏が鳴る。
2010年から2011年のSACDハイブリッドのためのアビーロードのエンジニアのリマスターはおおむね成功と言えよう。平林復刻か何かで2番のスクラッチノイズ除去にチャレンジしてほしいものである。
未開社会の思惟という本を読んでいたが翻訳も内容もひどいので中断している。
同じ著者の原始神話学に挑戦しようか迷っている。
今はデュルケムの本を平積みにして読書に備えている。
フルトヴェングラーの戦時録音集は鬼気迫るものがありフルトヴェングラー好きにはお勧めである。
ワーナーのリマスター全集も2番以外はお勧めである。
どちらも廉価盤を選んで正解だと思う。
戦時下に祈る気持ちで集まった聴衆たちの胸を打つ音