夜、7時から、中島公園のキタラ小ホールへ、飯村真理さんのバッハと現代音楽の演奏会に出かけた。
お客さんは7割ぐらい男性。札響の定期会員の方が多そうだった。
バッハの無伴奏バイオリンのパルティータとソナタに挟まれて、意欲的な独奏曲が並ぶ。
ベルギーの20世紀のバイオリニストで作曲家、イザイの無伴奏バイオリンのためのソナタ第2番。
これは、古典的な現代音楽で、ヨゼフ・シゲティのバッハに触発されて短期間で作られたソナタ。
小刻みに奏でられる「妄執」に始まり、旋律がきれいな「憂愁」「亡霊たちの踊り」「復讐の女神たち(ギリシア悲劇より)」と古典的な造形だが、時に不安を掻き立てられる、緊張感のある作品である。
続いて今もご存命のハンガリーの作曲家、ジョルジュ・クルタークの、
「サイン、ゲームとメッセージ」というウィトゲンシュタインみたいな題の、転調を繰り返す妖しい現代音楽を聴く。これも古典的な現代音楽だが、バルトークやコダーイの盟友らしく、民謡の旋律が入る。
みな、曲としては不安定なのだが、技巧が凄いと思われるバイオリンの響きがそれでも美しい。
ここで休憩が入り、第2部は武満徹さんと親交のある、イタリアのルチアーノ・ベリオ作曲のセクエンツィアⅧ。
これがいちばん実験性が高いように思われる。曲はラとシの2音を基調に、あらゆる技巧を織り込んで、
同じ高さの音の変奏が入れ代わり立ち代わり奏でられる。ベリオは同じ技法の曲を多数書いたことで知られる。
譜面台が六台も並べられて、手前から順に右へ移動して演奏される。クルタークとベリオ以外は、譜面を見ていなかった。私としては珍しく、野心的な演奏会を鑑賞した。
最後のバッハの無伴奏バイオリンソナタに安心して聞き入った。
全体的に闊達なバイオリンの質感が途切れることなく美しく味わえた。
久しぶりに公演というものに出かけ、貴重なときを味わった。引きこもり生活に変化の兆し。
セバスチャン・バッハの曲に挟まれた近現代の音の鮮血
お客さんは7割ぐらい男性。札響の定期会員の方が多そうだった。
バッハの無伴奏バイオリンのパルティータとソナタに挟まれて、意欲的な独奏曲が並ぶ。
ベルギーの20世紀のバイオリニストで作曲家、イザイの無伴奏バイオリンのためのソナタ第2番。
これは、古典的な現代音楽で、ヨゼフ・シゲティのバッハに触発されて短期間で作られたソナタ。
小刻みに奏でられる「妄執」に始まり、旋律がきれいな「憂愁」「亡霊たちの踊り」「復讐の女神たち(ギリシア悲劇より)」と古典的な造形だが、時に不安を掻き立てられる、緊張感のある作品である。
続いて今もご存命のハンガリーの作曲家、ジョルジュ・クルタークの、
「サイン、ゲームとメッセージ」というウィトゲンシュタインみたいな題の、転調を繰り返す妖しい現代音楽を聴く。これも古典的な現代音楽だが、バルトークやコダーイの盟友らしく、民謡の旋律が入る。
みな、曲としては不安定なのだが、技巧が凄いと思われるバイオリンの響きがそれでも美しい。
ここで休憩が入り、第2部は武満徹さんと親交のある、イタリアのルチアーノ・ベリオ作曲のセクエンツィアⅧ。
これがいちばん実験性が高いように思われる。曲はラとシの2音を基調に、あらゆる技巧を織り込んで、
同じ高さの音の変奏が入れ代わり立ち代わり奏でられる。ベリオは同じ技法の曲を多数書いたことで知られる。
譜面台が六台も並べられて、手前から順に右へ移動して演奏される。クルタークとベリオ以外は、譜面を見ていなかった。私としては珍しく、野心的な演奏会を鑑賞した。
最後のバッハの無伴奏バイオリンソナタに安心して聞き入った。
全体的に闊達なバイオリンの質感が途切れることなく美しく味わえた。
久しぶりに公演というものに出かけ、貴重なときを味わった。引きこもり生活に変化の兆し。
セバスチャン・バッハの曲に挟まれた近現代の音の鮮血