超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

明恵上人秘話・上下巻を読む

2022-04-10 19:09:53 | 無題
「明恵 栂尾高山寺秘話」上巻来る。待望の一品である。
明恵は、幼名が薬師。鎌倉幕府開幕前後から承久の乱以降まで生きた。
やがて得度し、神護寺の僧となる。
文覚に即身成仏を学び、学僧に唯識を学ぶ。
この身がそのまま仏となる。世界は心の現われで、
見る人によって、この世は千差万別。
仏眼仏母菩薩に亡き母の面影を見る。
奈良の大仏を見て感激し、華厳系と真言系の経典を持ち帰る。
瞑想で、たびたび諸仏の声に導かれ、その姿を幻視する。(上巻、終わり)

続いて「明恵 栂尾高山寺秘話」下巻を読んだ。
明恵は神護寺を離れ、栂尾で観想生活を送る。
本書によれば、明恵の教えは次のようなもの。
僧がすべきことは、じぶんと衆生の意識の覚醒である。
意識が変われば、世界が変わる。
仏、心、衆生の三者に差別はない。
仏性は、宇宙の生命の脈動である。
生まれてきた以上、悟りを求めて生き物を救う、菩提心
を実践に移すべきである。
真言を唱えて仏を観想すると、眩い光に包まれる。
これが、光明真言の法。
観想の最中に菩薩や諸仏がやって来て、これから
汝のなかに入ると言う。
悩み苦しみは仏が与えてくれる深化の機会であるから、
悩み苦しみも受け入れて、光が差すのを待つ。
華厳経との関係が多く書かれていなかったが、真摯な本だった。

仏性は世の根源の脈動で生きてこの身が仏身となる

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