超人日記・俳句

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#俳句・川柳ブログ 

映画・オルフェの遺言を観る

2023-06-26 05:10:42 | 無題
昨日、6月25日に私はシフォンケーキを食べてから、
ジャン・コクトー脚本、主演の映画『オルフェの遺言』を観た。
極めて詩的で、難解な、コクトーの自伝的遺言の映画。
というより、コクトーの自身の作品と詩人としての人生への
オマージュの映画と言ってもいい。
映画の最初で主演のコクトーは、ルイ15世の姿で、
時空を行き来する研究をしている博士の過去や未来や現在に
姿を現す。そして、博士が発明するはずの弾丸を博士に渡し、
自分を撃って自分を20世紀に戻すよう頼む。
こうしてコクトーは1960年に帰還する。
だがどうやらそこは時空のはざま、虚実のはざまの世界らしい。
コクトーは自作映画『オルフェ』でスジェスト役を務めた、
実人生の養子の若者に付き添われて、時空のはざまをさ迷う。
花の絵をチョークで書いて花を蘇らせたりする。
コクトーは映画『オルフェ』の死神の女性と運転手の男に
裁かれ、「罪を犯していない罪」と「異世界を旅した罪」を
言い渡される。コクトーは、詩人とは創造する反抗の魂だと抗弁し
「生きなさい、あなたの歳では一番軽い罰だ」と言い渡される。
コクトーはギリシャの女神アテナの槍でいったん落命し、
ロマの葬式を経て蘇る。彼はさ迷い歩き自分の戯曲の登場人物と
すれ違い、自分の詩を語る。最後に死の国のバイク警官に尋問され、
スジェストと一緒にその場から消える。ユル・ブリナーやピカソや
ジャン=ピエール・レオが友情出演で彼を見送る。
これはオルフェでもある詩人の人生の総回顧であり、遺言である。
難解だが、上質な芸術的映像を、味わうことができた。

コクトーが自作の劇や詩や映画、絵を振り返り遺言を演ず
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