つれて逃げてよ・・・
ついておいでよ・・・
夕ぐれの雨が降る
矢切の渡し
親のこころに そむいてまでも
恋に生きたい 二人です
見すてないでね・・・
捨てはしないよ・・・
北風が泣いて吹く
矢切の渡し
噂かなしい 柴又すてて
舟にまかせる さだめです
どこへ行くのよ・・・
知らぬ土地だよ・・・
揺れながら艪が咽ぶ矢切の渡し
息を殺して 身を寄せながら
明日へ漕ぎだす 別れです

もともと ちあきなおみさんがB面で出した
歌で、この歌自体いろんな方々がcoverしている。
瀬川瑛子さんや中城きよしさん
春日八郎さんと藤野としえさん
島倉千代子さんと船村徹さん
なかでも一番売れたのが細川たかしさんの
矢切りの渡し
だった。
元歌はもっと難しいということらしく
細川たかしさんが一般受けするような
歌い方で支持を集めたらしい。
渡し船で対岸に渡るその距離に
恋の切なさを絡めて、
昔も今も
好きな人についていきたい
連れて行って欲しいと願う
女心を
切々と歌われた
短い歌詞ながら
情景 状況がしっかりわかって
伝わってくる。
決して楽な恋の道はなく、
日陰の道を歩いてでも恋を全うしたい
そんな女の人の一途を思うと、
昔の人の方が
情熱的だったのだろう。
恋の逃避行は
いつの時代も
歌にすると美しく
その世界は
表現、時代背景こそ違え
中身は今の時代も
何一つ変わらないでいる。