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人生アラカルト

どうせ過ごすなら楽しくね。

うれしい越前水仙の贈り物

2016-12-18 19:53:55 | 80はミステリーゾーン
大学の後輩kさんから今年も越前水仙の
贈り物がきた。

奥さんのご命日に送られたことがきっか
けであった。

なんと、私たちに素敵なプレゼントであ
った。

というのは、越前海岸といえば、かつて
勤務していた武生の山を越えた日本海側。

冬の日本海は荒々しい白波が風と共に押
し寄せる厳しい季節が続く。その反面、
海の幸は豊富でカニが代表的だ。

私は30歳を過ぎたころ、金沢から転勤
で武生にやってきた。

武生は関東、関西へ抜ける北国街道の宿場
まちで、冬は豪雪地帯であった。

当時、車を持っていなかったので、遠方へ
の取材はもっぱらバスであり、越前海岸へ
行くには、半日から一日かけての取材活
動であった。

海岸は切り立った岸壁が多く、その崖に
水仙が生えていた。

小さな黄色の花びらを海に向けて乱生し
ていた。

「どれだけ強く吹かれても、私たちはし
がみついて咲いております」という風に。

決して風に負けない芯の強い冬の華であ
った。

越前海岸へ取材に行くとき、亡妻を伴っ
た。娯楽もなんにもない武生に一日、新
聞社の局舎に閉じこもっていた妻への安
息との思いが強かった。


そんないきさつを知らないkさんだが、
kさんの奥さんの命日に越前水仙を送っ
て来た。

うれしかった。

かれんな小さなつぼみの水仙の束を仏壇
に活けた。