大村特別栄誉教授がノーベル賞を受賞しました。
その研究内容は兎も角(大変失礼に聞こえるかもしれませんが、それを語る知識がありませんし、立派な業績に決まっています)、経歴に注目しました。
大学卒業後、定時制高校の教諭をしていたとか。
また、就職後学んだ大学院は修士課程までで、博士課程は修了していないのですね。
その学者然、エリート然としていないところが好いです。
この様な経歴の人が活躍できる環境も好いです。
さて、ノーベル賞受賞者が教諭をしていた都立墨田工業高校は、墨田区に近い江東区にあります。
向かいに銭湯がある下町の学校です。
創立1900年の伝統校で、現在も定時制があります。
19世紀の設立です!
日本がロシアとの戦争(日露戦争:1904年)やむなしの国際情勢のさなかに、工業力増大の為の技術者育成を目的として、設立されたのでしょう。
115年の歴史があります。
地価が高い都内にあるにしては、随分広い敷地のようです。
和暦で言えば明治23年の創立ですからこの辺りの地価はまだ安かっただろうし、何より近代化の推進及び戦争遂行に必要な技術者育成の大目的があったので、このような広大な敷地が確保できたのでしょう。
校舎がずっと向こうまで続いています。
日露戦争から日中戦争・太平洋戦争を経て高度経済成長期に至り、そして現在にかけて、多くの技術者を送り出してきたのでしょう。
大工場だけでなく、町の工場に就職した人も多く居たでしょう。
彼ら今の小父さん達が日本を支えて来ました。
グランドも広く取ってあります。
田舎の高校と比べても広いと思います。
この様に伝統と教育環境に恵まれた都立墨田工業高校ですが、近年、実業高校の志願者が減っています。
大村特別栄誉教授の今回の受賞を機に、志願者が増えるでしょうか?
校舎を撮っていると、やっぱり居ました。
マスコミ(多分)の撮影者と、それを撮っている小父さん。
下町の小父さん好い!