2月28日の中山記念がラスト騎乗になった蛯名正義騎手。34年間、本当にご苦労様でした。蛯名騎手と言えば、アパパネで牝馬三冠を達成したり、マンハッタンカフェで、菊花賞⇒有馬記念⇒天皇賞春と長距離GⅠを3連勝という派手な実績が目立ちますが、やはり自分は、国内であれば、エアジハードの安田記念や、マリアライトの宝塚記念などの、いぶし銀の騎乗が思い出されます。
そして何より、何と言っても、エルコンドルパサーとのコンビで成し遂げた、欧州での輝かしい戦果の数々、これを述べない訳には参りません!
最初は1999年5月のロンシャン競馬場イスパーン賞(GⅠ)、重馬場を苦にせず2着を確保。次が7月のサンクルー競馬場サンクルー大賞(GⅠ)、欧州の一線級相手に芝2400mGⅠを完勝。そして、9月のフォア賞(GⅡ)を楽勝して、10月の凱旋門賞(GⅠ)では、最悪の不良馬場で逃げを選択。そのまま逃げ切るかと思われた瞬間、ゴール前でモンジューに差されて惜しい2着。
この戦果の凄さを示すことは簡単。まず、サンクルー大賞は、欧州の代表的な芝2400mの国際GⅠレースですが、欧州の国際GⅠレース芝2400mで、欧州調教馬以外が勝ったのは、エルコンドルパサーと蛯名騎手だけ。競馬の歴史上でも空前絶後の大偉業でした。凱旋門賞でも、キングジョージ&クイーンエリザベスSでも、未だに勝ち馬は欧州調教馬だけ。そして、この年の国際レーティングでも、エルコンドルパサーが得た134ポンドが、日本調教馬で史上最高のレーティングとなっています。
蛯名騎手は、このあと調教師として、また名馬を作る仕事に入ります。蛯名調教師と、同期の武豊騎手の組み合わせで、凱旋門賞制覇なんて、そんな凄い夢を、ぜひ実現して欲しいと期待しております。
蛯名正義騎手、34年間、本当にお疲れ様でした!