菅政権を揺るがしている総務省関係の接待疑惑が、山田広報官の辞任で幕引きかと思いきや、今度はNTTと総務省幹部との桁外れな接待疑惑が飛び出しました。いわゆる『文春砲』でありまして、もともとこの類の情報を『文春』は、たくさん「在庫」を抱えていて、一番効果的なタイミングで発信するつもりだったのでしょう。劇的なカウンターが決まった瞬間でした。
それにしても、「週刊文春」あるいは「文芸春秋」と、それ以外の差が大きくなりすぎて、その方が心配になります。文春の記者の力、ネットワークの力と、それ以外との差が大きくなった結果、文春以外のスクープって、最近はほぼ無くなりました。
結果として、文春が発信したあと、そのニュースをほかの雑誌や媒体が、しつこく繰り返し報道するという形が定着。ほかの報道機関が、まるで文春の宣伝媒体となっている状態。
こうなると、有名人の人気や進退だけでなく、政権交代や、大手企業のトップ交代なども、『文春砲』の思うがままのタイミングで動くことになります。凄いと言えば、凄いのですが、この状況の危うさは言うまでも有りません。
安倍政権の長期化が、官邸だけでなく、官僚の気の緩みに繋がったことは、今回の接待疑惑で明らかですが、マスコミの世界でも1強時代が長く続き過ぎると、適正なガバナンスが効かなくなっていきます。健全な競争関係や、自らを戒めるパワーが存在しなくなると、組織が腐り始めるのは報道機関も同じです。
『文春砲』自体を監視するシステムが必要になってきたと感じるのは、私だけでしょうか?