映画を観た。
★スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜
原題:The Ides of March
監督:ジョージ・クルーニー
2011/アメリカ
ネスプレッソのCMでおなじみのジョージ・クルーニーとあの《ドライブ》でおなじみのクール男ライアン・ゴズリングの競演です。監督、制作はョージ・クルーニーですから、いわゆる自作自演という作品。
オハイオ州での大統領選を題材にして、なかなかシリアスな展開です。《政治家という者はこうも不徳な者か》と言いたげな展開なんですが、どうもそれだけではないように思えます。最高の権力者である大統領の資格は、《信念やモラルの問題はもちろんだが、それ以上に、ミスをしない潔癖さ、仮にミスをしても隠し通す戦略家でもある》と言いたげです。《ミスをした者は退場》ということ。洋の東西を問わず、政治家という者は所詮腹黒いのです。権力を掴む為には裏切りも手段の一つ。しかしだよ、《下半身スキャンダルに恐れる男とそれをネタに脅す男のコンビに国を任せていいのか?》
ジョージ・クルーニーはスマートでありクールな表情ですが、ライアン・ゴズリングの甘いマスクが政治の世界では生き抜けない甘い人間の弱さをうまく表現してみせる。二人の対照的な表情が面白い。シリアスでシニカルな題材ですが《何処か切ない》。表れる作品の質感は《何故か刹那的》です。
ジョージ・クルーニーは第85回アカデミー賞作品賞を獲得したベン・アフレック監督の『アルゴ』のプロデューサーです。ハリウッドではかなりの政治活動家なようで、オバマ支持者、ここらへんも興味深いこと。