★ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上)(下)
2012年 01月 21日
★ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上)(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:スティーグ・ラーソン
翻訳:ヘレンハルメ 美穂 、岩澤 雅利
出版社: 早川書房
まずは第一部《ドラゴン・タトゥーの女 》を読む。
映画以上に濃厚な、深遠な、そしてエキサイトな《ミレニアムの世界》に突入。
読み始めたら止まらなかった。
先に映画の方を観ているので、あらすじはわかっているが、原作の方がはるかに面白い。
人物描写、彼らの心の動きが詳細に語られ、
読者をどんどん引き込んでゆく筆者スティーグ・ラーソン の筆力が凄い。
筆者はいわゆる仕事中毒者のヘビースモーカーとか。
彼の仕事ぶりが眼に浮かぶ。
しかし、彼はもういない。
有能なヤツほど先に死ぬ。
ミカエル・ブルムクヴィストとリスベット・サランデルは
《ibook》をモバイルマシンとして使っている。
そしてリスベットは当時最高性能と言われた、
PowerBookをつかってハッキングをした。
そして、さらに新発見は、
リスベットのバイクは《カワサキ125cc》。
思わず心が躍る。
★ミレニアム2 火と戯れる女(上)(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:スティーグ・ラーソン
翻訳:ヘレンハルメ 美穂 、岩澤 雅利
出版社: 早川書房
映画より面白いんだから。
第二部の主役はリスベット・サランデル。
頭脳明晰、映像記憶能力を備えた天才ハッカー。
《本書ミレニアムの魅力》は彼女の個性に負うところが多い。
読み始めは、第一部の余韻に浸っているが、凄惨な殺人事件が起こり、
そしてしだいにリスベットの壮絶な過去が明らかになる。
彼女の孤独な戦いには心が痛み、
これからさらに巨大な組織に戦いを挑む姿に胸が打たれる。
呆れるくらいに登場人物が多い。
しかも、個性的人物ばかり。
筆者のスティーグ・ラーソンはこまめに一人ひとりを詳しく描写してくれる。
カタカナ名詞を整理しながら読み進めるのはかなり大変な作業だが、
怒涛の展開に飽きることなし。
★ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上)(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:スティーグ・ラーソン
翻訳:ヘレンハルメ 美穂 、岩澤 雅利
出版社: 早川書房
《ミレニアム2》の続編、ラストまで、とにかくイッキ読みです。
ここまでいれこむ本は最近には珍しく、
読み終えた後も、しばらくボーと余韻に浸るのも珍しい。
登場キャラの凄さと、作家スティーグ・ラーソンの仕事中毒ぶりに圧倒されっぱなし。
読後数日経て、今、ようやく麻痺状態から回復です。
これだけのものを書くと、やはり命を縮めるなぁとマジに思ってしまう。
とはいえ、クリエーターは命を賭けないと《凄み》を生み出せない。
4部、5部とさらに続きが構想されていたようですが、
作家自身がいないのでただただ惜しい、惜しいと、
続きの《ミレニアムの世界》を勝手に想像するだけ。