駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

バイク野郎

2010年11月14日 | 人物、男

 NHKBSで戸井十月のユーラシア大陸バイク横断紀行を見た(残念ながら、全部は見れていない)。戸井十月と言うのは初めて見る名前だったのだが、どうも作家らしい、なんというか正にバイク野郎の風格を漂わせ、還暦をものともせず大陸を走り抜けてゆく。
 ナレーションの声がなかなか味があると思っていたら本人の声だった。深みがあるバイク親父そのものの洞間声で、堂に行った本職顔負けの語りをしていた。顔もユーラシアどこでも通じる貫禄と愛嬌の混じった顔で、行き交う人と年来の知己のように身振り手振りやカトコト英語で交流していた。
 ユーラシア大陸も中央アジアを過ぎると日本のどこにもない風景光景の大地が広がり、それを突っ切る一本道を風を切って駆け行けてゆく。こんな荒れ果てたと思えるところに集落があり、人が暮らしていた。半ば自分もバイクに乗って走っているようで、何とも味わい深い紀行録だ。一度まとめて全部見てみたい。
 バイク好きはどこか高所平気症とかスピード愛好症とか未踏地吸引症とか冒険心を持つ人種の気がする。戸井十月氏もきっと書斎を愛しながら書斎を飛び出さずにはおれない人なのだろう。自分はそこまでの胆力膂力に恵まれないが、冒険心のかけらは持っているようで、こういう人物と紀行はたまらん。

コメント (2)
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