駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

文殊の知恵

2011年10月16日 | 

 三人寄れば文殊の知恵と言う。どうも最近文殊は、原発関連で評判が芳しくなく菩薩もとばっちりを受けているようだが、つくづくそれを感じる旅だった。

 毎年数人の友達と時間を絞り出して、前期高齢者でも準現役ばかり、海外へ小旅行をしてきた。去年一昨年とどうしてもスケジュールの調整が付かず行けなかったので、今年はなんとか都合を付けて出かけた。残念ながら、スケジュール調整や列車飛行機の切符の手配など一切合切の段取りをしてくれたS君(彼だけが未高齢者)が突然の急用で行けなくなり三人旅となった。S君はまあスケジュール作りで楽しんだから半分旅行した気分ですと笑っていたが、可哀想だった。

 いつも七人の仲間で遊んできたが、一人一人の個性と持ち味が違い何とも楽しく力が出る。長老格のN氏とH氏はちょっと参加が減ってきて残念だが、何かあると実に的確な助言や助け船を出してくれる。

 人間の得意不得意は不思議に重ならず、数人居ると大袈裟だが思いがけず何でも出来てしまう。今回一緒に行ったF氏は電気系統の大企業で活躍した人で、人見知りがなく巧みに英語を操って交渉してくれる。ちょっと文法が違っているような気がする時もあるが、どんどん言葉が出てきて言い回すのは凄い。どうしても部下を使っていた癖が出る時があって、ひやりとすることもあるがご愛敬だろう。彼は時差などどこ吹く風で、いつもすっきり目覚めてくる。羨ましい。

 G氏は小さい鉄工所の社長で自称鍛冶屋の親父なのだが、手先が器用で車や電気製品の故障はF氏の助言もあって殆ど直してしまう。高いところが平気でするするっと木や鉄柱に登って皆を驚かせる。純朴で嘘のない人で、彼が居るので仲間のトラブルが起きない気がする。

 私は大した才能はないのだが、医者が居るというのは安心らしい。料理番と道案内をする。今回は料理作りは無かったが運転手を仰せつかり、見知らぬ町をあちこち案内した。夜知らない町をあちこち回っても、戻ってこれるので、二人が感心することしきりだった。ひょっとして自分は犬人間ではないかと思うくらい迷わないのだ。

 

コメント (2)
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