駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

想像力を

2011年10月09日 | 町医者診言

  例えばこれからのエネルギー政策をどうしたら良いのかとか対中国外交のかじ取りをどうするかなどの難しい問題を筋道当てて考えることは、誰にも出来ることではないだろう。ある程度の訓練や基礎学力が必要とされる。  

 だからといって思考停止の付和雷同でよいとは思えない。付和雷同はしばしば自分に付けが跳ね返ってくる。予期せぬ意図せぬ重荷を負わされては困るだろう。人のせいにしようとしたら、自分が加担していたという笑えぬ事態が起こる。

 自分の不得意な分野での判断や意見を見極めるには二つの方法がある様に思う。人間を見抜く力を付けることと、想像力を働かすことだ。それが辛くも生き延びてきた人達の知恵だったのではないかと思う。

 マスコミは信用ならない。無定見で権勢に取り入る習性が染み着いてしまった。

 自分がその立場に置かれたらどうなるかを考えてみれば、簡単にはけしからんなどと偉そうに言えなくなると思う。

 曲がり角の家の主人が不眠で受診した。「車が飛び込んできそうで眠れないんですよ」。

「そんな取り越し苦労などしないで、のんびりやんなきゃ」。

「えっ、だってもう七回も車が飛び込んで、この前は婆さんが大怪我したんです」。

 というような話をどこかで読んだ。これは極端な例かもしれないが、相手の立場で考えると思いもよらない展開があり、迂闊な決めつけは出来ないものだと印象に残っていたので思い出して書かせて貰った。

コメント (2)
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