愛読書が何冊かある。心疲れた時、どれかを手に取る。僅か数行読むだけでああそうだと感じ、数ページ読んで満足し静かに本を閉じることも多い。
再読に耐えるというより、読む度に新たな味わいがあり、再読を楽しむ。実は著書というよりも著者の人物を好んでいるのかもしれない。
川本三郎さんは愛読する著者の一人だ。なんとなく礼儀のように感じて、暫く遠ざかっていたのだが、久し振りに手にとって少し読んで見た。良かった良かった、間違いない川本さんが居ると感じた。私が持っている川本さんの本は高々十冊ほどで、何だお前それで愛読者かなどと言われそうだが、実は申し訳ないのだが本格的な評論よりも身辺エッセイの方が好きなのだ。
勿論、食わず嫌いなだけかも知れない。歳を取ったら読もうなどと、もう歳を取っているのに思っているのだが、叶わぬ夢かもしれない。川本三郎さんは私より少し年上で、東京の兄貴のような感じがしている。東京には私も住んだことあり、おじさんは荻窪に住んでいた。川本さんに感ずる不思議な親しみには東京の香りが少し関係しているかもしれない。
時間がなく、川本三郎再びに値しない内容だが、久し振りに読んでああ大丈夫だと思ったので書いてみた。