仲邑菫さん9歳が10歳で碁のプロ棋士になる。中学生でプロ棋士になった将棋の藤井聡太さんよりも衝撃的に感じた。というのは、中村菫さんは女の子で小柄なのでとても幼く見える。えっこんな小さな子がと驚いてしまう。山下敬吾九段が小学校二年生で少年少女囲碁大会で優勝した記録はあるが、小学校四年生でプロ合格というのは前代未聞だ。父はプロ棋士母もアマ強豪というから、碁才に恵まれていたのだろう、なぜか日本ではなく韓国で修行をして力を付けたようだ。韓国の方が碁の英才教育環境が整っているらしい。報道によると負けず嫌いで、負けると涙を流して悔しがり、強豪プロ相手にも全く臆せず打つことが出来るらしい。今や碁将棋はAIの方が強くなってしまったが、人間では負けて悔しがる気持ち、相手が雲の上の強豪でも臆せず戦う精神性が、強くなる必須条件のようだ。そういう気持ちのありようが、思考力が問われる囲碁将棋で、なぜ強くなる資質になるのか興味がある。AIは別に負けて悔しいという気持ちはないだろうと思う。強豪に臆しないというのは機械だから当然と思うが、人間の場合は弱点になるのだろう。ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックが上手く働いていると書けばありきたりになってしまうが、そういうことなのだろうか。
子供子供していると書いたけれども、目の光りが違った。すでにオーラがあり、透き通った瞳に知力が輝いていた。
幼児に純粋培養で天才教育を施し、高々9歳でこれからの人生を決めてしまうことには、どうしても多少の違和感を抱くが、今しばらくは本人に責任はなく両親と社会がそれをどう受け入れて生かすことが出来るかが問われていくと思う。勿論、十七、八を過ぎれば自分の選んだ道になってゆくのだが、天才がどう大人になるか碁の大成と並んだ課題があるような気がする。