駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

言い回しでは逃れられない問題

2019年01月26日 | 町医者診言

        

 

 ちょっとオーストラリアオープンとアジアカップに目を取られている内に厚労省の基幹統計56の内約4割の22統計で不正処理があったことが明らかになった。例によって内閣の菅官房長官は多くが単純ミスだったと聞いていると幕引きを図ろうとしている。誰に聞いたのかどこが単純ミスなのか明らかにせず言葉の言い回しでまやかし、重大な問題でない印象を与えて幕引きを図る。もうこうした対応は止めて欲しい。

 百歩譲って殆どが単純ミスだったとしても、四割は異常過ぎる。それだけでも統計処理をした担当者は全て厳しい懲戒処分と厚労大臣は交代が当然なのが世の中の常識だ。千回に一回の単純ミスでも、厳しく咎められ場合によっては免停になる医師としては、菅官房長官の常識感覚を疑う。

 勿論、単純ミスではない。プロが三回に一回単純ミスをする訳がない。先ずもって、なぜこうしたことが起きたかを徹底的に調査する必要がある。末端の当事者に自殺者を出さないようにマスコミは眼を見張って欲しい。組織を守ることよりも国民を守ることが公務員の職務のはず、実務者は正直に経緯を話していただきたい。上司の迷惑よりも国民の迷惑を優先して欲しい。

 厚労省のお達し管理下で働く医療者は、以前から時々不信の目で見ていたが、これでは益々厚労省の言うことなんか信用できないとなってしまう。

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