駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

権力を忘れる権力者

2008年09月22日 | 医療
 桝添厚労大臣が突然後期高齢者医療見直しを言い出した。行政は晩飯の献立ではない。晩飯の献立だって急に変えれば、無駄と抵抗がある。
 今回の後期高齢者医療制度導入のために医療関係者が膨大な全く収益とならない事務仕事をしたことを、桝添さんは知らないのだろうか。患者さんは漸くこのわかりにくい後期高齢者医療制度を理解し始めたところではないか。
 制度の善し悪しは五ヶ月ではわからんぞ。評判と善悪は違う(一般論として)、評判が悪いからと止めていては、何も物事を為すことはできない。良いから導入したはずなので、説得するのが政治家の仕事だ。説得できなければ退場(武士なら切腹)の覚悟があると思う。なんでも簡単に投げ出すなと言いたい。猿ではあるまいし、朝三暮四ではだまされんぞ。
 過ちを正すに憚ることなかれなどと格好いいことは言って欲しくない。それは個人のこと、権力者は過てば選手交代。
 行政制度の運用に国民がいくら払っていると思っているのだろうか。杜撰な年金管理の調査費用は関係した責任職員に払って頂きたい。
 個人的には後期高齢者医療制度には問題があると思っているが、国が決めたことには粛々と従って診療している。権力は絶大なのだ。権力者の決めたことにはどんなに大きな責任が伴うか、忘れてもらっては困る。

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2 コメント

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Unknown (yukacan)
2008-09-21 17:54:17
現役で社会保険関係の仕事に毎日接していた時でもころころ変わる法律についていくのが大変だったのに、日本では非居住者になって5年、早くも浦島太郎の心境です。もし将来突然日本に戻るようになってぽんと放り出されたらたとえ日本語だけはわかっても外国人と同じ状態、しかも今よりももっと年をとっているわけで生きていけるだろうかと心配になりますね。うちの両親も後期高齢者真っ只中で自分たちのことをそう呼んで自嘲していますが、この呼び方を考えた人は本当に対象の人たち自身の身になって何かを考えたことがあるのでしょうかね。
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猫の目行政とその感性 (arz2bee)
2008-09-21 19:11:46
 完璧の制度はありません。三分の二の人がまずまずといえば、それを上手く運用していくのが賢いのです。当院の事務は2年ごとに変わる制度にさほど不平も言わず、手引きを読みあちこち電話して、付いていってくれています。事務能力皆無の私は端で見ながら彼女達に心から感謝していますが、同時に分かりにくい通達で制度をコロコロ変える行政には怒りを覚えています。
 後期高齢者は失礼か、では後期高齢者様ではどうかというのが、お役所の感性でしょう。
 後期高齢者には要するにもう十分生きたのではないですかと言うメッセージが込められています。
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