駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

手順前後では正解に辿り着けない

2016年11月04日 | 町医者診言

           

 パソコンを入れておくと頼みもしないのに誰が選んだか雑多なニュースが画面に現れる。タレントのヒロミと言う人が屑扱いされたと憤慨している記事から憲法改正に国会議員の7割が賛成という記事まで、順不同に数秒ごとに現れては消える。

 憲法改正に7割の国会議員が賛成というのはミスリードの恐れがあるというかミスリードを狙った?表題に感じられる。憲法に改正した方が良い部分があるというのは、7割どころか9割以上の国会議員が、そう考えていておかしくない。何を変えるかを二の次にして、憲法改正の是非を問うのは手順が前後しており、戦略的な設問に感じられる。

 憲法制定七十年の行事には国民が憲法を勉強し直すのが一番相応しいと思う。勉強し直すといっても多くの人には初めてと感じられるかもしれない。事始めにわざわざ国会議員員に改憲のアンケートをしたのだから、国会議員に憲法の試験をしてみたらいい。そんな細かい?ことを、好きにしろと不快感というか怒りを表す議員が多いのではと予想する。確かに五十を過ぎて条文を暗記するのは難しいかもしれない。勿論、一言一句とは言わない。憲法の根幹を問うだけだ。

 押しつけられた憲法だから駄目と言う人が居るが、それはなんとかして自分の好みに変えたいという意向から出てくる戦略的な言い回しだろう。改憲アレルギーと同じ穴の狢で、硬直した思考停止症状と診断される。

 原理的でなく便宜的に考え対応するのが日本人の特徴のように観察している。良い時もあるし悪い時もある。ただ、憲法を便宜的に捉えると憲法ではなくなるように思うが、憲法学者の診断はどうなんだろう。

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