駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

シナリオが決まっていたTPP

2013年03月16日 | 町医者診言

        

 当然というか私にさえ予想できていたことだが安倍首相の訪米以前にTPPの筋書きはできていた。聖域は西域の間違いだったようで、環太平洋の西域に未だ椅子が残してあるという意味だった。

 どうも契約書などよく読まないで美辞麗句に釣られて保険の契約をしてしまう日本人の足下を見抜いていたらしく、農産物と医療保険制度は聖域のはずだったといきり立っても、よく契約書を読んでとやんわりいなされ、よく読んでみると西域に参加余地の椅子を残してあるが、交渉に聖域はなく不満があってもあとでごねることは許されず、一度入ったら抜けられない組織協定とある。

 国内向けには、最善を尽くしたが相手のあることなのでやむを得ず農産物の関税は実質撤廃し医療保険制度も見直すことになった。痛恨の極みで、重い責任を感じていると弁慶が立ち往生することになっている。

 どうしてこういうことになるかというと、町医者の見立てでは、安倍首相と利米勢力(親米に依って利益を得る)はTPPは全体としては日本経済にプラスと考えているからだ。泣く人が居ても笑う人の方が多ければやむを得ないという判断がある。中期的に見て国益に適うと考えているのだ。さてでは、国益とはなんぞや?、と言い出せば議論百出必至だが、TPPに反対する人も国民なのを忘れないで欲しい。

 なぜか日本は革命暴動の起きない国(流れに抵抗する人は少数派で、流れに乗ろうなんとか勝ち馬に乗ろうとする人が多数派)なので、割を食い泣きを見る人々には最善という言葉で語られる並の慰労補填で償って行くことになるだろう。果たしてこれでよいのかどうかは、わからない。しかしまあ、国民は何者かに煽られて?安倍首相に高い支持率を与えてしまった。車は急に止まれない。

 それにしても、何も出来なかった民主党の後に、何でも出来ると思い込んだ人が出てきたのには反動効果もあったと思う。今何が起きつつあるか、みんな気が付いているのだろうか?冷静によく考えたい。例えば、日本を裏で操作しようとしている利米勢力と米国は、安部首相の親米が何処まで利米かを途切れることなくいつも冷静に計算していることを忘れてはならない。

 

 

 

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それってどういうこと

2013年03月15日 | 診療

      

 月に二三人高血圧や高脂血症で他院に通院しているのに、風邪を引いたとか眩暈がするとかと当院を受診される患者さんが居る。総合病院へ通院しておられるなら、何の抵抗もなく診察するのだが、同じ開業医で実は外科系の医師だったりすると、なんで調子が悪いと私の所へ来るのかと思ってしまう。掛かり付けの医師の方がよく分かるから、そちらへ行かれたらどうですかと、口に出して申し上げることもある。そうした患者さんは異口同音に、「いえ、あそこは薬を貰いに行っているだけだから」。としれっと答えられる。何とも失礼で奇妙な返事なのだが、そうは思っておられないようだ。

 今日は診察させて頂きますが、次はいつもの所で診て貰われると良いと思いますよと切り口上で申し上げることもある。残念ながら私が喜んでいないあるいは不適当と考えている事だけは理解されるようだが、なぜそう思うのかは理解されないようだ。医者に掛かる意味、殊に高血圧症や高脂血症といった慢性の内科系疾患を診て貰う意味を理解されていないのだ。

 「あのさー、薬を貰いに行っているだけってどういう意味」。とお聞きしたい

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TPP条件逃走か闘争か

2013年03月14日 | 町医者診言

       

  自民党内でTPPは条件闘争に様変わりのようだ。参加前提の条件闘争なら、争うまでもないはずなのだが、どういうことか。安倍首相は鬼の首でも取ったかのように聖域があるから参加に何も問題ないと言葉巧みに、参加の正当性を演出をしたが、聖域の内容を明らかにしなければ聖域の意味はない。聖域は当然農産物と医療保険制度と思わせておいて、実は交渉では相手のあることだからと財界大企業重視というのでは、聖域は目眩ましということになる。

 この当然と思われる聖域(農産物、医療制度)を争わないと確保できないとすれば、安倍首相の聖域表現は議論逃走用のマキビシと言いたくなる。

 医療は日進月歩で例えば癌の分子標的の個別治療など確実に進歩している。ips細胞を用いた治療の臨床応用も端緒に着いている。こうした夢のある報道には、いつも肝心なコストが抜け落ちている。要するにお安くは実施できないということだ。混合診療解禁となれば、歯止めが効かず、貧乏人は麦飯を喰えどころか、高額医療費を負担できない人は諦めてくださいということになる。(混合診療は歯止めが利き、公正妥当に運用されれば、良い点もある)。現に生活保護者にはジェネリック医薬品をとなってきた。

 分かっていることを改めて指摘することもないが閻魔大王は慈悲ではなく自費の払える人を優遇するらしい。

 安倍ノミクスに付いてゆけばパイの分け前が、の思惑の人はそろそろ頭を冷やす方が良いかもしれない。

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診療前線異常あり

2013年03月13日 | 診療

       

 診察における問診の重要性は今も昔も変わらないはずであったが、どうもこの頃典型例が減少し思わぬ伏兵というか非典型例に出くわすようになった。検査の進歩により診断力が上がり、以前は見逃されていた症例が捉えられるようになった側面もあるとは思うが、それだけでなく確かに非典型例が増えてきている印象がある。

 インフルエンザは鼻水や咳嗽といった感冒症状が先行しない急激な高熱発症が特徴で、倦怠感や多発関節痛などを伴うので流行期には話を聞いただけで検査をする前に診断が付くのだが、この頃は軽症非典型例が結構ある。

 どうされましたか?。二三日前から喉が痛いんです。熱は?。37C前後の微熱が続いてます。咳や痰は?。少し出ます。だるいですか?たいしてだるくありません。診察では咽頭に軽度の発赤を認める他には異常がない。

 唯一引っ掛かるのは微熱ではあるが熱が続いているところだ。違うと思いますがインフルエンザの検査をしておきますか?。はあ、お願いします。と答えるので、医者患者とも違うだろうなと思いながら検査をするとばっちりA型インフルエンザが陽性だったりする症例に出くわす。

 インフルエンザワクチンが打ってあったんだ。それで軽いんですねと言えればよいのだが、ワクチンは打っていませんとお答えになる。ああ、そうですか、熱は高くないけど、インフルエンザのお薬は飲んでおきましょう、会社はちょっと休んで頂くことになりますと、続けることになる。

 インフルエンザだけでなく、盲腸(急性虫垂炎)なども非典型例が増えたように思う。

 何だか変だというのでは、非科学的で頼りないが、気候も景気も人心も昔聞き知っていたものと違ってきた。

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ニュースの隙間風

2013年03月12日 | 町医者診言

          

 劇的な逆転勝ちをした直ぐ後、長嶋氏がWBCの激励に登場したようだ。なんで今と思う。私も半世紀前は徳光さん同様大の長嶋ファンだったが、今は憑きが落ちた。天才あるいは天衣無縫のように言われたが、どうも実際は位置取り感覚が優れていたのではないかと思う。さすがにこの頃はマスコミも神様扱いではなくなってきた。

 **氏と呼ばれる立場はなんだかどうも妙なものだ。海千山千のマスコミも戸惑っているように見える。

 東日本大震災から丸二年、昨日は追悼行事報道一色だった。私達は忘れないと言うが、実際に身内の不幸や被害に会われた方は忘れようとしても忘れられないだろう。応援や励ましの行事よりも言葉よりも、手を貸し資金を出すことで実効が生まれる。僅かな寄付しかしていない私には思い遣っても口に出す資格はないような気がした。

 震災津波の日は同時に原発人災の日なのも忘れずに報道して頂きたい。原発放射能汚染問題をこそ節目節目に取り上げ、被害を浮き彫りにして、原因と責任を明きらかにし、これからの対策と被害の救済法を追求していかねばならない。

  日銀総裁副総裁候補が2%インフレを必ず果たすと口約している。アナウンス効果はあると思うが、実際にどうなるか。はっきり言って人体実験、違った国家実験をやろうとしているわけだ。医者は最善を尽くしますとは言うが、必ず成功しますとは言わない。

 フランシスベーコンの絵を見てたじろいだが、ベーコンは現実はもっとおぞましいとたじろぐ私に語りかけていたのを思い出す。

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