釣りをしていて突然の雨。それも強烈な奴。嫌ですよね!通称ゲリラ豪雨。こんな雨が近年に頻発しています。有識者たちは地球温暖化による現象の一つと言っています。僕は気象予報に関してはずぶの素人ですが、この現象が地球温暖化が原因ではないように思えてなりません。といいますのも、この現象はどうやら日本だけで、海外ではそれほど現れていないようなのです。もし地球温暖化が原因であれば全世界(地球全体)でこのようなことが起こらなくてはならないのに日本もしくは日本周辺の国だけであれば原因は他にあると考えるのが普通でしょう。
ゲリラ豪雨が発生するには狭い範囲に強烈な上昇気流が発生しなければなりません。つまり限局された場所で急激に天に向かって空気が流れなくてはいけません。空気は同じ湿度であれば温度が高いほうが軽いのです。よって、温度が高い所が局所的に発生する必要があります。これはどういうことなのか?と考えると地面が減ったことによるものではないでしょうか?つまり地表面のがアスファルトやコンクリートで覆われることにより、太陽の光を受けて急激に気温を上げてしまうのです。その上そういうアスファルトやコンクリートからは地面に比べて水分量がとても少ないので、その乾燥が温度上昇をより助けてしまうのです。つまり都市部などのような地面が人工物によって覆われてしまった場所では局所的に上昇気流が発生してしまうのです。
しかしながらこれだったらいままでにもこうしたゲリラ豪雨は発生していたはずです。ではここ最近になって発生しているのは何故でしょう。勿論過去にもあったはずですが、それは希なことでしたので『ゲリラ豪雨』なんて名前がなかっただけです。最近になって頻発するようになったのでこのように呼ばれるようになったわけですが、それはどのような理由からでしょう?
それは地面の乾燥化だと思います。先にも書きましたがアスファルトやコンクリートで地面が覆われ、土地の水分量が減っているのだと思います。自然は良く出来ていますので、土地の水分量が減るとそれを補おうとして雨が降ります。それだったら砂漠なんてあり得ないじゃないかと思われるかもしれませんが、砂漠は大陸の内部に出来た乾燥帯で、海から遠いので大気中の水分量も少なく、本当なら雨を降らせたいのですがそれだけの水分がないのです。ですからゲリラ豪雨のようなことは希です。ところが日本は四方を海で囲われていて、しかも細長い小国ですからそもそも大気中の水分量が全国的に多いわけです。ですからそういう比較はできません。そして、その水分量の減少に拍車を掛けているのが河川の護岸、ダム、そして山の木です。
まずは護岸の話です。皆様も色々な場所に行くでしょう。そのときに川を見てみてください。護岸されていない川を探すのは大変なことです。行政は水害が起こるとその責任を追及されます。またそれを司法が責任ありなどと判断したことから行政は、とにかく水はすぐに海に流してしまうように川を真っ直ぐに、そして護岸をして降った雨(水)を一刻も早く海に出してしまおうと考えてしまったのです。これがゲリラ豪雨の一番の原因だと思います。その昔は川は蛇行し、しかも時々氾濫をして流れを変え、そのたびに付近の土地を潤して(水分量を増やして)いました。これによって気温が上がっても地面に貯蓄された水分の気化熱が急激な気温の上昇を防いでいたのです。要は昔の打ち水のようなものです。しかし、こうしてほとんどの川が護岸されてしまった現在、水は一気に下って海に行ってしまうのでそれがありません。
次にダムです。ダムは治水および発電がその主な設置理由です。ダムは大量に水を蓄えますので、その付近の土地の水分量は俄然増えます。しかし、皆様も山に出かけたらダムの下流を見てください。ほとんど水が流れていません。つまり土地の水分量に大きな不均衡を作っているのです。勿論、時々は放水するのですが、それは先のように計画された川ですから一気に下ってしまってその場にほとんど留まりません。よって地面の浅い部分だけの水分増加であって、深い部分の水分はどんどんと減って行くのです。こうして土地の水分量が少ないダム直下の気温は上がりやすくなり、土地の水分が多いダムの上流では上がり辛くなるわけです。そして水分量が少ないダム直下では気温が上がりやすくなります。
最後に山の木の話です。四季がはっきりしている日本の山は、本来ほとんどが広葉樹に覆われていました。それをほとんど杉にしてしまったことがゲリラ豪雨の一助となっています。自然を少しでも理解している人ならこれだけでなるほどと理解していますのですが、解らない人のために少しだけ書いておきます。杉はブナなどの広葉樹に比べてものすごく保水量が少ない木なのです。長年渓流釣りをされて来た方なら、以前よりもちょっとした雨で増水するようになったと感じているのではないでしょうか?特に伐採が進んだ山や伐採した後に杉が植えられた山ではそれが顕著です。要は水位が不安定になってしまっているのです。つまりどういうことかと言いますと、山の広葉樹が切り取られ、丸坊主や杉が多く植えられた山は雨が降って吸った水をすぐに排出してしまうのです。ですから雨が降ればすぐに増水し、少し降らなければすぐに渇水になるのです。渓流釣りで山に入ると昔は苔むした渓が沢山ありました。要は山が保水しているので湿度が高いのです。それが伐採が進み、杉が沢山植えられた今ではそういう渓流は伐採されていない相当な上流以外ではなかなか見られなくなりました。山を伐採したり杉を植えたりするのは地面の保水を考えた場合は川を護岸するのと同じ事なのです。加えて杉は濃い色の緑色ですから、陽が当たると沢山熱を吸収します。水分が少なく、植えられた杉が沢山の熱を吸うのですから当然山間部の気温が上がります。以前は山間部は気温が上がり辛く温度が上がらない空気が平地に流れ込んでいたのがなくなります。平地もアスファルトやコンクリートで気温が上がります。これにより局地的に急激な上昇気流が発生し、それによってゲリラ豪雨が発生します。蛇足ではありますが、スギ花粉症もこれが大きく影響をしていると考えられます。そもそもこれだけ国民がスギ花粉症で苦しんでいるのに野放しにしている政府は何を考えているのでしょう?
ここで判る事があります。ゲリラ豪雨の原因はみんな国や行政が絡んでいることです。公共事業で経済を活性させることも大切ですが、ゲリラ豪雨でもう何人もの犠牲者が出ています。それでもこんな公共事業を続ける意味はあるのでしょうか?他に手立てはないのか?と思ってしまいます。加えて東日本大震災にこじつけて国土強靭計画なんてことを始めています。要は大きな堤防を作ったりするわけですが、これがまた海からの水分をも阻止してしまいます。そもそも大きな堤防が大津波を防げるなんて考えるのが馬鹿らしいのですが(防げないどころか強大にしてしまいます)、そういう意味のない公共事業(税金の無駄遣い)によってゲリラ豪雨が増え、犠牲者がふえることに僕は我慢できないのです。
ゲリラ豪雨を少なくするには今まで作ってしまった護岸を撤去し、杉山は伐採してブナなどの広葉樹に変え、ダムを撤去する公共事業が必要なのです。要は日本の国土を昔の姿に近づけることだと思います。