アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ワイルドベルガモット(ヤグルマハッカ)‐ シソ科

2020-06-09 20:38:05 | みんなの花図鑑
於大公園(東浦町)の薬草薬木園にて。

名前が分からず、 撮ってきた写真をパソコン画面に出して、スマホの Google Lens で検索すると
 Purple bergamot
 タイマツバナ
 ヤグルマハッカ属
と候補が出たので、その中から最も近そうな名前の ヤグルマハッカを選ぶ。




「ヤグルマハッカ」で検索すると、
ワイルドベルガモット(ヤグルマハッカ)の記事に行きつく。
いわく 「ベルガモット、あるいはモナルダという、ハーブの名前の方が良く知られてる。」 (四季の山野草「ヤグルマハッカ」)




なるほど、ハーブだったから 薬草園に植えられていたんだね




葉の香りが香料にされるベルガモット・オレンジに似ているからベルガモットと呼ばれるそうで、モナルダというのは学名です。花が甘い香りと蜜を持つことから、ビーバーム(蜂の香料)とも呼ばれます。 (植物図鑑・赤ピンクの花「ベルガモット(モナルダ、ビーバーム)」)




葉にベルガモットオレンジの香りがあるハーブで、香りづけの植物やオーデコロンの主成分として利用されます。また殺菌作用があり、ハーブティーは整胃、整腸や不眠症の改善にも使われ、アメリカ先住民の間では古くから薬用植物として利用されていたといいます。(魅る魅るガーデニング「6月21日の花 ベルガモット(松明花)」)




花色は深紅、白、ピンク、赤紫で、どの種も細長い筒状の小さな花を密集させ、筒状の花は途中から2つにわかれ、2本の長い雄しべが突き出た独特の頭花を作っています。(同上)




花序は直径6㎝以下。花は花序に約30個つき、長さ3~4㎝。 (三河の植物観察「タイマツバナ Monarda didyma L.」)




花冠は狭い筒形、スカーレット色、長さ2.5~3.5㎝、微軟毛 がある。上唇は直線状、わずかに外側に曲がり、全縁。(同上)




下唇は広がり、中裂片は狭く、先は凹形。雄しべは花冠から突き出る。(同上)



イボタノキ、プリベットなど - モクセイ科2

2020-06-09 13:31:48 | みんなの花図鑑
ネズミモチ、トウネズミモチ以外のモクセイ科の白い花を紹介します。

イボタノキ

イボタノキの花は 花筒がとても長いのが特徴です。 ネズミモチも トウネズミモチより長かったので、 2本の花弁の上に突き出している雄しべの長さがトウネズミモチより短かったのですが、イボタノキの雄しべは花弁とほとんど同じくらいの長さなので、雌しべを保護しているような感じです。




イボタノキの葉は ネズミモチに似ていますが、より柔らかそうな感じがします。
学名:Ligustrum obtusifolium
種小名の obtusifolium は 葉の先が鈍頭の意。




雄しべは 短く縮こまっている感じがしますが、葯(花粉が入った袋)は ネズミモチよりずっと長く大きいです。





プリベット(セイヨウイボタノキ)

流通名で プリベットと呼んでいますが、 セイヨウイボタノノキが正式名称かな?
(ただセイヨウイボタノキと呼ばれているものは 実際は シナイボタノキであるとか記事があり、この木については 何が正しいのか、不案内で申し訳ありません。)




葉はやや丸く、 花はびっしりつきます。




花冠は4裂して裂片が反り返るところは 仲間と同じ。




やはり、 2本の雄しべが花冠より突き出ています。




おしべの葯の色が 褐色がかっているので、プリベットと分かります。





フクロモチ

フクロモチは ネズミモチの変種です。
学名: Ligustrum japonicum var. rotundifolium
Ligustrum japonicum は ネズミモチの学名です。




葉っぱが ネズミモチを小さく丸くしたような独特の花なので、すぐ分かります。
変種名の rotundifolium は 「丸い葉」の意。



フクロモチでなく フクラモチ ともいうようです。



雄しべは花冠よりも短い(花冠から突き出していません)のが特徴です。




リグストルム 'ビカリィ'

最後に、安城デンパークで見た園芸品種です。
樹名板によると、 品種名は 「Vicaryi (ビカリィ)」だそうです。




葉先はとがっています。



花冠は4裂し反り返っています。 雄しべの葯は白っぽいですが これまで見たモクセイ科の中でいちばん細長いです。






ネズミモチvsトウネズミモチ - モクセイ科

2020-06-09 10:38:52 | みんなの花図鑑
ネズミモチとトウネズミモチはとてもよく似ています。 両者が並んで植わっていれば分かりやすいので、画像で並べてみました。

ネズミモチ        トウネズミモチ

まず花の咲く時期が違います。ネズミモチのほうが全般的に一か月くらい早いです。でも、トウネズミモチでも早いものはもう咲いていますので、単独で区別するのは難しいですね。
あと、 花でなく、葉で区別する方法があります。 ネズミモチの葉は日に透かして見ると 葉脈がほとんどみえませんが、トウネズミモチのほうは葉の裏から透かして見ると、主脈だけでなく側脈も良く見えます。
葉で識別する方法は 比較しなくてもどちらか一方だけでも判別できるので、 四季を問わず有力な判別法です。



ネズミモチ        トウネズミモチ

今の時期、ネズミモチの花が終期で、トウネズミのほうがぼつぼつ咲きだす時なので、あちこちのモクセイ科の花をカメラに収め、画像で比較してみました。
一般に ネズミモチのほうが 花筒が長く、トウネズミモチのほうが短いです。



ネズミモチ        トウネズミモチ

そのため、ネズミモチのほうが 2本の雄しべが花弁の先に突き出している長さは短く、トウネズミモチのほうが突き出る量が長くなります。
同じ理由で、ネズミモチの2本の雄しべは上にバンザイするように伸びてますが、トウネズミモチ(右)の2本の雄しべは 筒の外に出ている部分が多いので 間隔が開いて、 応援団のリーダーのポーズのようにY字型に腕を広げた格好になることが多いです。



ネズミモチ        トウネズミモチ

とはいえ、 単独で 花だけを見て区別するのは 至難の業です。
上の画像だけでは とても区別できないですね。



ネズミモチ        トウネズミモチ

あと、参考までですが、 つぼみの時の ネズミモチ と トウネズミモチです。 これだけでは 違いが判りません。
咲き時期とか、全体的な雰囲気とか、合わせて判断しましょう (´∀`)