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クリスマスローズはなぜうつむき加減に咲くのでしょう?
植物学的には、下向きで咲く花を好むハナバチ類の訪花を誘引していると考えられています。(『NHK趣味の園芸』2018年1月号より)
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ハナバチ類は行動範囲が広く、一つの花での採蜜時間が短く、効率よく多くの花を訪れて受粉の可能性を増す、植物にとってはありがたい存在です。このため、花首を長くし下を向くように進化したと思われています。(同上)
他の理由としては…
冬に花を咲かせるので、雪から花を守るためではないか、とも言われています。
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クリスマスローズの花弁のように見えるのは萼片です。クリスマスローズだけでなく、萼片が花弁のように大きく開いて虫を呼ぶ役目を果たしています。
では、元々の花弁はどうなったのかというと、本来の花弁は蜜腺(ネクタリー)に変化しました。
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花弁が蜜腺(ネクタリー)に「退化」したのか 「進化」したのか?
意見が分かれるところですが、私は役割分担を変化させた結果の進化だと思います。
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クリスマスローズの花は雌性先熟で、雌しべが雄しべより数日先に熟し、受粉のチャンスを待っているそうです。
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Helleborus argutifolius
雌性先熟だとすると、このおしべがお辞儀をしている花は 雌性期の花なんでしょうか?
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この花など 中心の多数の雌しべが元気が良く、雌性期に見えますが、よくみると、おしべの葯が割れていないものと花粉を出し終わって倒れ掛かっているように見えるおしべがあります。
何だか、雄性期のほうが めしべ活動期より先行しているように見えますけど??
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Helleborus argutifolius
この花は 雌しべ2本で おしべの数も少ないようです。
少ないおしべですが、花粉を出したものとまだ出していないおしべとあります。
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同上です。
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これも同上です。
雄性先熟と言っても、おしべの動きが ロウバイなどと違って ばらばらではっきりしてないですね
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この花では 雄しべの活動も終わっているように見えます。
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受粉が終わると、役目を終えたおしべと蜜腺は脱落します。
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そして子房が膨らみだします。
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これは クリスマスローズの横にありましたが、クリスマスローズのような子房がありません。
Google Lens で検索すると、レンテンローズ(Lenten rose)を候補に挙げてきました。
初めて聞く名前です。
レンテンローズを検索しますと、
キンポウゲ科クリスマスローズ属の多年草です。
別名:ヘレボラス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)
日本で見られるヘレボラス(Helleborus) は、ニガー種(niger)と、オリエンタリス種(orientalis)ですが、 特に、ヘラボラス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)をレンテンローズ(Lenten rose)と呼んでいます。
クリスマスローズは、クリスマス時期に咲くヘレボルス・ニゲルのことを指し、花色(萼弁色)が白で、冬咲きです。
一方、レンテンローズは花色(萼弁色)が赤や桃、白、緑色などの園芸種が作られており、 花色が豊富で、初春(2~3月)に開花する春咲きの花です。
(以上、【かぎけんWEB】「レンテンローズ(Lenten rose)」より)
しかしながら、
日本では、クリスマスローズとレンテンローズを区別することなく販売されていることが多いらしいので、
品種による違いではなく、
この子房のない花は レンテンローズを含めたクリスマスローズなのですが、
「無駄に結実させないよう、早めに花の真ん中にある子房を取り除いた」ものなのかもしれません。
(GardenStory 「クリスマスローズ 花を楽しんだ後、今からやっておきたいこと」)