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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ヤイトバナ - 解剖

2020-08-14 23:38:17 | みんなの花図鑑
ヤイトバナは 標準和名(ヘクソカズラ)があまりにも酷い名前なので、ブログでは 標準和名以外の呼び方をすることが多いです。


ヤイトバナの花は白い小さな筒状で、中央のえんじ色が美しく印象的です。(NHKみんなの趣味の園芸「千葉県立中央博物館 生態園さんの園芸日記「ヘクソカズラの花」」より一部編集して引用)




拡大すると、花筒の内側に、先の丸い腺毛が密生し、外側も数珠のような腺毛に被われています。(同上)
花筒の入り口に2本の水滴で作った管(くだ)のようなものが見えていますが、これが雌しべの花柱です。




めしべの花柱は 長い花筒の一番下にある子房まで つづいています。どんなふうになっているか花筒の中を覗いてみたいと思いませんか?




このヤイトバナは 我が家の庭のものなので、一輪 たてに裂いてみました。
雌しべは下部で2本に割れて細長く、割れた内側に多数の突起があり、筒の入り口を塞ぐかのように折れ曲がっているのが特徴的です。花の内側には、細長いやくを持つ長短2種類の雄しべが、貼りつく様に着いています。(同上)




蜜は雌しべの基部から出ます。このような花の形態は、コハナバチのような小型のハナバチが、花奥の蜜を求めて身体ごと花筒の中に入り込んだ際に、虫に花粉を擦り付け、同時に受粉するよう進化した結果と考えられます。(同上)




腺毛の役割はよく解りません。アリなど蜜を盗む昆虫が花の中に入り込むのを防ぐためと説明されていますが、もっと他の役割もありそうです。(同上)




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