アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

君はススキの花粉を見たか?

2024-11-07 07:00:00 | みんなの花図鑑

このススキは愛知県の西三河地方の洪積台地を流れる小河川「追田川」で撮ったものです。
一帯はかつて「安城が原」と呼ばれ、キツネの走るススキ野原でした。




現代の私たちは「野原」と一般に言いますが、古い日本語では、「野」と「原」は別の意味をもっていました。「野」が単なる未墾地を指すのに対して、「原」は水が乏しく、農業もできない台地のことを指していたのです。かつての「安城が原」にはキツネしか住まないといわれるような荒寥たる草野が広がっていたのです。



2024-11-04 安城デンパーク グラスウォークにて




さてここからは同じく安城が原の今度は西側を流れる猿渡川の堤防にあったススキです。
2024-10-24



花の時期は 前期と後期に分けると後期です。
どうしてそんなことが分かるのかというと・・・




上の画像をよく見ると、穂の下側にぶら下がっているのが雄しべの葯(花粉を入れた袋)で、
葯の中はからっぽです。



イネ科は風媒花ですから、おしべの葯が風に吹かれて中の花粉を飛ばすことで授粉が行われます。
下にぶらさがっている雄しべの葯から花粉が飛散し、上の実験室のブラシのようなめしべに付くことにより授粉します。



ピントが甘いですが、左側のめしべの柱頭部(赤いブラシの部分)に細かい粒子がついているのが分かりますか?
これが花粉です



ススキの花粉は小さい(小さくないと風に乗って飛べない)ので200mくらい飛ぶそうです。あまり聞かないけれど、花粉症を引き起こすこともあるそうです。
ちなみに、秋の花粉症のほとんどは ブタクサの花粉症です。
セイタカアワダチソウと思っている方がまだいらっしゃいますが、こちらは虫媒花なので飛散しません!




〔欄外〕わが家に来たジョウビタキ♀






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